『バビロン』8話感想 バビロンにホビロン(卵)とかいう悪趣味ジョーク

3.5

『バビロン』第8話「希望」感想です。

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前回あらすじ

公開討論終了後、正崎は齋の拉致計画を開始する。順調に進んでいるかに思われたが、経路警備との連絡が取れなくなった。さらに九寺院は曲世に囁かれただけで希死念慮を催し、正崎の目の前で顳顬を銃で打ち抜いた。正崎は陽麻を救出に向かうが、捜査官は全員自殺。陽麻は曲世によって拉致される。後日、正崎の元に配信サイトのURLが届けられる。そのURLにアクセスすると、曲世とベッドに磔になった陽麻が現れた。泣いて命乞いをする正崎だったが、曲世は無慈悲にも斧を陽麻に振り下ろすのだった。

8話あらすじ

新域選挙は自殺法肯定派議員と否定派議員が同数で幕を閉じた。実質的に齋開化の勝利であった。自殺法の本格的な運用が開始され、支援センターなどの設置が進められていた。運用後、衝動的な自殺は減少し、齋の主張は一定の正しさを得ることになった。

正崎は陽麻や曲世の幻覚に苦しめられていたが、家族の支えもあり日常を少しずつ取り戻していった。自殺法は日本国外にも広まり、カナダやフランスの一地区でも取り入れるところが出始めた。

そんな中、正崎の元にFBI捜査官のサミュエル・ハーディが現れる。彼は日本の一連の事件の詳細を関係者である正崎に聴きに来たのだった。正崎は捜査への協力を決断する。

アメリカ政府では世界各国で広がりを見せる自殺法に対して危惧していた。テイラー・グリフィン国務長官、ニコラス・ミラー国務長官補佐、エドムンド・ジュリアーニ大統領首席補佐官らが対応を協議する中、アメリカの州でも取り入れるところが現れ始めた。

大統領のアレキサンダー・W・ウッドは、幼少期からとにかく突き詰めて考え続ける人物であった。青年期、勉強くらいしか取り柄のなかった彼が夢中になったのはオンラインゲームであった。

そのゲームのオフ会で今の妻であるサラと出会い、息子のオリバーをもうけた。あらゆることに熟考を重ねる彼も自殺法に対しての善悪にまだ判断を出せずにいた。

舞台は海外へ

衝撃的な第7話から約1か月。ようやく8話の放送になった。最初に九寺院や捜査の仲間達を出して夢オチかと思わせといて幻覚だったなんて悪趣味な。まあ正崎の家族が助かってただけでも安心した。

そして舞台は海外へ。アメリカのFBIや大統領まで登場してきて世界スケールの話になってきた。もう曲世は怪獣かなんかの類に近いな。今までの刑事ドラマの雰囲気とは一変したので、1か月空けた理由もなんとなく分かるような気がした。でもスケールがデカすぎて1クールで終わるのだろうか。まさか『星合の空』みたいなことはないと思うが。

アメリカにおける自殺

アメリカはキリスト教徒が多いが、キリスト教では基本的には自殺は罪とされる。しかし作中にもあったように、聖書に直接的に「自殺は罪だ」と書いているわけではなく、アウグスティヌスによる一見解に過ぎない。キリスト教で殉教者が相次いだことから、それを止めるために決めた決まりだとされる。

アメリカでも自殺者は増えているとはいえ、今でも否定的な人は多いだろうから、自殺法に対して反対する国民も日本の比ではないと思うし、もっと過激な手段を取る人が出てきてもおかしくはない。作中では、カナダやフランスが率先して賛成していたが、オランダやスイスなどの国の方が先に取り入れそうな気がする。

日本では自害はむしろ美徳とされているので、反対する人はそんなに多くないと思うし、自殺法のような法律が日本から出て来るのも説得力があるように思うのだが、安楽死や尊厳死に関しての議論は遅々として進んでいないので、現代の死生観はそうでもないのだろうか。

ホビロンが出てきたのにはちょっと笑ってしまった。バビロンにホビロンっていう冗談なのかと。そこに善悪はなく、雛の形をしているかしていないかの違いでしかないと言いたいのだろう。次回はBS11では1月6日の26時、MXでは1月7日の25:35に放送。放送時間が異なるので注意。

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