『星合の空』第1話感想です。
1話あらすじ
桂木眞紀は志城南中学に転校してきた。彼は母子家庭で、炊事洗濯などの家事を全てひとりで行っていた。
その志城南中学は女子ソフトテニス部が全国レベルの強豪の一方で、男子ソフトテニス部は地区予選でも一勝もしたことのないほどの弱小部だった。部員もやる気がなく、キャプテンの新城柊真は歯がゆい思いをしていた。
さらに追い討ちをかけるように、生徒会から実績を出していない部活動は廃部にするという勅令が出され、男子ソフトテニス部は、夏の大会で一勝以上できなければ廃部になってしまうことに。諦めムードの部員達だったが、柊真は諦めていなかった。
柊真は幾度となく、眞紀をソフトテニス部に勧誘する。眞紀はお金をくれたら部員になってやってもいいと挑発すると、柊真は月1万円を渡すと宣言し、ラケットを無理やり渡して、なし崩し的に入部させた。
ソフトテニスに対して前向きになっていた眞紀だったが、その夜マンションに父親が押しかけてくる。父親は眞紀に暴力を振るい、へそくりを強奪していった。
爽やかなスポーツアニメかと思いきや
キービジュアルではソフトテニスを題材にした爽やかなスポーツアニメかと思っていたが、内容はなかなか過激でセンセーショナルだった。
まず、眞紀は父親のDVを受けていることが判明。母子家庭になったのも、その暴力が原因だったのではないかと推察される。ただ気になるのは、引っ越したばかりなのに、なぜ父親が家を知ることができたのかということだ。眞紀の母親がおっちょこちょいな性格なので、まだ父親と完全に縁を切れていないのではと想像したのだが。
一方で、柊真は母親に一緒にご飯を食べたくないほど嫌われている。一種のネグレクトと言ってもいいだろう。最初は母親と柊真は血が繋がっていないのかと思ったのだが、それだと兄には優しいことの説明がつきにくいので、柊真に何かあるのだろう。
気になるのは、柊真が友人に眞紀の内情を聞いていたシーンで、その友人は双眼鏡を使って眞紀を監視しているような描写すらあった。もしかしたら柊真が金を使って、眞紀の身辺を探るように彼を雇ったのかもしれない。
眞紀にソフトテニス部に入って欲しければ金を出せと言われたときも、月1万円という中学生には破格の金額を出すことを了承した。ちょっと常識人ではないような描かれ方をしている。そこが疎まれる原因なのだろうか。また、彼の兄がソフトテニス部のOBだからと言って、そこまで執着するものなのだろうか。
そもそも爽やかなはずの中学部活で、金で解決するというのは不相応でグロテスク。その異質さだけでなく、母子家庭で父親にも金をせびられているような相対的貧困家庭の眞紀と裕福な柊真の対比が印象的。先が気になる導入部だった。
作品情報
イントロダクション
監督・赤根和樹が贈る、待望のオリジナル新作アニメーションが始動!キャラクター原案には、新進気鋭の人気イラストレーター・いつかを起用し、赤根和樹が紡ぐ物語を、繊細に描いていく。舞台は、廃部寸前の男子中学ソフトテニス部。様々な想いを胸に抱く少年たちはソフトテニスを通してどこへ向かうのか。少年たちの等身大の青春ストーリー。
スタッフ・キャスト
スタッフ
原作・脚本・監督:赤根和樹 / キャラクター原案:いつか / アニメーションキャラクターデザイン・アニメーションディレクター:高橋裕一 / 副監督:三宅和男 / 場面設計:竹下美紀 / 色彩設計:中山久美子 / 美術監督:志和史織 / 美術設定:藤井一志 / 動画検査:又野貴菜 / CGディレクター:生原雄次 / 撮影監督:頓所信二 / 編集:木村佳史子 / 音響監督:明田川仁 / 音響制作:マジックカプセル / 音楽:jizue / 音楽制作:フライングドッグ / アニメーション制作:エイトビット
キャスト
桂木眞己:花江夏樹 / 新城柊真:畠中祐 / 雨野樹:松岡禎丞 / 布津凜太朗:佐藤元 / 曽我翅:豊永利行 / 竹ノ内晋吾:佐藤圭輔 / 月ノ瀬直央:小林裕介 / 石上太洋:天﨑滉平 / 飛鳥悠汰:山谷祥生 / 御杖夏南子:峯田茉優 / 高田希唯:松田颯水 / 雨野奈美恵:夏川椎菜 / 春日絹代:坂本真綾 / 村上拓人:古川慎 / 桜井隆幸:櫻井孝宏 / 室生さくら:甲斐田裕子 / 桂木あや:名塚佳織 / 京終健二:中井和哉 / 新城涼真:松風雅也 / 柊真の母:柚木涼香
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