『デカダンス』1話感想 ポストアポカリプス的なSFと高品質なアクションに注目

『デカダンス』第1話「ignition」感想です。

スポンサーリンク

1話あらすじ

未知の生物であるガドルの襲来により世界人口の9割が失われた。生存した人間は「かの力」に所属する戦士・ギアが建造した巨大移動要塞デカダンス内で暮らしていた。人々はガドル体内に流れるエネルギーであるオキソンを利用して生活を営み、彼らをタンカーと呼び、ギアのサポートに従事していた。

タンカーのひとりであるナツメは幼少期にガドルの襲撃により孤児となった。彼女は戦士として戦うことを夢見ていたが、ガドルの襲撃で右手が義手となっていたため認められず、デカダンスの装甲修理の職を与えられた。

不満を抱きながらも組長のカブラギの元で働き始めたナツメ。ところがある日、ガドルが攻めてきた。ナツメはひょんなことから戦闘に巻き込まれてしまう。ナツメの危機を救ったのは、カブラギであった。彼は軽い身のこなしでガドルを何体も沈めていく。

そして、デカダンスは変形して巨大な拳状になり、巨大ガドルのダイランドにパンチを浴びせ、ガドルを殲滅した。その様子を宇宙人のような姿の何者かが観察していた。

様々な作品の要素の詰め合わせ

一言でこのアニメを説明するなら、ポストアポカリプス的な世界観で繰り広げられるSFオリジナルアニメということになるだろうか。状況的には人類にとってかなり悲壮感漂うが、みんな意外と明るく暮らしていて、主人公のナツメも快活な女の子なので、暗さは今のところ感じない。

設定的には様々な過去作品の詰め合わせのような感じだった。アニメを例にすれば、変形する巨大移動要塞は『マクロス』を彷彿とさせるし、ワイヤーっぽいものを使った空中戦闘は『進撃の巨人』の立体起動装置っぽい。意外性があったのは、デカダンスが変形したら巨大な拳状になったことで、てっきり巨大なロボットかビーム砲にでもなるのかと思った。拳だと相当引き付けないと食らわせられないから、かなりキツくないか。

とりあえず、1話はいろんな種を撒いているという感じだろう。例えば、カブラギがなぜ小さいガドル(パイプ)と暮らしているのかとか、「バグ」とは一体なんなのかとか。そして最大の謎は最後に出てきた宇宙人みたいなキャラクターだろう。彼らがガドルを操っているのだろうか。伏線なのか分からないが、ガドルや宇宙人っぽいもののデザインに統一感がない。普通の生物なら同じ個体がたくさんいてもおかしくないのに。

そして、人類はガドルの持つエネルギーであるオキソンを生活に利用しているというのも気になる設定だ。逆に言えば、ガドルが襲来しなければ人間は生活を持続できないわけだから、まるでガドルは人間を生き延びさせるために、定期的にデカダンスを襲撃しているようにも見える。それを例の宇宙人みたいなのが管理しているのだろうか。ちなみにデカダンスは退廃的という意味のフランス語。評論などでたまに出てくる。

最も特筆すべきなのは、作画だろう。最近はCG全盛期なのでアクションシーンは全部CGでというアニメが多いが、手書きにも拘っているようで、古き良き「アニメーション」を堪能できた。制作会社のNUTはマッドハウスのプロデューサーだった角木卓哉が独立して設立した会社なので作画が良いのも頷ける。

今期は絵が綺麗なアニメが多いが、コロナ禍で放映に漕ぎ着けたアニメはスケジュール的に余裕があるものばかりだからという理由もあるだろう。作画が良いとそれだけで観れるアニメになるので、あとはどうストーリーが転んでいくかに期待。

作品情報

イントロダクション

TVアニメーション、劇場版と大ヒットを記録した「幼女戦記」を制作した新進気鋭の実力派スタジオ《NUT》が満を持して放つ完全新作オリジナルTVアニメーションがついに動き出す!国内外の興行収入で100億円を超える大ヒットを記録した「劇場版名探偵コナン ゼロの執行人」や自身の原作である「デス・パレード」などで監督を務め、国内のみならず、世界からも注目されるアニメーション演出家《立川譲》と「BANANA FISH」、「ヴィンランド・サガ」など、大型の話題作を次々と手掛ける若手No.1脚本家《瀬古浩司》のゴールデンコンビが、人気TVアニメーション「モブサイコ100」に続き、再びタッグを組む!有名クリエイターたちも数多く参加し、豪華絢爛なスタッフたちによって、圧倒的なスケールで描かれる衝撃SFアクション巨編が今、幕を開ける!

スタッフ・キャスト

スタッフ

監督:立川譲 / 構成・脚本:瀬古浩司 / キャラクターデザイン・総作画監督:栗田新一 / キャラクターコンセプトデザイン:pomodorosa / サイボーグデザイン:押山清高(スタジオドリアン) / デカダンスデザイン:シュウ浩嵩 / ガドルデザイン:松浦聖 / サブキャラクターデザイン:谷口宏美・緒方歩惟 / プロップデザイン:月田文律・秋篠Denforword日和(Aki Production) / ビジュアルコンセプト:村上泉・増田哲弥 / 美術監督:市倉敬 / 色彩設計:中村千穂 / 撮影監督:魚山真志 / 3DCGIディレクター:高橋将人 / 編集:神宮司由美 / 音楽:得田真裕 / 音響監督:郷文裕貴 / アニメーション制作:NUT

キャスト

カブラギ:小西克幸 / ナツメ:楠木ともり / ミナト:鳥海浩輔 / クレナイ:喜多村英梨 / フェイ:柴田芽衣 / リンメイ:青山吉能 / フェンネル:竹内栄治 / パイプ:喜多村英梨

コメント

タイトルとURLをコピーしました