『映像研には手を出すな!』5話感想 注文の多いロボットアニメ

3.0

『映像研には手を出すな!』第5話「鉄巨人あらわる!」感想です。

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前回あらすじ

妥協を許さないツバメは遅々として作業が進まず、スケジュールが滞ってしまっていた。やむなくストーリーなどをカットし、予告編を制作することに。さらに自動中割りなどを導入し、審議委員会前日は徹夜となり、ようやく作品が完成した。当日。生徒会の生徒会長の透や書記のソワンデに映像研の存在意義について責められるが、さやかの機知とみどりの訴えで、上映が認められた。『そのマチェットを強く握れ!』は会場の評価も上々で、映像研は無事予算を満額で手に入れるのだった。

5話あらすじ

みどりは校内で巨大ロボットを目撃。みどりは知ってはいけない秘密に触れたと戦慄するが、それはロボット研究会の張りぼてロボットで、ロボ研は映像研にアニメ制作をオファーしていたのだった。

映像研は校内の地下ピットにロケハンに出かける。オバケが怖くて怯えるみどりを尻目に、ズンズンと先を進むツバメ。色んなインスピレーションを得て、ロボットアニメの案をロボ研に提示しに行くことに。

ところが、ロボットアニメのロマンを映像研は理解してくれないとロボ研は喧々囂々。ロボ研部長はロボットアニメに対する想いを熱弁し、みどりとツバメはそれに絆され、一緒にロボットの設定を考えることになってしまう。

そうして完成したのは、工具を大量に兵器として装備したガテン系スーパーロボットであった。

ロボットアニメに対する熱意

私も昔はロボットアニメが好きだったから、部長の気持ちはよく分かる。いわゆるスーパーロボットよりもリアルロボットが好きだから尚更だ。とりあえずカッコよけりゃなんでもいいわけじゃなくて、SFチックな用語を散りばめて、設定に説得力を持たせているロボアニメにロマンを感じる。

そもそも巨大人型ロボットはリアルじゃないのに、架空の粒子や概念などの設定を詰めたアニメを「リアルだ」と評価するし、ロボットアニメには、そういう類の「リアリティー」を求めてしまう。浅草氏も同じタイプかなと思っていたが、割と冷ややかだったのは意外だったが。

ただ最後に完成したロボットには閉口した。部長の言ってることにはすごく納得できたのに、完成したのは全然私の好みのロボットではなかった。リアルな工具を武装として使うのは、本当にリアルなのだろうかと思う。ドリルだって、あの細さじゃ素早く突き刺したらポキッと折れてしまいそうだし、単純に巨大化したものは実用に耐えうるものなのだろうか。

作中でツバメが言った「結局ロボットアニメ作ってる人が一番信頼してるのは人間でしょ」とセリフがすごく印象的だったな。私はガンダムが好きだけど、監督の富野由悠季も結局のところ、『ガンダム』をはじめとする様々な作品の中では、ロボットの可能性じゃなくて人間の可能性を描いている。人一倍、人間が好きなはずの監督が辿り着いたのがロボットアニメという事実はとても興味深い。

ちょっと気になったのは、漫画の吹き出しのようなものを作中に挿入していたシーンだった。このシーンを原作で見ると、ほとんど漫画のコマと同一の構図になっているが、これはなんの意図があってやったのか分からなかった。アニメの中で文字で説明するのは、ほとんど禁じ手じゃないかと思う。せっかく動画なんだから、言葉で書かず映像で示して欲しかった。そういうシーンこそアニメの見せ所じゃないのかと思うのだけど。

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