『映像研には手を出すな!』4話感想 そのマチェットを強く握れ!

4.0

『映像研には手を出すな!』第4話「そのマチェットを強く握れ!」感想です。

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前回あらすじ

部費の配分を決める予算審議委員会が開催されると聞き、それに参加することになった。自作のショートアニメを発表し、同好会の部費上限6万円をゲットしようと目論むが、残されたアニメ制作期間は55日しかなかった。さやかはド派手な作品でハッタリをかますべきだと提案するが、ツバメは地味でも動きを存分に堪能できるアニメを作りたいと譲らない。そこで、みどりの提案で戦車とマチェットを持った女子高生の戦闘アニメを制作することになった。

4話あらすじ

アニメ制作が開始されるが妥協を許さないツバメは遅々として作業が進まず、スケジュールが滞ってしまっていた。さやかはとにかく納期優先だとツバメを駆り立てるが、ツバメは譲らない。

そこで、みどりがアニメーションの様々なテクニックを使って尺を伸ばす方法を提示。ある程度、余裕ができたものの、やむなくストーリーなどをカットし、予告編を制作することに。

さらにさやかは自動中割りを提案。これも手書きに拘りたいというツバメは却下するが、線画での発表になると脅され、承諾する。審議委員会前日は徹夜となったが、ようやく作品が完成した。

当日。生徒会の生徒会長の道頓堀透や初期のさかき・ソワンデに設備を破壊したことなどを責められるが、さやかの機知とみどりの訴えで、上映が認められた。

短編作品『そのマチェットを強く握れ!』は会場の評価も上々で、映像研は無事予算を満額で手に入れるのだった。

そのマチェットを強く握れ!

芸術家気質の水崎氏を上手く操りながら制作を進めていく金森氏のプロデューサーの手腕に脱帽。何気に浅草氏が2人の意見の衝突を宥めつつ、技術的なアドバイスをしたり水崎氏の手伝いをしたりと潤滑油のような役割をしていて、頼りになる。オタク気質の陰キャ丸出しキャラだけど、潜在的なコミュニケーション能力はかなり高そう。

またアニメの制作量を減らすテクニックなども興味深かった。どうしても作画が良いシーンとかに注目してしまうが、節約の方法を視聴者が知る機会は少ないので面白い。あーあるあると思いながら観た。同じシーンの繰り返しは(たぶん意図的に)審議委員会の背景に使われていて、芸が細かい。シーンの繰り返しに1枚カットを入れるだけで印象がガラリと変わるのも面白い。

それで短編作品なのだけど、かっこよかったのはかっこよかった。ただその前に説明してた作画節約テクニックなどを使用した形跡があまりなかった(背景ベタ塗りとか自動中割りはあったが)し、金森氏が線画で行くしかないと言っていたシーンも見当たらなかった気がする。

また、観客に幻覚を見させる演出はちょっとくどいと感じた。アニメならではの表現と言えばそうかもしれないが、上映された作品はあくまで妥協の産物で完璧な映像作品でもないので、あそこまでの演出は過剰すぎたと思う。騒がしかった観客が上映後には静かになるとか拍手するとかそれくらいの演出で十分だった気がする。今回のような演出は、3人が完璧な作品を仕上げたときに見せて欲しい。

今回個人的に好きなシーンは水崎氏が指の絆創膏や汚れを見るシーンで、鏡に映った彼女の表情も相まってとても印象的だった。夜に何かに打ち込んでいて、ふと自分の手を見つめるときは自分にもあったなあと思い、水崎氏の気持ちが手に取るように理解できる気がする。

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