『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』5話感想 本堂町の推理が冴え渡る

3.0

『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』第5話「FALLEN 落ちる世界」感想です。

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前回あらすじ

人を連れ去り、ある場所に閉じ込め、弱っていく様子を動画サイトで配信する「墓掘り」による事件が相次いでいた。女子高生の菊池桂子が被害者となった事件で、酒井戸がイドへと潜る。そこは、燃え盛るビルに囲まれた世界であった。幼い頃の桂子がビルに閉じ込められており、何度も炎に焼かれ帰還、再突入を繰り返し、彼女を救出する。彼は炎のない場所で焼かれたかえるちゃんの謎を解き、事件の構造を解明する。犯人確保時の野次馬の中に、本堂町はある怪しい人物を認める。後をつけると、その人物から本堂町に接触してきた。

5話あらすじ

男は「穴開き」の被害者のひとり数田遥だった。彼は本堂町にキスをして、その場を立ち去った。本堂町はなぜキスされたのかを推理し、彼にとって殺人衝動と恋愛衝動が入れ替わっている可能性に突き当たる。

キスされた現場に戻ると思念粒子が残っていた。それを元に、酒井戸は数田のイドに潜る。そこはあらゆるものが落下する世界であった。

落下する世界は実質的な無重力となる。酒井戸はかえるちゃんの亡骸の下に女性が隠れていることを発見。その人物は「墓掘り」による犠牲者の顔を複合した顔をしていたため、「墓掘り」が数田であると結論づけられた。

数田の実家の醸造所に向かうと大量の樽が置かれていた。樽の中に被害者いるのではと樽をこじ開けると、中に充填されていたのはガソリンであった。起爆装置に引火し大爆発が発生。多数の捜査官が犠牲になる。

またイドには数田の中学の同級生の写真があったことから、本堂町は恋愛感情が犯行の背景にあると考え、その中の井波七菜に任意で事情聴取を行う。井波の言葉や挙動の節々に数田への思慕と猟奇性を感じたことから、本堂町は「墓掘り」の真犯人は井波であると推理。彼女に好かれるために、数田は犯行を繰り返していたのだった。

ガソリン爆発について

ガソリンが爆発して捜査員が巻き込まれるシーンがあったが、やはり思い出されるのは京アニ事件だろう。たぶん事件の前にはすでに脚本が完成していたと思われる。よく放送できたなと思う。事件を思い出すことで、嫌な気持ちになることがあるかもしれないが、いつかは乗り越えなければいけないものであるから、放送は英断だったと思う。

酒井戸の推理

前回の感想で、イドでの推理は数分で終わったほうが優位性が示せると書いたが、今回の推理は数秒で終わってしまった。ただ推理が分かりにくかったと思う。

自由落下する世界では、質量によらず全ての物体に等しく同じ重力加速度が掛かるので、実質的な無重力となる。酒井戸も部屋内で浮遊していた。つまりかえるちゃんは本来は浮いているはずで、実際に画面をよく見ると、かえるちゃんの背後に影があるのが見える。したがって酒井戸は見ただけで、違和感を感じ取ったのだろう。

ただ、落下する世界では酒井戸が加速して島に降り立つようなことも本来はできないはずなので、その部分では非科学的ではある。非科学を許容するなら、かえるちゃんが浮いていないのも変ではないということになってしまう。酒井戸は最初から室内にいるべきだった。見た目の演出上、落下してスタートしたのだと思うが。

本堂町の推理

一方で、本堂町の推理はかなり突飛だ。特に殺人衝動と恋愛衝動が入れ替わっているというのは、舞城王太郎らしい推理だなと思う。ただそれを前提にして、本当に「墓掘り」にとっては2つの衝動は同一なのだという展開は面白いなと感じた。

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