『ゲキドル』第6話「人形の家」感想です。
6話あらすじ
あいりは全治一ヶ月の怪我を負い、公演に出られなくなった。あいりはせりあを代役に指名したが、あいりのスパルタすぎる指導のせいでせりあは恐慌をきたしてしまう。公演当日。なんとか公演を開催することができたが、公演中にシアトリカルマテリアルシステムが暴走。せりあは真実を知る。実はせりあが落ちこぼれだったのではなく、ありすが落ちこぼれだったのだ。そして世界同時都市消失の際、せりあとありすは入れ替わっていた。ありすはせりあの代わりに犠牲になったのだった。
ホラーと化した自称アイドルアニメ
不穏な雰囲気はずっとあるアニメだったけど、いよいよタガが外れて完全にホラーアニメと化した。せりあが過去のトラウマを一応乗り越えて、あいりとも仲直りできて、これからはちょっと落ち着くかなと思ったら、その窓の外を落下していく人形。屋上はかをるの家だからそこから落とされたのだろうか。背筋が寒くなるような締め方だった。ドールは破壊されてしまったのだろうか。これで出番が終わりというのは考えにくい気もするので、修理されるかなんかで復活するとは思うんだけど。またエンディングもアリス(ドール)の中身(素体)がモロに見えるように変更されていて、アイドルソングっぽい曲になんともミスマッチで薄気味悪い。ミスマッチといえば、あいりが怪我した後に劇団のメンバーも冗談を言い合ってたのが、なんだか怖かった。あれは、単にコミカルなテイストを入れたかったのか、それともあいりのことをみんなあんまり気にしてないのか。前者だったら失敗してると思うけど、後者だったら末恐ろしい。
あいりとせりあの入れ替わりには気付けなかった。最初入れ替わりのシーンが挟まれたときに、実はせりあは本当はありすで、せりあのふりをずっとし続けているのかと思っていたが、せりあはせりあ本人だけど、落ちこぼれだったのがありすだったと判明した。善意でやったこととはいえ、せりあがありすとの入れ替わりを提案しなければ、ありすが亡くなることはなかったのだから、せりあが自責の念にかられても当然だ。『ワンダーエッグ・プライオリティ』の世界にせりあがいたら、きっとエッグを割ってありすを生き返らせようとしただろう。ただいくら姿形が似た双子でかつ、ありすに対しては関心がなくネグレクト状態だったとはいえ、入れ替わったら流石にせりあの両親も気付くと思う。ありすもせりあと同じく、他人のモノマネをする才能があって気付けなかったのだろうか。
あと、当事者のせりあが過去にあったことを忘れているというのもポイントで、せりあが事実を知るのと一緒に視聴者も知ることになるから、物語に没入感が出てくる。登場人物が経験した過去を意図的に伏せて、少しずつ情報を小出しにするようなアニメもあるけど、あれはとにかく視聴者を繋ぎ止めておこうというのが全面に出すぎていて、個人的にはダサいと思う。その点で『ゲキドル』は、情報を小出しにはしているものの、当の本人が忘れていることを少しずつ思い出すという過程で視聴者に提示されているから、わざとらしさがない。すべてのアニメでこういう手法が取れるわけではないけど、このアニメでは上手く噛み合っていると思う。
竹崎とかをるんが見た少女の正体も気になる。2人は劇場以外のことでも、過去になにか確執があるような感じだったけど、その少女にまつわるものなのかもしれない。とにかく展開がどう転んでいくかが全く分からないアニメなので、先が気になる。次回予告を見る限り、来週は雛咲いずみの回になりそうだ。
前回あらすじ
せりあはドールにアリスという名前をつけた。公演を間近に控えた中、助っ人になるはずだった神宮寺がシアトリカルマテリアルシアターでゲキドルを模倣したアクトアイドルとしてデビューすると発表された。竹崎はさらにドールの強奪も企んでいた。神宮寺の代役を決めあぐねていたところ、せりあはアリスが適任だと主張する。自分をアピールしないせりあに、あいりは苛立ちを募らせるが、それが逆にせりあの反感を招いてしまう。公演は成功。公演後に、あいりはドールにいずみの姿を見る。ところが、彼女を追いかけようとして階段から落下してしまうのだった。
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