『富豪刑事 Balanced:UNLIMITED』第3話「金は戦力なり」感想です。
前回あらすじ
神戸はドラッグの臭いがする芸人を金で買収し、売人の伊勢崎翔を突き止める。週刊誌記者、三田彰の協力のもと、伊勢崎の張り込みを開始する。数日後、伊勢崎の取引現場を目撃。神戸は組織の壊滅を目論み、伊勢崎を泳がせる。神戸の妹の鈴江の潜入捜査もあり、黒幕は権田原組の梅津三樹夫だと突き止める。加藤は独断で変装してパーティー現場に乗り込むが、変装がバレてしまう。ピンチに現れたのは着ぐるみを着た三田だった。三田は屋上に加藤を連れ出すと、神戸と鈴江が戦闘ヘリで飛来。催眠ガスを散布し、権田原組を一網打尽にするのだった。
3話あらすじ
加藤は愛知の出張の帰路の新幹線で浪人生の斎藤優一郎と隣の席になった。加藤は彼に親近感を抱き、話しかける。優一郎は妹を送りに渡米する予定があると語った。
加藤が品川駅で降りるとその新幹線車内で立てこもり事件が発生。加藤が再び新幹線に乗り込むと、優一郎が中年女性を人質に取っていた。優一郎は配信1000万再生を達成した人物に1億円をプレゼントするという企画のために、事件を起こしたのだった。
事件には捜査一課やSATも乗り出してきた。優一郎が一人を射殺したという情報が入り、警官は優一郎の狙撃を決断する。しかし、加藤は話した印象から、彼は人を殺すような人物ではないと確信していた。
そこに神戸が合流。神戸は加藤の直観を信じ、新幹線に乗り込む。車内には横恋慕スターライツというアイドルグループのファンのおばちゃん達が乗っていて、彼女らが解散コンサート見たさに発狂。
さらに神戸が横恋慕スターライツを呼び寄せ、特別ライブを開き、おばちゃん達はさらに狂乱。タジタジになった優一郎は人質を解放してしまうのだった。
ユーモアというか脱力系というか
『天晴爛漫!』と同じくコロナ禍のために延期していた『富豪刑事』だがようやく放送再開になった。しかし2話の最後では香港編が始まりそうな感じだったのに、全然関係ない話だった。これは延期の影響で変わったのか、それとも元々香港編なんかなかったのか。本編で発生した事件よりも謎すぎる。
本編の内容なのだが、シリアスとユーモアの落差がひどすぎてどう評価していいものか分からない。妹のために事件を起こすとかはちょっといい話感あるし、神戸と加藤の仲も深まっている感じが出てきているのも良いのだが、事件の解決がおばちゃんの発狂というのはユーモアにしてはやりすぎじゃないかと思う。今まではユーモアミステリーとして節度があったが、タガが外れたようだった。今回は終始シリアスで良かったと思う。
優一郎もいずれにせよ犯罪行為なのだから、まだ普通に立てこもり事件を起こして1億円を要求する方が早いんじゃないか。どうせ犯罪行為で1000万再生を達成しても賞金は払われないだろうし、払われたとしても受け渡しは確実に不可能だろうし。動機と行動が全然一致していないと思う。動画配信というネタを使いたくて、むりやりストーリーを作ったような印象を持った。
加藤が捜査一課を外れた理由が明らかになった。無実の女性を射殺してしまったことが原因のようだが、なぜあの女性が加藤に銃を向けたのかが理解できなかった。人質が犯人に同情してしまうストックホルム症候群のせいなのか、それとも犯人と友人や恋人関係だったのか。後者なら人質にしないと思うので、前者かと思うのだがもう少し説明があってもよかった。
また、この過去話を挿入するなら、やっぱり加藤には射撃させるべきだったと思う。神戸が加藤に拳銃を渡すシーンとかも印象的なのに。それぞれのエピソードがチグハグな感じ。キャラクターの行動やアニメの演出それぞれに必然性がもっと欲しい。
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