『星合の空』第9話感想です。
前回あらすじ
直央の母親は過干渉のモンスターペアレントだった。校長は面倒を避けるためにソフトテニス部に一週間の活動自粛を言い渡す。自粛期間中、大会の初戦の相手にバレないように女装して偵察に行くことに。悠汰はXジェンダーであることを打ち明けるが、眞紀は理解してくれた。偵察は夏南子が囮になってくれたこともあり成功。彼女は絵を描くのが好きだったが、両親に反対されており、その悩みを美術教師でもある桜井先生に打ち明ける。自粛が明け、ソフトテニス部員は女子部員との強化試合を熱望。桜井や菜美恵の働きもあって、強化試合が組まれることになった。
9話あらすじ
晋吾は妹の杏と仲良しだったが、晋吾の母はそれをよく思っていなかった。杏は晋吾の強化試合を観に行きたがった。母親は最初は許さなかったが、父親のフォローもあり、連れて行くことに。
一方、直央はソフトテニスを許さない過干渉の親にいまだに苦しめられていた。直央は過剰なストレスに押し潰され、鬱に近い状態まで追い込まれてしまう。
強化試合当日。杏はみんなが目を離した隙に一人でどこかへ行ってしまう。部員で手分けして探すが、杏の姿はなかなか見つからない。直央は保健室で、すやすや眠っている杏を発見。ところが、直央は杏を寝かしたまま保健室の鍵を閉めてしまう。杏が発見されなければ、強化試合は中止になるという理由からの行為だった。
しかし、眞紀はそんな直央の嘘を見抜き、保健室の鍵を奪い取り杏を救出。待たせた女子部員に土下座で謝罪して、無事強化試合を開催することができた。
その夜、翅はサッカーを辞めてソフトテニスを始めたことを根に持っている父親にビンタを喰らわされ、その拍子に階段から落ちて、手首を骨折してしまう。
悔しさから家を飛び出し、晋吾の家の前で佇んでいるのを晋吾に見つかった。翅は顛末を包み隠さず晋吾に伝えるのだった。
直央のストレスと虚言癖
直央の家庭は今のところ一番深刻だと思われる。直央の母親が過干渉な一方で、直央の父親は無干渉。朝食も直央の父親だけが和食になっているのも妙にリアルで、亭主関白で母親も父親に逆らえない様子が現れていた。母親も悪いが、父親が諸悪の根源のような気がする。食事もなんの会話もなく、家庭としてはほぼ破綻している。他の家庭は、両親の一方がまともだったり、兄弟とは仲が良かったりするが、直央の家には救いがない。
直央は今回は保健室に鍵を掛けるだけで済んだが、いつ凶悪な犯罪行為に走ってもおかしくないほどに追い込まれている。直央がちゃんと反抗すれば何とかなるかもしれないが、ほぼ洗脳状態にあってそれも難しそう。解決は、直央を保護するか、誰かが捕まるか、高校まで我慢するかしかないのではないか。
翅の父親について
次は翅の父親。翅は優秀な兄弟と比較されて、父親から疎んじられている。階段で子供に手をあげるのは、誰でも大事故につながると予測できるので、大問題である。
さらに病院にも晋吾の父親が連れて行っているので、当然ながら虐待や傷害罪が疑われる。それなのに晋吾の父親も医師も割と呑気にしているのが、どうも噛み合わない。翅がいくら拒否しても、即警察に通報が当然だ。以前に樹の傷害事件でも、学校側がのほほんとしていたが、この世界では傷害や暴行はあまり問題にならないのだろうか。
子供に手をあげる親などは許してはいけないので、こういうのは容赦なく引き離すべきだし、アニメの中でもそうなるべきだと思う。特に『星合の空』はリアルな思春期の問題にフィーチャーしているので、その対処もリアルに描くべきだ。なあなあでやり過ごしてはいけない。
翅が晋吾の家の前に来ているのを直感で感じ取っていたのか、晋吾が外に出るシーンは良かった。2人の絆が垣間見られる場面だった。
晋吾と両親の関係
最後に晋吾の家庭。どうやら母親のセリフから、晋吾と晋吾の母親は血が繋がっていないようだ。そのために母親から冷たくされているのだろうか。普通こういうケースは、母親が逆によそよそしく接することが多いと思うので、珍しいなと思った。
こちらは父親が比較的まともなので、まだ救われている。ただ、母親が晋吾のことを嫌っていたら、父親も何か言うのが普通だと思うのに、言わせるがままにしているのも良くないが。まあ言っても無駄なのかもしれないけど。
御杖さんと凜太朗の関係
ちょっと気になったのは杏がいなくなって、御杖さんがなぜか凜太朗を真っ先に呼んだシーンだった。その場に部長の柊真がいるのに、なぜ御杖さんは凜太朗を呼んだのか。しかも下の名前で。柊真が頼りにならないと思われているのか、凜太朗を一番信頼しているのか。
杏がいなくなって最初に率先して動いたのが夏南子だったのも、さすが女性だなと感じた。一方で、普通だったら女子の顧問の先生にも伝えるべきだし、女子部員も一緒に探してもいいと思うんだが、それがなかったのは違和感があった。細部で、ん?と思うようなところがいくつかあるのは、ちょっと残念。
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