『デカダンス』第11話「Engine」感想です。
前回あらすじ
ナツメは世界は作り物という事実にショックを受け、今まで騙していたカブラギに怒りをぶつける。真実を誰とも共有できず孤独になっていたナツメを励ましたのクレナイだった。ログアウトしたカブラギは生産工場から脱出するが、ナツメがシステムにバグとして認識されたことを知り、再びデカダンスにログイン。しかし、フギンが現れてカブラギの素体を破壊。さらにナツメへと迫るのだった。強制ログアウトされたカブラギの前に巨大なガドル・オメガが現れる。それは生産工場で飼われていたバグガドルが大量のギアを喰らい、成長したものだった。
11話あらすじ
フギンは仮素体でログインしたカブラギに狙撃され、ナツメは助かった。一方、ミナトはデカダンスキャノンでオメガに対抗しようとするが、オメガには全く効かず、逆に反撃を食らってしまう。
ソリッドクエイク社はソリッド砲を発射してオメガを破壊しようと試みるが、オメガも口からビーム砲を発射させ、ソリッド砲を無力化。さらにシャトルにも被害を与える。
システムは最終手段として空間圧縮装置装置を起動させ、オメガとデカダンスをともに消滅させる計画を開始。それを制止させたいカブラギは、ジルの提案でデカダンスを素体としてログインすることを決断する。ジルはデカダンスコアの開発責任メンバーだった。
カブラギはデカダンスコアに潜入。そこにミナトが現れた。説得するミナトだったが、カブラギの清々しい表情に根負けして、カブラギのコアへのログインを手伝うのだった。
タンカーとサイボーグの邂逅
タンカーのナツメとサイボーグがついに出会った。一緒の画面に映るとやっぱり少し違和感はある。誰でも戸惑うと思うけど、ナツメは適応力が高くて、サイボーグを笑顔で受け入れたのは印象的。ジルもそんなナツメの様子を見て、カブラギがなぜナツメにそこまで入れ込むのかの一端が理解できたのだと思う。
デカダンスのサービス終了
ナツメがどうやって助かるのかなと思ってたら、カブラギ新素体で狙撃という普通すぎる展開で逆にびっくりした。ムニンがいたら察知できてたんだろうけど、フギン案外弱いな。あと、ジルはデカダンスコアの開発責任メンバーだった。まあシステムに異常に詳しいので、設計や開発など何がしかには関わっているだろうとは思っていた。バグ落ちした理由は不明のままだったが、あえてバグを放置したことで処分されたのかなと思う。
システムはデカダンスのサービス終了を目論んでいるようだけど、サービス終了したらデカダンスとオメガが消し飛ぶという原理がいまいちわからん。タンカーが触れられるのだから、デカダンスやオメガは仮想的な物体ではなく、実在の物体のはず。空間圧縮装置が実際にどういう挙動をするのかも不明で、タンカーたちは残るのかとかもよく分からない。
そこが分からないので、カブラギがなぜサービス終了を止めたいのかも理解できない。タンカーたちも消滅してしまうのなら、カブラギはサービス終了を止める動機はあるが。そもそもデカダンスを素体としてログインして、オメガを倒せたとして空間圧縮装置が静止する保証はあるのだろうか。システムにとったらオメガが倒されようが、世界のリセットをかけた方が楽だと思うんだけど。なんのためにカブラギがデカダンスと一体化したのかが見えないので、展開についていけなかった。
不要なバグと必要なバグ
システムにとっては、カブラギやジルやナツメはバグで、オメガもバグだから、双方はどちらにとっても不要な存在ということになる。一方で、カブラギはジルやナツメは必要なバグで、オメガは不要なバグだと選別していると思うけど、その行為自体はシステムがやってることと同じではないだろうか。
カブラギは必要なバグも不要なバグもシステムによって決められるんじゃなくて、自分で決めると言いたいのだろうけど、カブラギが世界のあり方を決めるようなところまで介入したら、それはもうシステムとほとんど一緒だと思う。「世界にバグは必要」なら必要なバグと不要なバグを選別する「システム」が必要になる。カブラギは結局「自分で決める」というのを免罪符にして、単にタンカー(ナツメ)を救いたいというだけなので、そう考えると、アニメのテーマの「生きる世界は自分が決める」はなんだか独裁的な怖い意味に見えてくる。
たぶんそれはこのアニメが意図してるものじゃないと思うので、展開が矛盾を孕んでいる気がして、あまり納得できない。まあ次回の最終話で、『デカダンス』が何を目指していたのかが分かると思うので、楽しみにしたい。
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