『ゲキドル』第5話「桜の園」感想です。
5話あらすじ
せりあはドールにアリスという名前をつけた。公演を間近に控えた中、助っ人になるはずだった神宮寺がシアトリカルマテリアルシアターでゲキドルを模倣したアクトアイドルとしてデビューすると発表された。竹崎はさらにドールの強奪も企んでいた。神宮寺の代役を決めあぐねていたところ、せりあはアリスが適任だと主張する。自分をアピールしないせりあに、あいりは苛立ちを募らせるが、それが逆にせりあの反感を招いてしまう。公演は成功。公演後に、あいりはドールにいずみの姿を見る。ところが、彼女を追いかけようとして階段から落下してしまうのだった。
このアニメは一体どこに向かっているのか
劇団やらアイドルやらSFやら百合やら、大量の要素が出てきてカオスになっている『ゲキドル』に今回は新たにホラーテイストが加わった。このアニメは一体どこに向かっているのか教えてほしい。もう何アニメなのかさっぱり分からなくなってきた。
「あなたは『ゲキドル』がどこから来て、そしてどこへ行くのか知っているの?」
「そんなの分かんないよ!」
最後は、あいりがいずみの幻を追いかけるあまり階段を踏み外したという理解でいいのだろうか。それともドール(アリス)があいりを突き落とした殺人未遂事件なのだろうか。前者だとしても後者だとしても、ドールがあいりを傷つけようとしたことには変わりがないように思う。ドールがこれまでにあいりを憎んでいたという描写はなかったので、ドール自身の感情による行動ではないはず。今回、幼いありす(せりあの妹)にせりあが「あいりって子が酷いんだよ、アリスのこと人形なんて悪口言って」と言っていた。あのシーンでは全体的に緑がかっていたので、これはドールが見せている映像なんだと解釈できる。なので、せりあのあいりに対する反感感情を感じ取って、ドールがあいりを傷つけるように忖度したのだと想像した。
しかし、あいりは不遇すぎる。せりあと仲良くなれたと思ったら、ドールに寝取られた挙げ句に、劇団の中でもドールが中心ポジションになって自分の存在感が薄くなってしまい、さらに階段から落ちてしまう(落とされてしまう)とは。せりあに「(キスしたことなんて)どうでもよくなっちゃった」と言われたシーンのあいりの表情は、なんとも言えないものだった。まあ、あいりもあいりで、せりあに単に恋をしているというよりも、いずみの代わりになってもらおうと思ってキスをしたという側面はあるので、完全に同情できるというわけでもないのだが。
関係あるかどうか分からないけど、引用した劇中のセリフってゴーギャンの絵画『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』に似てるな。
竹崎の暗躍
竹崎の行動も見逃せない。全話では隠しカメラでアリスインシアターの様子を監視していたシーンが挟まれていたけど、今回はそこから情報を得たのか、ゲキドルをパクってアクトアイドルなるものを作った。シアトリカルマテリアルシステムも元はアリスインシアターのものだし、雛咲いずみも引き抜いたし、さらにドールも自分ものにしようとしている。そこまで執拗にアリスインシアターを敵視する理由がよく分からないのもあるが、その前に、もう一つわからないのは、なぜ小劇場にしか見えないアリスインシアターにアクトドールやシアトリカルマテリアルシステムなどの謎技術が満載の最新装置があるのだろうか。アリスインシアターのスポンサーの美濃もなんだか怪しい。それらのガジェットは世界同時都市消失などのSF要素に関係しているのだろうか。
前回あらすじ
ゲキドル活動のおかげで公演も成功し、次回はアリスインシアターの代表作「アリスインデッドリースクール」を上演することに決まった。あいりは過去にいずみが演じていたユウ役をせりあに演じてほしいと主張するが、かをるには却下される。翌日、せりあの誕生日。あいりはせりあをデートに誘う。その帰りのバス停であいりはせりあと口づけを交わした。ところが、あいりの「ハッピーバースデー」という言葉で、せりあは過去を思い出す。せりあには双子の妹のありすがいた。そして5年前の誕生日。世界同時都市消失が発生。せりあは家族を失った。そのことを意図的に忘れようとしていたせりあはドールの前で涙を流す。彼女にはドールがありすの姿に見えるようになった。
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