『バビロン』3話感想 恐ろしい新域構想の全容が明らかに

アニメ『バビロン』第3話「革命」感想です。

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前回あらすじ

正崎は多摩東中央警察署の九字院偲の協力の元、女のマンションの名義人が、野丸の対抗馬である齋開花の後援会員だと明らかになる。半田の情報から、箱根の旅館に潜んで、事件関係者の動向を探っていると、若い女が高齢の男と連れ立ってチェックインするのを目撃する。正崎はその女を参考人として任意同行を求めた。女は平松絵見子と名乗り、飄々とした受け答えで正崎の質問を躱していく。焦る正崎は平松のペースに逆に飲まれてしまう。正崎が隙を見せた瞬間に、平松の姿は杳として消えていた。平松の言質を取れぬまま検察の諮問会議に出席することになった正崎。そこで目撃したのは、野丸の姿だった。

3話あらすじ

野丸の口から「新域構想」について語られる。新域は、ドラッグラグの解消、建築規制緩和、新労働基準法など、新法の試験的運用を行う特別行政区としての役割を与えられていた。それを「国家の実験場」と野丸は表現した。

域長選挙は既に秘密裡に票が操作されていて、齋開花の当選が決定済だった。齋は若く、華もあるため、民衆の支持を得やすいと考えられてのことだった。実際のその言葉の通り、齋が新域長に当選する。

正崎は、組織的な犯行を見逃すことは自分の正義にもとると考えていたが、文緒の仇を取るため苦渋の決断で、野丸の捜査からは手を引き、文緒と因幡の一連の事件の調査を進めることに。

某日。齋が失踪したという情報が入り、正崎にも捜査の依頼が来る。正崎は「新域構想」に与するつもりはないと辞するつもりだったが、正崎が追いかけている2人の女と平松は実は同一人物で、彼女の真の名前は曲世愛であり、同様に行方をくらましていると告げられる。

正崎は九字院と半田と協力して捜査に当たろうとしていた矢先、タワー屋上に数十人の男女が整列している異様な姿がニュースに映し出される。さらに齋がメディアをジャックし、安楽死が自由に許される世界の実現を宣言した。

正崎達はタワーに向かうが、屋上の男女は満面の笑みでタワーから飛び降りた。その異様な光景を眺める群衆の中には曲世愛の姿もあった。

新域の目的は安楽死の自由化

新域の目的が「国家の実験場」となることが判明し、なぜこの地区が極めて政府から重要視されていたのかが分かった。

そして新域および齋開花の最大の目的は「死の解放」具体的には、安楽死の自由化であることが判明した。因幡が研究していたのも、そのための薬物であった。笑顔でビル屋上から何十人もの人々が飛び降りるシーンはあまりに異様で、強烈な印象が残った。

しかし安楽死自体は、日本では議論自体がタブー視されているが、スイスはオランダでは既に合法化されており、海外からもそれを目的に訪れる人が増えているという。ただし、齋の理想は誰でも好きなときに自由に死を選べるというもので、これは世界中でも受け入れ難いものなのは間違いない。

それでもなんとなくだけど、齋のようなカリスマ政治家が唱えれば、現代の日本でもある程度の支持を集めそうな気がする。私もこれは悪だと言い切ることはできない。むしろ辛くても生き続けなければならないと言う人の方が残酷だと思う。

ただ、曲世愛の行為は別に死を意識していなかった人を死に追いやっているわけだから全然話が違う。ただそれも彼女が原因であると立証することができないので逮捕や起訴できないというジレンマがあるが。

選挙不正、カリスマ政治家

新域長選挙は選挙前から既に当選者が決まっているというとんでもない不正選挙だった。フィクションだと言いつつ、日本の政治家や検察を批判しているとも取れる本作だが、さすがに日本ではそんなことはないと思いたい。

一方で「政治家は華。極端な話、政治のことは一切分からなくてもよい。」という野丸の台詞は日本の政治家にもよく当てはまっているだろう。参議院や県知事選では、スポーツ選手やら芸能人が当選しているし、いま一番人気のある小泉進次郎も、発言の中身がないなどとTwitterで揶揄されている。

まあ実際に一般的なプレゼンテーションでも、中身が優れているかどうかよりも、話者の態度や雰囲気で判断されてしまうところがあるので、カリスマ性というのは政治家にとって重要な資質であることは疑いようもないとは思う。発言の中身がない上にしゃべりも下手くそな政治家よりはましだろう。

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