『天晴爛漫!』13話(最終回)感想 作品の見方を間違えていたと思う

3.0

『天晴爛漫!』第13話(最終回)「OVER THE MOON」感想です。

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前回あらすじ

ソフィアはギルに囚われの身となった。ギルの目的は大勢の人が集まるシカゴで大規模なテロを起こすことだった。小雨も回復し、車の修理を終えた天晴たちはギルの潜むゴーストタウンに向かった。ゴーストタウンではチェイスの機転でギルのアジトとソフィアを発見。ギルの手下を各個撃破してギルの元へと乗り込むのだった。

13話あらすじ

ディランとTJを除くメンバーがギルと対峙した。ギルの銃のリロードの隙をついて一斉に襲いかかるも、ギルは顔ひとつ歪めない。ギルの計画は列車にダイナマイトを搭載してシカゴ駅に突撃し、ダイナマイトを爆発させるというものだった。

ディランとTJが遅れて合流。天晴たちは列車を止めるためにその場を去った。ディランとTJはギルを撃破する。

アルとシャーレンが列車に飛び乗り、ソフィアを救出したものの、列車は止まらない。そこで天晴は進行方向から車で列車を押し、ブレーキをかけようと試みる。車の緊急加速ブースターを使用してギリギリで列車は止まった。

1ヶ月後。レースが再開していよいよゴール。緊急加速ブースターを使って天晴が最後に競り勝ち、1位となった。

レース後、天晴はアメリカに残り、夢である空を飛ぶことに想いを馳せていた。小雨は日本に帰るべきが逡巡していたが、残ることに決めるのだった。

とにかく詰め込んだ最終回

最終回。ギルとの戦いとレースの結末と天晴と小雨の今後について蹴りをつけなければいけないので、かなり早足だった印象。特にギルとの戦いは、ディランとTJが一体どうやってギルに勝ったのかよく分からないまま勝利を収めていた。前半部の天晴たちとギルの戦いも本当に必要だったのかは疑問。まあそれを言い出すとギルという存在が物語に必要だったかどうかも怪しくなってくるが。

列車を車で押し返すのはロマンがあるけど、流石に無理筋で、列車の前に出た瞬間に木っ端微塵にされるのがオチだと思う。フィクションなので外連味を重視したということにしておきたい。普通に考えれば、シカゴにたどり着く前にポイントを切り替えて列車を脱線させるのが最も安全かつ確実な方法だと思う。

最後は天晴と小雨の今後。天晴が小雨への思いの丈を叫ぶシーンは良かった。小雨とシャーレンは恋仲になりそうな雰囲気あったのに、それがなかったのはちょっと意外。小雨がアメリカに残っても東海岸と西海岸じゃ飛行機もない時代では、なかなか逢えないだろうし、関係はここで終わりっぽくて寂しい。

全体を通しての感想

正直に言うと期待外れだった。PA Worksのオリジナルアニメは毎回期待していて、今回はアニメでは珍しいレースをテーマにしたものだと聞いて、楽しみにしていたのにレースシーンがほとんどなかったのが一番ガッカリした。天晴は「合理的じゃない」が口癖だったけど、アニメ自体も合理的じゃないシーンがたくさんあって、粗ばかりが見えてしまった。同じPA作品の『フェアリーゴーン』よりも断然面白いという意見をTwitterでよく見たが、個人的には『フェアリーゴーン』はそこまで嫌いではなく、むしろあれはあれで割と楽しく見ていたけど『天晴爛漫!』はそんな気持ちにもなれなかった。

ただ最後まで観て、これは私のアニメの鑑賞方法が間違っていたように感じた。『フェアリーゴーン』はたぶん、ガチでストーリーを作ってあんな感じになってしまったけど、『天晴爛漫!』はストーリーの整合性とかそういうとこよりも、ひとつひとつのエピソードのハッタリを最大限に効かせて、とにかくその瞬間瞬間で楽しめるエンターテインメントを作ろうとしたのだと思う。つまり粗なんかは最初から織り込み済みなんだろう。

実際に、ギルなどの悪役はとても分かりやすい造形だし、キャラクターもそれぞれ個性が際立っている。頬を染めるシーンなどもわざとアニメっぽい表現方法にしている。適切な喩えかはわからないけど、誤解を恐れず言ってしまえば、子供も楽しめて、大人が童心に帰れるようなアニメを目指したんじゃないかと思う。私には『天晴爛漫!』は合わなかったけど、そういうアニメが好きな人はきっと気にいるのではないか。

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