『GREAT PRETENDER』5話感想 やりすぎて清々しいまでのどんでん返し

3.5

『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第5話「CASE1_5 Los Angeles Connection」感想です。

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前回あらすじ

エダマメはサラザールにトムという息子がいることを知り、遊園地に行くことになった。遊園地ではポーラがエダマメに接触。彼女はエダマメを不問とする代わりに、囮捜査のスパイになるという司法取引を持ちかけてきた。エダマメは、弁護士だった父親の尾崎誠司が逮捕されてから環境が一変した自分とトムを重ね、サラザールだけは見逃して欲しいとポーラに乞うのだった。

5話あらすじ

ポーラはサラザールを見逃して欲しいというエダマメの頼みを拒否した。そして工場が完成し、エダマメはサクラマジック製造の実演をカッサーノの眼前で行うことになった。

教わったまま製造工程を進めていくエダマメ。そして完成したそのとき、アンダーソン警部とポーラたちが工場に乗り込んでカッサーノを制圧した。ところが、アビーが銃を抜いたことにより、警官らが発砲。ローランと彼女を庇ったアビーが撃たれてしまう。

死傷者は出さないという約束を反故にされたエダマメは逆上し、ポーラを人質に取る。そのゴタゴタの隙にカッサーノは装置のバルブを操作し、チャンバーを爆発。工場は瓦礫の山に包まれた。

命からがら逃げ出したカッサーノは、満身創痍のエダマメに取り押さえられて逮捕。しかし、ポーラは1億ドルの賄賂を受け取り、カッサーノに証拠データを手渡し、彼を見逃すのだった。エダマメは激しく抗議するが、昏倒させられてしまう。

目覚めるとそこはビーチだった。いたのは水着姿のポーラやローラン、アビーだった。実はポーラもローランの仲間で、最初から最後までローランの仕組んだ詐欺だった。

エダマメは圧倒され、ローランとともにコンフィデンスマンになることを決心する。その前に日本に一度帰国し、今までの罪を償うために自首するのだった。

清々しいどんでん返し

途中でローランとアビーが撃たれたところで、「あ、もしかしてローランとアビーがメインキャラクターだというのがミスリードなのか」と一瞬思った。エダマメがポーラと裏取引していて、実はローラン達を逆に騙していたというのも、それはそれで結構面白い展開だなとは思ったのだけど、結局は「ポーラもローランの仲間で、全部ローランの掌の上で踊らされていた」という結末。ローランの掌中だというのは、まあ予想できる展開だけど、ポーラもFBIの捜査官全員が仲間というのはやりすぎていて、いっそ清々しい。

この展開自体はアビーがローランの仲間だったという仕掛けと全く同じなのだけど、スケール感が一気に大きくなっているので、同じ展開の繰り返しに感じさせない。まあ本当は予定調和的でない騙され方を期待していたところもあるが…とはいえポーラもローラン側だというのは規模がデカすぎて予想しにくいわな。カッサーノという巨悪を泳がせて泳がせて、最後にぎゃふんと言わせるのも爽快。上げて落とすのが上手い

最後にエダマメが自首するところは意外性がありながら、良い結末だったと思う。ローランたちの言うコンフィデンスマンは悪人を欺いて金をせしめるものだから、エダマメがこれまで日本で行ってきた善人を騙して金銭を奪い取る詐欺とは行為自体は同じでも、倫理的な良し悪しは大きく異なる。エダマメは、ある種の正義的な面もあるコンフィデンスマンになる前に、詐欺師時代の罪を精算しなければならないと考えたのだろう。彼の生真面目さがよく表現されている。また、詐欺師は不本意ながら生活のためにやっていた仕事で、コンフィデンスマンは(やらなくてもいいのに)自分から選んだ仕事である点も異なっている。今までの自分自身に一区切りをつけ、自らの意思で道を選ぶ覚悟のためにも、過去の悪行の精算が必要だと考えたのではないかと思う。

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