『GREAT PRETENDER』9話感想 交わるアビーとルイスの過去

3.0

『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第9話「CASE2_4 Singapore sky」感想です。

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前回あらすじ

ローランは裏カジノ店を捏造し、サムを誘き寄せて八百長によって金をむしり取るというものだった。シンシアの色仕掛けは空振りに終わったため、エダマメがメカニックとして潜り込んで、機体を故障させることに。さらに協力者として、ルイスとその妻のイザベルを迎えた。ところが、疑り深いサムはエダマメを雇うことは許さなかった。しかし、ローランの真の狙いはサムに裏カジノの存在をほのめかすことだった。まんまと情報に釣られたサムは捏造の裏カジノ店に誘き出される。

9話あらすじ

サムは次々に大金をベットしていく。エアレース自体がサムの仕組んだ八百長のため、負けることなく大金を稼いでいく。

ローランは、サムが身分を偽ったとして、サムをいったん裏カジノ店に出禁にした。カジノに行きたくてたまらないサムは、エダマメに代わりにベットするように頼んだ。

エダマメはサムから、カイオ・ヴィスコンティという男を準決勝まで進ませてクラークと戦わせるつもりだと聞き出す。そこでシンシアがカイオに接触。彼女の色気に心奪われている間にアビーがエンジンにいたずらをした。

カイオはレース途中に失速。サムがカイオに賭けていたお金は没収となり、ローランたちは資産を取り戻すことに成功した。負けたサムはさらにカジノへとのめり込んでいく。

夜中にアビーはルイスを外へと呼び出した。彼女はルイスに刃物を向けるのだった。

ギャンブル狂のサム

サムがカジノにのめり込むのは、単なるギャンブル狂かと思っていたが、実はレースの運転資金を稼ぐためだったとは、なんだか世知辛い。しかし、本当に自転車操業ならそもそもローランたちのターゲットにもならないと思うので、キャッシュで相当の金は持っているはず。運転資金を稼ぐというのは建前みたいなもんなのだろう。

サムは、エダマメが250万ドルもの大金を持っていって裏カジノになんにも怪しまれない時点で、違和感を覚えるはずだと思うし、しかもエダマメにベットするパイロットを事前に告げたときに限って、そのパイロットの航空機が故障し、賭けに負けた時点で、自分が騙されているのではと考えてもおかしくないと思う。自分がサムの立場なら絶対怪しむし、もう二度と裏カジノでは賭けない。そこを負けた悔しさだけが先立って、さらに次に取り戻そうと考えるのは、ギャンブル依存症以外に説明がつかない。

アビーの復讐

アビーがローランにルイスは元軍人なのかと執拗に聞いていたのは、やはり復讐心からだったようだ。さらに、アビーの過去も明らかになった。彼女はバレエダンサーになることを夢見ていたが、空襲によって家族を奪われ、彼女も徴兵されることで夢すら奪われた。死ぬためにコンフィデンスマンをしているというアビーの理由も、すべてを奪われ生きがいがなくなったための言葉だったのだろう。

しかし、たとえルイスが空襲をした本人だとして、ルイスに復讐したところで彼女の生活や夢が取り戻せるわけでもない。アビーもそれは理解しているはず。アビーは感情的になったものの、本当は話をして自分の気持ちに折り合いをつけたいのかもしれない。ルイスもパイロットの夢を奪われたという境遇はよく似ていて、彼もサムとクラークに対する強烈な復讐心を抱いていたことから、アビーの気持ちも痛いほど理解しているのではないか。エダマメも普通の人生という夢を奪われていて(アビーの過去を彼は知らないが)なにか似たようなものを感じ取って、彼女のことを気にかけているのかもしれない。

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