『デカダンス』4話感想 絶望の負けイベント

4.0

『デカダンス』第4話「transmission」感想です。

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前回あらすじ

2400年代。地球は大気汚染が進み、生物が住めなくなった。国は破綻し、世界的企業が支配。彼らは人類をサイボーグへと変化させていった。人類が二度と過ちを冒さないために、全統治独立システムを開発し、監視社会が形成された。ナツメはカブラギの厳しい特訓の甲斐あり、ついにひとりで小型ガドルを討伐することに成功。カブラギはナツメに新たな義手をプレゼントするのだった。ところが、その義手を試そうとしていたところにガドルの群れが急襲。パイプが逃げ出し、それを追い掛けるナツメの前に大量のガドルの群れが現れた。

4話あらすじ

ナツメはギア達とともにガドルの群れに立ち向かう。ギア達がガドルに殺されるのを目の当たりにして一度怖気付くものの、カブラギの教えを思い出し、気持ちを落ち着けてガドルを討伐していく。

ナツメの憧れの戦士であるクレナイはナツメの戦いぶりを見て「かの力」へと勧誘する。ナツメは畏れ多くも「かの力」への所属を決めた。カブラギもナツメを応援してくれた。

「デカダンス」の次のイベントは、旧エベレストにあるガドルの巣(ネスト)攻略戦に決まった。しかしこのイベントはクリアできない設定になっており、カブラギ達ランカーの復活の布石となるイベントだった。

多数の死傷者が出ることが予測されたため、カブラギはナツメに作戦参加を辞退するように説得する。しかし、ナツメは自分の未来は自分で決めると頑として聞かず、カブラギは最終手段としてオキソンのタンクを破壊する。

ナツメは幼少期に父親に外の世界を教わった。それから外の世界に憧れを抱いていたため、ガドルがいない平和な世界を夢見ていたが、それ以上に「できない」と周りの人に言われ続けた自分を覆したかった。ナツメは戦地へ赴くことを決断する。

生きる世界は自分が決める

前回なんとか小型ガドルを倒せたばかりでいきなり実戦に投入されて、武器も新調したばかりなのに、クレナイにスカウトされるほどの大活躍をするというのはちょっと解せないところではあるものの、尺の都合上ナツメの戦闘力の成長をじっくり描くことができないっぽいので、仕方ないのかなとは思う。あとシステムに認識されていない存在がガドル討伐なんてしたら、システムに勘づかれるんじゃないかと思ってしまう。ランカーという存在がいるのだから、ガドルが誰に討伐されたかなどは完全に把握しているだろうし。

その後の、敗北が決まっているイベントというのは面白い設定だと思う。普通のアニメなら、相手の強さを描いて絶望感を与えるけど、相手の正体を全く描かずに「負けイベント」という単純な一言で、それ以上の絶望感を与えるのが上手い。サイボーグ達はやられても本体にはノーダメージだけど、人間は生身で殺されたらそれで終わりという不平等さも物語を生んでいる。カブラギもナツメに情が湧いて、ナツメの父親になったかのようだった。でもゲームのプレイヤーからしたら敗北確定のイベントなんて普通は腹立つけどなあ。一般プレイヤーは負けイベントって気付かないのかもしれないけど。気付いたらバグ扱いされて処分されそう。

その負けイベントでは人間サイドに何人も犠牲者が出そう。ミンディムンディメンディの3人のうち誰かは犠牲になりそうだし、ひょっとするとクレナイも死んでしまうかもしれない。またナツメが負けイベントに勝ってしまうのかとか、カブラギが助けに行くのかとか、先が気になる展開。クレナイがナツメを庇って亡くなるという展開が最も考えられるかもしれないが、想像通りに進むかは分からない。

ナツメが自分の可能性を信じて戦地へ赴くことを決断するシーンは今回のハイライト。デカダンスの公式サイトにあるキャッチフレーズ「生きる世界は自分が決める」をそのまま真正面からぶつけてくるようなエピソードだった。

ちょっと気になったのだけど、ナツメの友達のフェイは本当に人間なのだろうか。彼女もサイボーグで、デカダンス世界の本当の姿を知っていてカブラギと同じく、ナツメに戦士になるなとアドバイスしているのではとちょっと思った。公式サイトの登場人物の説明では、一緒に孤児院で育ったとあるので違う可能性が高いけど、フェイに限らず、視聴者には人間に見えるキャラクターが、実はサイボーグという叙述トリックはどこかに仕掛けられているかもしれない。ナツメの父親とかも何気に怪しいんじゃないか。ナツメの父親が発言した「昔の移動要塞」とかも気になる設定。

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