『GREAT PRETENDER』8話感想 イザベルからかすかに闇を感じる

3.5

『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第8話「CASE2_3 Singapore sky」感想です。

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前回あらすじ

イブラヒム兄弟は弟のクラークがパイロット、兄のサムがチームオーナー兼大会主催者となり、八百長のエアレースで荒稼ぎをしていた。クラークはかつてルイス・ミューラーというパイロットをライバルにしていた。ところが、ルイスがブックに背いた際、サムはルイスの機体を故意に故障させ、ルイスに重傷を負わせたという過去があった。ローランはアビーとシンシアをエアレースに参加させ、女性初のオーナーとパイロットということで注目を集めさせる。さらにシンシアは色仕掛けでアプローチするが、サムはなびかなかった。ベテランパイロットのトト・ビアリとの真剣勝負に追い込まれたアビーは気力で勝利する。

8話あらすじ

ローランの作戦は自室を裏カジノ店に改造し、サムを誘き寄せ、アビーに賭けさせてわざと負けて金をむしり取るというものだった。そのためにシンシアがサムに再び色仕掛けで接触するが、サムはシンシアに一切の興味がなく、自分の色気が通用しなかったシンシアは恐慌に陥る。

そこで、エダマメがメカニックとして潜り込んで機体に悪戯するという別の作戦を決行することに。また協力者として、ルイスとその妻のイザベルを迎えた。イザベルは協力的だったが、ルイスはサムを詐欺にかけるだけでは温いと協力を拒んだ。

エダマメはルイスの元メカニックのふりをし、クラークに気に入られ、メカニックとしての試験を受けるところまで辿り着く。ところがサムはエダマメをずっと怪しんでおり、メカニックとして雇うことは許さなかった。

そこに現れたのはキムだった。彼女はエダマメを引き取るフリをして、裏カジノの情報をサムに伝える役割だった。まんまとその情報に釣られたサムはローランの作った裏カジノ店に誘き出された。

ミューズは20歳まで

サムがシンシアに言い放った「ミューズは20まで。それを過ぎたら小汚いババァ。」は名言すぎる。シンシアって何歳くらいなんだろう。20代後半から30代前半に見えるけど、まあそれならサムの気持ちも分からないでもない。むしろ今までよく色仕掛けで落とせてきたなという気もする。ターゲットになるような金持ちは中年以上が多いというのもあるだろうけど。

今回の騙しのやり口は、サムを裏カジノ店に誘き出して、アビーに大金を賭けさせてわざと負けるというもの。第6話で描かれた「予行演習」とまったく同じ手法だ。『GREAT PRETENDER』は同じチャプター内で、同じ詐欺的手法をあえて2回以上使っている。方法は同じでも活用法が違えば、印象を変えることができるというのがよく分かる。

ただエダマメがメカニックとして入り込もうとするところの脚本は、三文芝居にもほどがあった。あれでは疑り深いサムでなくても騙されないと思う。結局裏カジノ好きが仇となって騙されちゃったわけだが。そうでなければ、あの脚本で騙されるのはクラークのようなよっぽどのお人好しだけだろう。

ルイスとイザベルの関係性

ルイスとイザベルが登場。イザベルはイブラヒム兄弟を騙すことに対して協力的だが、ルイスの彼らに対する憎悪は、詐欺の対象にするだけでは収まりがたいようだ。ルイスの人生の半分以上を実質的に奪い、その相手は何不自由のない優雅な暮らしをしているのだから、その憎しみは当然だろう。

ところで、なぜサムはルイスがクラークに真剣勝負をすることを知っていたのかと問うシーンがあった。これに対する答えはまだ出ていないが、イザベルが一枚噛んでいるのではないかと思う。ルイスに対して献身的にしているように見えるが、内心は何を考えているのか分からないところがある。もしかしたら、裏切ったことへの懺悔の気持ちから寄り添っているのかもしれないが、そういう印象は演出からはあまり受けなかった。簡単に言えば、イザベルに対するいい印象がない。

アビーが執拗にルイスは元軍人なのかと聞いているシーンも気になる。これは戦争のトラウマが残っているアビーが軍人に対して復讐を考えているということでいいのだろうか。

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