『グレイプニル』12話感想 なぜ海斗はほのかを手にかけたのか?

4.0

『グレイプニル』第12話「約束の場所」感想です。

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前回あらすじ

修一たちは心身ともに疲労し、宇宙船の捜索を諦めて下山を選択する。束の間の日常に戻ったかに思っていたが、修一の同級生の虻川が行方不明になっていた。彼は円のチームに参加しており、修一が放った火に巻き込まれていた。後日、円のチームの残党で刀使いの田口に襲われる。修一は彼自身の意思で銃の引き金を引いた。宇宙人がコイン収集を始めたきっかけは、ほのかという女子高生だった。そのほのかは現在、宇宙船が墜落した場所を守る海斗と一緒にいた。

12話あらすじ

修一は幼少期に山田塾に通っていた。そこには海斗、直人、ほのか、愛子、そして江麗奈も生徒として通っていた。6人は仲良しだった。

数年後。高校生になった海斗は、再び6人で集まろうと提案する。ところが待ち合わせ場所に来たのは、ほのかを除く5人だった。ほのかの不在を訝しむ海斗はそこで初めて、ほのかの父親が殺人事件を起こし、ほのかが街に居られなくなり、忽然と姿を消したと知った。

ほのかに淡い恋心を抱いていた海斗は、ほのかの髪を触る癖が愛子に出ていることに気付く。愛子を尾行していた海斗は宇宙人と出逢い、そこで居場所を失ったほのかが、愛子に変身したと知らされる。しかし、ほのかを取り戻そうとする海斗に対し、他の4人は現状維持を望んだ。

海斗は独自に愛子に成り代わったほのかに接触し、彼女が愛子を殺めたと思い、ほのかを絞殺する。ところが、実際は、愛子はイジメを苦にした自殺をしたのであり、ほのかは友人達を悲しませないように愛子に成り代わったのだった。

取り返しのつかない過ちを犯した海斗は失意から捨て鉢となり、宇宙人にコインを渡して、全てを消してくれと頼んだ。その後、海斗は姿を消し、街にほのかに似た白い服を着た女性の幽霊が徘徊するという噂が流れ始める。修一は海斗を助けようとコインの力を使おうと考えていた。

終盤に急展開

次回が最終回だが、ここに来て1話まるごと過去の回想シーン、しかも回想部分の主役は新キャラクターという斬新かつ思い切った構成。展開が突飛なので、最初はどう繋がっていくのか分からなかったが、なんとなく修一と江麗奈の本来の関係性は把握できた気がする。

12話だけ見ると、愛子の仕草がほのかの癖に似ているとか愛子のイジメの伏線や、海斗の想像と実際起こっていたことの乖離など、ミステリーっぽい雰囲気があって面白いストーリーだった。むしろこれを1話で片付けてしまうのはもったいないような気すらする。12話の間で少しずつ小出しにしていって、最後に真実が明らかにという構成の方が意外性や驚きがあったのではないかと思った。構成が難しいかもしれないけど。

海斗がほのか(愛子)を殺めてしまうのは、かなり突発的で正直心情があまり理解できなかった。想像するに、ひとつは自分が助かるために愛子を殺したことに対する私刑だろう。これは結局海斗の勘違いだった。もうひとつは、優しい子だと思っていたほのかが、愛子を蔑ろにして自分だけが救われようとしたことに対する怒りや、そんな彼女を愛せなくなった虚無感だろうか。結果的には、これも海斗の勘違いだった。

率直に言って、海斗の思考や行動は独善的過ぎる。彼だけが他のメンバーに真実を伏せられていた理由がなんとなく想像できる。そんな海斗を救おうと修一が立ち上がろうとしたようだが、これまで江麗奈は修一は巻き込まれただけとも言っている。変身できるようになったのは修一自身が望んだことで、記憶を改変されたのは、修一を危険に合わせまいと江麗奈が望んだことなのだろうか。

次回は最終回だと思うが、あと1話で全てに蹴りをつけられるとはあまり思えない。分割2クールでもないと思うので、ある程度区切りを付けて続きは原作でという感じになりそう。今回は終始シリアスなシーンだったけど、一応愛子の水着シーンはあった。あと目を引いたのは、海斗が川に飛び込むときに服を脱ぐシーンで、動きが良かったと思う。このアニメは「アニメーション」が巧みだと改めて感じた。

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