アニメ『バビロン』1話感想 衝撃的なラストシーンから感じる闇の深さ

アニメ『バビロン』第1話「疑惑」感想です。

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1話あらすじ

八王子市、町田市、相模原市、多摩市が合併してできた新しい自治体「新域」。そこでは域長選挙の選挙戦が繰り広げられていた。東京地方検察庁の文緒厚彦と正崎善は、日本スピリから4大学に不正に依頼された新薬アグラスの虚偽誇大広告の捜査を行なっていた。

日本スピリから押収した資料を精査していると、隅に血痕の付いた紙が資料に挟まっているのを発見する。その紙を開いてみると、内側には貼り付けられた毛髪や皮膚片とともに「F」の字が書き殴られていた。

不気味に思った文緒と正崎は、資料の出所である聖ラファエラ医科大学の因幡信の家を訪ねる。大音量のクラシックを室内に流しながら、因幡は麻酔薬を吸って息絶えていた。

状況としては自殺の疑いが高かったものの、あまりに不自然な方法だったために詳しく調べると、因幡の家に出入りしていた男女のうちの男は、域長選挙の大本命である自明党の野丸龍一郎の私設秘書の安納智数だと判明する。

正崎は友人である抗日新聞記者の半田有吉に、野丸の周囲を探るように依頼。文緒と正崎は、安納を尾行することに。すると、若い女性を建設業連盟会長に当てがっている場面を目撃する。選挙のための不埒な接待行為であった。

文緒は女を付け、自宅を特定するが、その日の深夜に文緒から正崎にメールが着信する。メールは遺書とも取れるような文章で、急いで文緒の家に駆けつけるが、彼が見たのは首をつった文緒の姿だった。

公序良俗に反するアニメ

原作者は野崎まど。SFやミステリーを得意とするライトノベル出身の小説家で、アニメでは『正解するカド』や現在上映中の映画『HELLO WORLD』でも脚本を担当している。

その原作者の野崎まどが言うには、これは公序良俗に反した作品らしい。

国内の放送事業は公序良俗を害してはいけないと放送法で定められています。『バビロン』は公序良俗に反する作品です。つまるところとても楽しみです。

今のところは腐敗した政治家と正義に燃える検察という構図で、そこまで公序良俗に反しているとは思えないが、きっとこれからもっとヤバいのが出てくるのだろう。

しかし、腐りきった政治家の所属政党が自明党というのは、批判が殺到しそうな設定ではある。これをよくアニメにしたなと思う。まあ政治が腐敗しているのは事実としても、アニメはあくまでフィクションだし、現実では正義感に溢れる検察なんていないどころか、彼らも政治家の言いなりになっているだけなので、徹頭徹尾フィクションである。

ただ新薬アグラスを巡る不正に関しては、2013年に明らかになったノバルティスファーマが日本の5大学に、捏造論文の作成を指示したという現実の事件が元ネタになっていると思われる。なおノバルティスファーマおよびその関係者は無罪判決が出ており、やっぱり現実に正義などは存在しない。

最後のシーンはかなり強烈だった。序盤で主要キャラクターを退場させるというのは、物語に緊張感を与えるためにアニメでは良くあるパターンだ。ただ『バビロン』の場合は、緊張感を与えるというよりも、事件はここまで闇が深いのかと思わせる効果の方が強い。話の流れからすれば、野丸が指示したように思えるのだが、もしかしたらミスリードなのかもしれない。犠牲者の因幡と文緒の両方が自殺に見えるのも何か関係があるのだろうか。

作品情報

イントロダクション

東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、 紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

スタッフ・キャスト

スタッフ

原作:野﨑まど「バビロン」シリーズ(講談社タイガ刊) / 監督:鈴木清崇 / キャラクター原案:ざいん / キャラクターデザイン:後藤圭佑 / 音楽:やまだ豊 / アニメーション制作:REVOROOT / 製作:ツインエンジン

キャスト

正崎善:中村悠一 / 九字院偲:櫻井孝宏 / 文緒厚彦:小野賢章 / 瀬黒陽麻:M・A・O / 守永泰孝:堀内賢雄 / 半田有吉:興津和幸 / 野丸龍一郎:宝亀克寿 / 齋開化:置鮎龍太郎

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