『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』第4話「空っぽのポケットほど、人生を冒険的にするものはない」感想です。
加藤は出張の帰路の新幹線で浪人生の斎藤優一郎と隣席になった。加藤が下車した直後、優一郎は車内で中年女性を人質にとる立てこもり事件を起こす。彼は配信で1000万再生を達成したら1億円をプレゼントするという企画のために事件を起こしたのだった。加藤は優一郎と会話した印象から、彼は人を殺すような人物ではないと確信していた。神戸と加藤は車内に乗り込むが、人質の中年女性がアイドルグループの解散コンサート見たさに発狂。さらに神戸がそのグループを呼び寄せ、特別ライブを開催し、中年女性たちは狂乱。タジタジになった優一郎は人質を解放してしまった。
4話あらすじ
神戸は非番の日に加藤に呼び出された。野村毅という少年のいなくなったペットのシロをヒュスクで捜してほしいという依頼だった。ところが、神戸はスマホを車内に忘れてきてしまった。
シロは帰巣本能で勝手に家に戻ったのではないかなどと煙に巻き、神戸は加藤と別れる。加藤は翌日にシロを一緒に捜すと約束し家路につくが、その途中で神戸に再会する。神戸は財布も家に忘れた上に、鈴江とケンカをして家に戻りづらかったのだ。
加藤はアパートに神戸を招待する。カレーライスやツナともやしのつまみなど庶民的な料理を美味しく食べる神戸に加藤も気を良くし、加藤家直伝の納豆ご飯をご馳走する。
翌日。約束通り、加藤は毅と一緒にシロを捜すが一向に見つからない。諦めかけた夕方、神戸がシロを連れて現れた。しかし、シロは既に車に轢かれて亡くなっていて、神戸が毅を悲しませないためにシロの兄弟犬を連れてきたのだった。
神戸は加藤に電車賃を借り、帰宅。鈴江に加藤家直伝の納豆ご飯を振る舞う。鈴江はその美味しさに舌鼓をうつのだった。
庶民の暮らしに触れる神戸大助
今回は日常回。今までのとにかく億単位の金で解決というのとは趣向が違って、神戸はお金がなく、庶民的な生活に触れるという内容になっている。よくラブコメなどで見られる、お嬢様キャラクターが牛丼やカップラーメンを食べて「美味しいですわ」っていうエピソードの御曹司バージョンだろう。
正直言って、今までのミステリー回よりも今回の方が面白かった。神戸がカレーライスやツナもやしを一心不乱に食べるのは可愛かった。納豆が嫌いで、納豆を出されたことに腹を立てて家を出るなんて子供みたいな面も垣間見えた。やっぱりギャップって効果的なんだなって思う。加藤も面倒見がよくて、なんだかんだお似合いのコンビだった。鈴江のキャラクターも良い。ヒュスクの「Balance Unlimited」に対して「おだまり!」が好き。ちなみにbalanceは残高の意味で「残高は無制限です」の意味。
ただ結末に不満がある。お金を使わないで解決するという話なら、どうせだったらシロの代わりの犬を金で買ってくるのではなくて、普通にシロが亡くなったことを毅に説明するという終わり方で良かったんじゃないか。犬が変わったことに気が付かないというのも、あれだけシロを大事にしてたはずの毅が、実際はシロのことをそこまで思ってなかったのかと薄情に思えてしまうし、毅の笑顔が実際は嘘の上に成り立ってるのだと思うと、モヤっとしたものが残る。今回の出費はツナもやしを作るための材料費と電車賃の616円だけという方が締めも美しい。
毅の声優は鬼頭明里。あんまり男の子の声を当てているイメージがないのだけど新鮮でよかった。小生意気な子供にしては、ちょっと声がかわいすぎるような気もしたが、まあおかげで憎めないキャラクターになっていたと思う。
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