『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』第14話「CASE3_4 Snow of London」感想です。
前回あらすじ
トーマスはコールマンがパトロンとなり、未発見の名画の贋作を次々に描いた。コールマンはそれを真作だと発表し、名声を高めていった。トーマスは金を手に入れたが、画家としての矜持を失い、シンシアは彼の元を離れた。トーマスはその後、自分のしたことが芸術を志す子供たちを裏切る行為だと思い直し、贋作を全て自費で買い戻し、借金を負った。トーマスは贋作を再び描くのを躊躇っていたが、シンシアの想いを聞き、再び筆を取った。描き上げたのは真筆と見紛うばかりの「ロンドンの雪」であった。
14話あらすじ
「ロンドンの雪」の贋作はローランが主催の闇オークションにかけられた。サクラばかりの闇オークションで価格が釣り上がっていく。7000万ポンドの目標は早々に達成され、計画は成功かと思いきや、そこにシンシアが現れる。
シンシアは事前の相談なしに更に価格を釣り上げていく。1億ポンドまでシンシアは譲らず、エダマメとローランに緊張が走るが、無事コールマンが落札した。
アビーはファラに盗聴器を手渡す。そこにはコールマンがファラを金蔓としか見ていないことを示す発言が録音されていた。ファラはコールマンとの縁を切る選択をした。
「ロンドンの雪」はマリーのレストランへと戻った。ところが、エダマメは真作と贋作を入れ替えており、手元に残っていたのはトーマスの描いた贋作だった。しかし、マリーはトーマスの絵の方が気に入った。
シンシアはトーマスとかつて初めて出逢ったカフェで愉しいひとときを過ごした。別れのあと、シンシアはトーマスとの思い出を胸に秘め、キャンディー缶を川に捨てるのだった。
シンシアの逆襲
ロンドン編の最終回。コールマンを罠にはめても結局お金を支払うのはファラなので、コールマンは痛くも痒くもないのではと少し気になってはいたが、しっかりファラは救済されていたのでよかった。
シンシアが計画なしにトーマスの描いた「ロンドンの雪」の価格を釣り上げていくシーンは印象的。これは言うまでもなく、コールマンに対する逆襲と、トーマスの才能を金銭という数字で知らしめるためにおこなったのだろう。後者に関してはコールマン自身にトーマスの才能が伝わることはないけれども、彼女自身が信じているトーマスの才能と、一緒に過ごした青春の日々の価値をどういう形であれ証明して、シンシア自身が折り合いを付けたかったのだと思う。
ただ、結局エダマメが贋作と真作を入れ替えていたという結末になってしまったので、シンシアのその想いが少し踏みにじられたのではという気もしている。正直、私にはエダマメが入れ換えた脚本上の理由があまり読み取れなかった。エダマメ自身はトーマスに贋作を売って欲しくないとか、トーマスが寝る間も惜しんで描いた絵をコールマンに渡したくないとか、シンシアがいつでも鑑賞できるところにトーマスの絵を飾っておきたいとかいう理由があったと思うのだが、これをやることで、シンシアの値段の釣り上げが虚しくなるような気もする。
コールマンを結局騙すことができてないわけだから、トーマスの才能を証明していないし、コールマンに一泡も吹かせられてない。コールマンの鑑定士としての技量にも傷がついていない。しかも、鑑定士でもなんでもないマリーに贋作だと当てられているので、そこもトーマスの才能が霞んでしまうように思える。真作と贋作のすり替えは必要だったのか疑問だ。
シンシアとトーマスの恋愛にも区切りがついた。ヨリを戻しそうな雰囲気もあったが、別れとなった。昔はどっちも夢を追いかける立場だったけど、今は暮らしぶりや人生観も全く異なっているだろうし、再び付き合うというのは現実的になかなか難しいのかなとも思う。それにシンシアはやっぱりずっと独り身の方が似合ってるしカッコいい。
コメント
本物と偽物の入れ替えは引き渡しの直前の本編では描かれていない所で行われていると思う。
オークション会場と落札後に見せたものはトーマスが描いたものだと思う。