アニメ『バビロン』2話感想 検察も野丸龍一郎の手のひらの上

『バビロン』第2話「標的」感想です。

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前回あらすじ

西東京にできた新しい自治体「新域」。そこでは域長を決める選挙戦が繰り広げられていた。東京地方検察庁の文緒厚彦と正崎善は、日本スピリから4大学に不正に依頼された新薬アグラスの虚偽誇大広告の捜査を行なっていた。日本スピリから押収した資料の中に、血痕がつき、毛髪や皮膚片が貼り付けられ、「F」の字が書き殴られている紙を発見する。資料の出所である因幡信の家を訪ねると、彼は自殺していた。状況の不自然さを怪しみ、捜査を続けると、因幡の家に域長選挙の大本命である自明党の野丸龍一郎の私設秘書の安納智数が出入りしていたことが判明。正崎は友人の抗日新聞記者の半田有吉の元、野丸の周囲を探る。すると、野丸が若い女性を建設業連盟会長に当てがっている場面を目撃する。文緒は女を付け、自宅を特定するが、その日の深夜に文緒から正崎にメールが届く。メールは遺書とも取れるような文章で、急いで文緒の家に駆けつけるが、彼が見たのは首をつった文緒の姿だった。

2話あらすじ

正崎は多摩東中央警察署の九字院偲の協力の元、女のマンションの名義人の福山義行が、野丸龍一郎の対抗馬である齎開花の後援会員だと明らかになる。野丸と齎の繋がりが判明し、さらに事態は混沌としてくる。

半田有吉から、医師会と労働連合の箱根ゴルフ大会が開催されると連絡が入る。旅館に潜んで、動向を探っていると、若い女が高齢の男と連れ立ってチェックインするのを目撃する。正崎はその女を参考人として任意で連行した。

女は平松絵見子と名乗り、飄々とした受け答えで正崎の質問を躱していく。正崎は検察総力を挙げて捜査に当たるために上層部に上申すべきだと守永泰孝部長に訴え、そのためには平松から言質を取るように求められる。

タイムリミットが迫り、焦る正崎は平松のペースに逆に飲まれてしまう。平松は調書にサインすると約束するが、正崎が調書を作成し取調室に持っていくと、平松の姿は杳として消えていた。

言質を取れぬまま会議に出席することになった正崎。そこで目撃したのは、野丸龍一郎の姿だった。

正義とは何か

平松絵見子は正崎に次のように訊ねた。多様な価値観を認めなければならないのなら、戦争が嫌いな人と戦争が好きな人がいても価値観を認め合って共存するべきか。正崎はこれに対して言い返せないでいたが、まあこれは平松の詭弁だと思う。古代ギリシアのソフィストみたいだなと思った。

戦争が好きなだけで戦争を起こさない人間ならば共存も可能だし、実際に戦争をモチーフにしたゲームや小説がたくさん売れている時点で、現実に共存できている。しかし戦争を起こす人間ならば、あっちが攻撃を仕掛けてくるためそもそも共存はできない。これは「子供を殺めることはいけないことですか」という質問に対しても同じ回答ができる。

しかし、そのような極端な例でない場合には「正義とは何か」に答えを出すことは難しい。アンパンマンは愛と勇気と正義だけが友達と言うが、ではバイキンマンに正義が全くないのかと言えばそうではない。彼はアンパンマンを倒すことが正義だと思って日々戦っている。

このアニメのテーマは「正義とは何か」「善とは何か」ということなのだろうか。公序良俗に反するという原作者の言葉を合わせると、世間一般的な「正義」という価値観が揺らぐような物語になっているのかもしれない。

検察も政治家とグルになる

前回の感想で次のように書いていた。

現実では正義感に溢れる検察なんていないどころか、彼らも政治家の言いなりになっているだけ

ところが2話で、検察まで野丸にすでに懐柔されていることが判明した。先見のなさを恥じるとともに、改めてやっぱり上級はクソだなと思った。フィクションとか書いてるけど、実際に起こっていてもおかしくない。

しかし、野丸は与党幹事長で、ここまで影響力を持っているのに、国の中枢ではなく、なぜあくまで新域の域長の候補者になったのかは少し疑問に思った。新域というのはそこまで重要視されている地区なのだろうか。規模的にも政令指定都市レベルでしかないように感じるのだが。

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