『グレイプニル』10話感想 紅愛のキャラクターと重なる夾竹桃

4.0

『グレイプニル』第10話「美しい花」感想です。

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前回あらすじ

宇宙船の墜落場所を目指す一行の前に縄張りのマークが現れ、そこを迂回して先に進むことになった。ところがそのマークは収集者を見通しの良い場所へと誘き寄せる罠だった。円をリーダーとするチームのメンバーである森田は、修一たちを強襲する。森田は、過去に戦った女の頭部を脅しに使う卑劣漢だった。陽太は今まで隠していた真の実力を発揮して森田を一撃で仕留める。ところが、圧倒的な強さを持つ円が合流し、さらにピンチが続くのだった。

10話あらすじ

円は着ぐるみの中に女が入るという珍しい化け物に興味を抱き、ターゲットを修一に絞った。修一は円を限界まで引き付けて、拳銃の一撃に賭けていたが不発に終わってしまった。

円はチームのメンバーからひとり生贄を出せば、自分たちの仲間に加えてやると言い、誰が生贄になるか相談する時間を与えた。陽太は円の提案には乗れないと突っぱねるが、池内は全員やられるよりも生贄を差し出すべきと発言した。

未来は自分が透明になって円を暗殺する作戦を提案したが、紗耶香と紅愛に危険だと却下された。勇は塞ぎ込んでいたが、紅愛に、ある花を大量に育ててほしいとお願いされる。

その花は有毒の夾竹桃だった。修一は紅愛だけに罪を負わすことはできないと、紅愛を抱きしめ、2人で夾竹桃を燃やした。夾竹桃の煙にも毒が含まれており、円の仲間は次々に倒れていった。

池内は紗耶香たちを裏切り、円に寝返ろうとするが、紗耶香の契約によって首を締められた。円は仲間を見捨てることをせず、仲間を救出するために共に煙の中に飛び込んでいった。

力に対して知恵での勝利

夾竹桃にはオレアンドリンという強心配糖体が含まれていて、致死量は0.3mg/kgと極めて毒性が強い。夾竹桃自体はその辺の山野や街の中にも生えている。紅愛は最初からこういう使用法を思いついて、夾竹桃を採取し保存していたのだろうから末恐ろしい。単純な戦闘力では、ただの人間だから最弱なんだけど、知恵で活路を切り開いていくのはかっこいい

しかし、紅愛自身が言っていたように円の仲間想いという美点を逆に悪用したわけだから非道だ。まさに味方になれば頼もしいけど、敵になると恐ろしいというやつだろう。見かけは美しい花だが、内面には猛毒を持っているという夾竹桃は紅愛という人物にぴったり一致する

一方で、円は一般社会では友人もおらず、うだつの上がらない人間という設定なのだが、そういう人間が仲間想いなのはちょっと違和感があった。むしろ仲間を見捨てるタイプになりそうだが。虻川は特にエピソードがなかったが、出番はあれで終わりなのだろうか。

今回の一番のハイライトは修一が紅愛を抱きしめるシーンだろう。いつの間にあんなに大人の男になったんだろうか。やっぱり一度合体したから吹っ切れたのかなあ。でも合体した相手は千尋だったから、それを考えるとなんだか節操がない気もしないこともない。その千尋は森から脱出するときに修一に抱きかかえられて、まるで正ヒロインみたいな立ち位置。紅愛もこれで安泰ともいかなそう。

池内も小物感溢れる清々しいクズっぷりで良いキャラクターだったと思う。ただこのアニメは名字だけのキャラクターは必ず退場するっぽいので、どのキャラクターが消えるのか最初から分かってしまうのは少し残念。それを逆手に取ってということも考えられるけれども、あと2話でそこまでの意外性があるだろうか。今回はシリアスなストーリー展開で内容自体は面白かったが、『グレイプニル』らしいえっちなシーンが少なかったのはちょっと寂しい。

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