『GREAT PRETENDER』12話感想 若きシンシアの瑞々しい恋愛

『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第12話「CASE3_2 Snow of London」感想です。

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前回あらすじ

フランス・ニース。エダマメが寿司店で働いていると傲慢な男が来店する。エダマメはマリーという少女の店に下宿していたが、借金があり、店は売却予定にあった。下宿先を失いたくないエダマメは店の絵を例の傲慢な男に2万ユーロで売りつける計画を立てた。アビーの協力もあり、購入させることに成功はしたものの、その男は世界的な美術鑑定士のジェームズ・コールマンで、絵はモントーヤという画家の真筆で、価値は2000万ユーロは下らないものだった。シンシアとコールマンには過去に確執があるようで、絵を取り戻すのを兼ねて次の標的はコールマンに決定した。

12話あらすじ

コールマンはオークショニストでもあった。彼は自分の欲しい絵を、コールマンに惚れているファッションメーカーの世襲社長のファラ・ブラウンに買わせて自身の美術コレクションを作らせていた。

シンシアはかつて女優を目指して、生計費を稼ぐためにカフェでアルバイトをしていた。そこに画家志望のトーマス・メイヤーが来店する。彼はシンシアに絵のモデルを頼み、2人は自然と惹かれあっていった。

ある日、路上で絵を販売していると、偶然コールマンが通りかかった。彼はトーマスの才能を認めたが、それは画家としてではなく、贋作画家としてだった。

コールマンはモントーヤの作品「ロンドンの雪」をオークションにかけた。ファラが競り落とす手筈だったが、ローランが破格の3000万ポンドという金額で落札。取り戻しにきたコールマンに贋作を売りつけるという計画だった。

シンシアの過去

シンシアの過去の回想が中心のエピソードだった。シンシアは女優志望だったのか。美女という設定だから頷けるし、演技の練習もコンフィデンスマンに活かされているのだろう。回想は何歳の頃が明示されてなかったけど、今のシンシアからはかなり幼く見えたが、顔は割と大人びていたので、20歳前後だろうか。

そのシンシアには画家の卵のトーマスという恋人がいて、シンシアの初々しく瑞々しい恋愛模様が描かれていた。飲んだくれている今の姿からは想像もつかない青春だった。この恋人に贋作を描かせてコールマンを騙すという計画なのかもしれない。贋作を描いてもらえるということは、修復不可能な状況になって別れたというのではなさそう。トーマスの夢がコールマンによって打ち砕かれて、お互いに夢を失い、すれ違いが起きて次第に疎遠になっていったという展開を想像した。

ちなみに現実の世界にも、本物と見紛うばかりの贋作画家は存在していて、最も有名なのはメーヘレンだろう。フェルメールの贋作を描き、本物と鑑定され、ナチスドイツに売り捌いていた。メイヤーという名前もメーヘレンに似ているし、トーマスのモデルだと思われる。

コールマンを標的にしてもいいのか

コンフィデンスマンは悪人しか狙わず、一種の義賊的な存在だと認識していたし、ローランたちもそこに矜恃を持っているのではないかと思う。実際に今までもターゲットとなったのは、麻薬のブローカーのカッサーノ(1章)とパワハラ社長のダニー(6話)と殺人未遂を起こしたサム(2章)となみいる悪人揃いになっている。しかし、コールマンに関しては特筆して明らかに悪いことはしていないと思う。

オークションで自分とグルの女(ファラ)に買わせるというのも不正に金額を吊り上げているというわけでもなく、最終的にファラが支払っているのだから詐欺にも当たらないだろうし、身内でマネーロンダリングしているというわけでもない。贋作を仲間に高値で買わせて、コールマンの名声を高めているというのでもない。コールマンをターゲットにしたのは、エダマメの尻拭いというのは当然あるけど、それ以上にシンシアの私怨が強いんじゃないかと思う。コンフィデンスマン的にはそれでもいいのだろうか。

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