『GREAT PRETENDER』10話感想 吹っ切れたようなアビーの笑顔が印象的

3.5

『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第10話「CASE2_5 Singapore sky」感想です。

スポンサーリンク

前回あらすじ

サムはローランの裏カジノで荒稼ぎする。ローランはサムが身分を偽ったとして、いったん裏カジノ店に出禁にした。サムはエダマメに代理を頼む。サムはカイオ・ヴィスコンティという男を勝たせる台本を拵えていた。そこでシンシアがカイオに接触。彼女の色気に心奪われている間にアビーがエンジンに細工をした。カイオはレース途中に失速。賭けに負けたサムはさらにカジノへとのめり込んでいく。一方、アビーはルイスを外へと呼び出し、彼に刃物を向ける。

10話あらすじ

アビーはルイスに空爆の復讐をしようと考えていた。ルイスはアビーを逆に挑発し、アビーは刃を振りかぶるが、そこにエダマメが現れ、彼女を静止させた。

ルイスにはエアレースへの矜恃があり、サムに真剣勝負をさせろと自ら食ってかかったこともあった。それがルイスの事故の引き金になった。ルイスはいまだに空への憧れを忘れられないでいた。一方、クラークもルイスには尊敬の念を抱いていた。

決勝にはアビーとクラークが進んだ。サムはクラークに有り金全部を賭けた。エダマメはルイスの夢を叶えてやろうとアビーの代わりにルイスに搭乗させ、真剣勝負をセッティングした。

勝者はクラーク。ルイスとクラークはどちらも清々しい表情だった。違法カジノでは窓ガラスに特殊なフィルムが貼られており、アビーが勝ったと表示されていた。サムは後から騙されたことに気付き、違法カジノに戻るとアビーとエダマメと遭遇。

銃を持ち出すサムに対し、エダマメとアビーは窓から飛び降りる。海に落下したアビーはエダマメに対し笑みを浮かべるのだった。

飛行機に対する情熱

ルイスは自らクラークとサムに真剣勝負をすべきだと提案していた。てっきりイザベルがルイスを亡き者にするために告げ口したのかと。イザベルは結局最後まで良い人だった。怪しんでごめんなさい。意味深な描かれ方だったからつい。

しかしそう考えると、サムも色々板挟みだったんじゃないかと思って、ルイスの飛行機に罠を仕掛けたのも気持ちだけは少し理解できるような気がした。八百長のエアレースが続かなければ、クラークというスター選手がいなくなって、経営が成り立たなくなる可能性とかも考えてたのかなと思う。まあ行動自体は最低な行為なのは言うまでもなく、擁護できないが。

クラークはルイスに対するリスペクトもあったりで、好青年という印象は最後まで保たれた。サムが破産して、彼が罪に対する罰の比重が重く、一番割を食う可能性もあるので少しかわいそう。

ルイスの飛行機に懸ける情熱は並々ならぬものがあった。彼にとってエアレースは、飛行機で人々を喜ばせることで、彼が慈善事業をして犠牲になった人への贖罪をするのと同じように、好きな飛行機を人殺しの道具に使ってしまったことの罪滅ぼしという面もあったのだと思う。エダマメがルイスを搭乗させるのは粋な計らいだったが、それをローランが読んでいたというのも、やっぱり全部ローランの掌の上で転がされてるなと苦笑してしまう結末だった。

エアレースの作画は綺麗だった。ビビッドな色合いがシンガポールの街と夕焼けによく映えるし、カメラワークにも空を飛んでいるかのような爽快感があった。

アビーの気持ちにも整理

アビーの気持ちにもある程度整理がついたようだ。とはいえ、どのタイミングでアビーの気持ちが変わったのかはよく分からない。大きな出来事としてはルイスに謝罪されたところなどがあるが、これだけで折り合いがついたとは、なかなか言えないと思う。シンプルに考えれば、エダマメといたら退屈しないやという感情もあるかもしれない。

エダマメがアビーに、空を飛ぶことで恨みや妬み、しがらみから解放されて自由になれると語りかけるシーンがあった。その後にエダマメとアビーもホテルから飛び降りることで空を飛んでいる。これがアビーにとっても、恨みから解放されるキッカケになったのではないか。もちろんそこには、孤独を感じていたアビーを支えるエダマメがいたというのも重要な要素のひとつなのだろう。またホテルから飛び降りたことで、今までのアビーが死んで、新しい人生が始まったと解釈することもできそうだ。

前半部では鬼のような形相をしてルイスに襲いかかっていたのが、対比的に最後のアビーの優しい笑みを強く印象付けさせている。アビーってこんな可愛かったんだと気付かせてくれるようなシーンだった。次回からは新章がスタート。舞台はロンドンに移るようだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました