『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第2話「CASE1_2 Los Angeles Connection」感想です。
前回あらすじ
枝村真人(エダマメ)は工藤と組んで詐欺を働いていた。その日も、高齢女性に浄水器を売りつけることに成功する。ところが成り行きで、ローラン・ティエリーという外国人とロサンゼルスへ行く羽目になってしまう。エダマメは有名プロデューサーのエディ・カッサーノとローランの商談について行くことに。ローランは仲間のアビゲイル・ジョーンズと組み、エディにただのドロップを500万ドルで売り付けた。彼は工藤を抱き込み、浄水器を購入した高齢女性とも組んで、エダマメをロサンゼルスに来させるため、最初からすべてを仕組んでいたのだった。
2話あらすじ
エダマメは以前、工藤を社長とする健康茶を街頭販売する企業に就職していた。ところが、その会社は詐欺で摘発され、エダマメは警官の執拗な取り調べに、自白を強要され、詐欺罪に問われてしまう。裁判で懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決が下った。
前科者に対しての世間の風当たりは冷たく、就職もままならなかった。どうせ詐欺師のレッテルを貼られるのならと、出所してきた工藤に接触し、詐欺師として生計を立てることを決心した。
エディは表の顔は映画プロデューサーだったが、裏の顔はドラッグのブローカーで、全米を牛耳っていた。ローランはエディを騙すため、日本に究極のドラッグがあると噂を流していた。まんまと食いついたエディは開発者との面会を要求し、それに白羽の矢が立ったのがエダマメだった。ローランは浄水器を購入したキム・シウォンの協力を得て日本の詐欺師をリサーチしていた。
危険なマフィアに睨まれることを危惧し、日本に帰国しようと考えたエダマメだったが、農民から天下統一を成した豊臣秀吉のカプセルトイに触発され、アメリカに残ると決めた。エダマメは、自身に眠る天賦の詐欺師の才能を開花させ、エディに取り入り、ローランが要求した額の倍の1000万ドルに売価を釣り上げることに成功する。
エダマメの人に取り入る才能
エダマメの過去が明らかになった。エダマメが詐欺師になるまでにそんなことがあったなんて。前回の感想で、陰鬱さがないと書いたけど、かなりヘビーな話だった。ただ健康食品の販売において、虚偽情報で詐欺罪に問われることってあるのだろうか。薬事法違反とかで摘発される方が多いと思うのだが。サクラ行為による詐欺罪ならあり得そうだけど、それでは懲役刑にならなそうだし。
まあそれは置いておいて、エダマメの母親がいなくなって、エダマメがたとえ捕まったとしても迷惑を掛けないいわゆる「無敵の人」になったので詐欺師として生計を立てる決心がついたのだろう。エダマメの父親に秘密があるような描かれ方だったが、これは父親も詐欺師だったということだと思う。少なくとも何らかの犯罪者だったということは間違いがないだろう。エダマメは、反面教師にしていた父親と同じ運命になってしまったというのが皮肉だ。
警察の取り調べのシーンはライトだけを真っ赤に描いていて、苛烈な取り調べを巧く絵的にイメージさせていたし、工藤と再会するシーンは、工藤は外灯の下にいて光を浴びているのに対して、エダマメは陰にいるなど、逮捕後の明暗をビジュアル的に暗示しているようで印象的だった。
エダマメの詐欺師としての才能は人に取り入る上手さにあると思う。ローランと入ったレストランでは初対面の男性に奢ってもらうまで仲良くなったり、エディにも僅か数時間で信頼されて、1000万ドルを引き出させるまでになっていた。エダマメは自身を豊臣秀吉に重ねていたが、秀吉も草履を懐で温めたエピソードがあるように、人の懐に入るのが非常に上手い人物だったと伝えられている。
一方で、ローランは緻密な作戦を立てるのに長けた策士タイプで、アビーには色仕掛けと類稀なる演技力があるという感じだろうか。このトリオは隙がないように感じる。トリオでのコンフィデンスマンとしての活躍が楽しみ。
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