『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第1話「CASE1_1 Los Angeles Connection」感想です。
1話あらすじ
枝村真人(エダマメ)は工藤という男と組んで、お年寄りや観光客を相手に詐欺を働き、収入を得ていた。その日も、高齢女性に巧みな手法で高額の浄水器を売りつけることに成功する。
さらに、金髪の男性外国人観光客に照準を合わせるエダマメ。いつものように財布を拾ったフリをして謝礼金をせしめることに成功したかと思いきや、財布はすり替えられており、逆に詐欺を働かれてしまう。
アパートに帰宅するが、警官が周りを取り囲まれ、逮捕を恐れたエダマメは窓から逃走。途中で逆に金を奪われた金髪の外国人と遭遇し、彼のタクシーに飛び乗るのだった。外国人はローラン・ティエリーと名乗りロサンゼルスへと向かうという。
高飛びを兼ね、ロサンゼルスへと渡米したエダマメ。ローランに気に入られた彼は、有名プロデューサーのエディ・カッサーノとの商談について行くことに。ローランは、日本のドロップを特殊なドラッグだと称して売り付けようと企んでいた。エディの屋敷にいたアビゲイル・ジョーンズがそのドロップをひと舐めすると発狂。彼女もローランのグルであった。
エダマメはローランの腕に巻かれた時計と、工藤の腕時計、そして浄水器を売りつけた高齢女性の腕時計も全く一緒なことに気付く。最初から全てが仕組まれていたことだと知り、取り乱して逃亡。彼に追いついたローランとアビーはエダマメを蹴り飛ばすのだった。
詐欺師をテーマにした高品質なアニメ
脚本はフジテレビのテレビドラマ『コンフィデンスマンJP』の古澤良太。コンフィデンスマンは信用詐欺師という意味で、このアニメも詐欺師をテーマにしている。Netflixで独占配信だが、地上波では同じくフジテレビで放送される。キャラクターデザインはエヴァンゲリオンの貞本義行。
まずNetflix配信だけあって絵が綺麗。ビビッドな色を多用した絵作りをしていて、私の大好物。やっぱり暗い色遣いのアニメよりも明るい色遣いの方が楽しい気持ちになれる。詐欺がテーマになっているが、陰鬱な雰囲気は一切なくむしろギャグテイストで、それも色遣いにマッチしていると思う。テーマがテーマだけにリアルに寄りすぎると視聴者を不快にさせる可能性もあって料理が難しそうだけど、ケレン味の強さはそれをうまく軽減させてもいる。
導入としてはテンポも良くて、アニメのテーマであるコンゲームの醍醐味である騙し騙されが、1話の中に凝縮されていた。工藤のみならず、浄水器を売りつけられた高齢女性までもがローランのグルというのは意外すぎる結末で、私もまんまと騙されてしまった。
ヒロインのアビーは黒人で、このご時世に日本のアニメで黒人のヒロインが出てくると、ポリティカルコレクトネスじゃないかと考えてしまう(海外を意識していると思うので、それもあると思う)が、エダマメとローランとアビーで黄白黒が揃っているので、無理やり感がなくバランスがいい。なによりアビーはかわいいし。ドロップ舐めた後のアヘ顔は全然可愛くなかったけど。
声優はエダマメは小林千晃、ローランは諏訪部順一、アビーは藤原夏海。ローランの英語がめちゃくちゃ発音いいなとびっくりしたけど、流石にネイティブの外国人の吹き替えだった。
タイトルの『GREAT PRETENDER』は和訳では「強がっている人」などと訳されることが多いが、むしろ直訳の「偉大な嘘つき」という方がアニメの内容に沿っていると思う。エンディングテーマには人気が再燃しているフレディ・マーキュリーの『THE GREAT PRETENDER』を使っている。歌詞のないオープニングもオシャレだった。
作品情報
イントロダクション
自称“日本一の天才詐欺師”枝村真人。その日も相棒の工藤と2人で浅草観光に来ているフランス人に詐欺を仕掛けてひと儲け…のはずが、逆に騙され大金を奪われてしまう。その男はローラン・ティエリー、マフィアさえ手玉に取るコンフィデンスマンだったのだ。世界を舞台に仕掛ける桁違いの騙し合いに、枝村は巻き込まれていく…!!<鏑木ひろ×貞本義行×古沢良太×WIT STUDIO>今世紀最強のチームが贈る、最高の痛快クライム・エンタテインメント!
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督:鏑木ひろ / 脚本・シリーズ構成:古沢良太 / キャラクターデザイン:貞本義行 / サブキャラクターデザイン・総作画監督:加藤寛崇 / 総作画監督:浅野恭司 / デザインワークス:奥田明世・清水慶太・石橋翔祐 / コンセプトデザイン:丹地陽子 / 副監督:益山亮司 / 美術監督:竹田悠介 / 美術設定:藤井一志 / 色彩設計:小針裕子 / 撮影監督:出水田和人 / 編集:今井大介 / 音楽:やまだ豊 / 音響監督:はたしょう二 / ミュージックエディター:千田耕平 / アニメーション制作:WIT STUDIO
キャスト
枝村真人:小林千晃 / ローラン・ティエリー:諏訪部順一 / アビゲイル・ジョーンズ:藤原夏海 / ポーラ・ディキンス:園崎未恵
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