『映像研には手を出すな!』1話感想 一点の曇りもない「質アニメ」

4.0

『映像研には手を出すな!』第1話「最強の世界!」感想です。

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1話あらすじ

冒険家に憧れていた浅草みどりは、幼少期から自分の思い描く世界をスケッチすることに夢中だった。ある大雨の夜、アニメ『残され島のコナン』を見て、その世界観に惹かれ、みどりはアニメに憧れを抱く。

芝浜高校に入学したみどりは、アニ研に興味があったものの、引っ込み思案で入部できずにいた。みどりは友人の金森さやかに、文化祭のアニ研の上映会に一緒について来るように頼む。

上映会でアニメを観ていると、読者モデルとして活躍する学校一の美少女の水崎ツバメが話しかけてきた。彼女はアニメーター志望であったが、親に女優になるように強いられ、アニ研への入部を禁止されていた。

2人は黒服の男から逃げるツバメを救出。さやかはツバメをコインランドリーへと誘い、みどりがアニメ制作志望であることを伝える。

ツバメとみどりはお互いのスケッチブックを見せ合い、アニメ談義に花を咲かせる。2人の合作で描く世界はみどりの思い描く最強の世界であった。

お金に目がないさやかは、読モのツバメの描くアニメは金になると考え、2人でアニメ制作の新しい部活を創部するように提案するのだった。

混ざりけのない質アニメ

監督は『ピンポン』『四畳半神話体系』の湯浅政明なので、当然ながらクオリティーが高い。背景では、川の上に立つ入り組んだマンションや、海の上に立つダンジョンのような高校など、ワクワクするような世界観をアニメで美しく表現されている。

みどりやツバメの空想では、ラフな水彩画のようなタッチで、トンボ型飛行機のドッグファイトやアクロバット飛行が緻密に爽快感を持って描かれている。まるで映画を観ているような印象だった。

それで絵は綺麗なのだが、じゃあストーリーとして面白いのかと言われるとまだよく分からない。アニメに憧れる女の子同士が、アニメ制作を志すという割とどこでもあるストーリーなので、現時点では何とも言いようがない。

ただ、3人組のなかにマネージャーのような立場の人がいるのは現代風だなあと感じた。学生の青春ものの作品だと、とにかくがむしゃらにやれば問題は解決みたいな流れになりがちだが、そういうのは今の時代は古臭く感じてしまう。アニメ制作の実際の現場でもマネージメントは極めて重要だろう。

一方で、設定とアニメーターだけでアニメが作れるわけもなく、特に脚本家がいないのは気になる。原作者は美術学校出身らしいので、アニメは絵さえ綺麗ならいいんだよ!という立場の人なんだろうか。湯浅監督も、その気があるような印象があるので、このアニメの監督にはぴったりかもしれない。

賛否あるキャラデザと声優

様々なSNSで感想をチラッと見たのだが、どうやらキャラデザと声優に批判的な人が多いようだ。確かにキャラデザはオタ受けしなさそうだし、(みどりの声優は)声も本職の声優ではない。

キャラデザに関しては、個人的にはそんなに嫌いではない。デフォルメが強いぶん表情が豊かに見えるし、ツバメは普通に可愛いし、下着になっていたシーンは何だかエチエチに感じた。

声優に関しては、みどり役は女優の伊藤沙莉が演じている。伊藤沙莉はハスキーボイスが売りの女優で、それがおっさんっぽいと不評なのだが、アニメ制作に興味のあるような女子高生なんて大抵おっさんみたいな声だろと思う。偏見だけど。

ツバメ役の松岡美里はアイム所属の新人声優で、どちらも声優は初挑戦になるが、2人とも演技も十分に上手かった。こなれた声優は演技が大袈裟になりすぎるきらいがあるけど、新人声優はそれもない。絵のクオリティーの高いアニメは、ちょっと棒読みくらいがよくマッチしている

作品情報

イントロダクション

高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに…

スタッフ・キャスト

スタッフ

原作:大童澄瞳 / 監督:湯浅政明 / 脚本:木戸雄一郎 / 音楽:オオルタイチ / キャラクターデザイン:浅野直之 / 美術監督:野村正信 / 色彩設計:中村絢郁 / 撮影監督:関谷能弘 / 編集:齋藤朱里 / 音響監督:木村絵理子 / アニメーション制作:サイエンスSARU

キャスト

浅草みどり:伊藤沙莉 / 金森さやか:田村睦心 / 水崎ツバメ:松岡美里 / 百目鬼:花守ゆみり / さかき・ソワンデ:小松未可子 / 藤本先生:井上和彦

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