『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』10話感想 穴井戸の目的はなんなのか

『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』第10話「INSIDE-OUTED II」感想です。

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前回あらすじ

イドの中のイドでは対マンによる事件が現在進行形で発生していた。鳴瓢は対マンの家へと乗り込み、壮絶な戦闘の末に、対マンに勝利を収める。百貴は地下に放置されていた飛鳥井を救出する。飛鳥井は毎日夢の中で連続殺人犯の襲撃を受けていた。また周りの人物に夢を見させてしまうという能力も持っていた。彼女の元に犯人達が集まるようになったのはジョンウォーカーに出会ってからだった。鳴瓢は彼女を悪夢から救うため、連続殺人犯を始末していくことを決意する。

10話あらすじ

鳴瓢はイドの中のイドで飛鳥井を襲う「腕捥ぎ」「股裂き」「舌抜き」を次々に始末していく。しかし飛鳥井は次第に疲弊して、自殺の介錯をして欲しいとまで訴えだした。彼女は自分が消滅して、世界の在り方まで変容してしまうのではと危惧していた。

飛鳥井は白駒の「夢を介在させた無意識への侵入」というテーマの研究対象となった。その後、飛鳥井は看護師13人を昏睡させる事件を起こし、姿を消した。

鳴瓢は家族との団欒を味わいつつ、警察官として仕事をこなしていた。ある日「穴開き」のイドの中にいた男を偶然街中で発見し、「穴開き」を始末しようと思い立つ。ところが「穴開き」の家の前で本堂町と出逢う。そして彼女と出逢った瞬間に世界の崩壊が始まった。鳴瓢は現実世界を思い出し号泣。妻と娘に別れとも取れる電話を掛ける。

その直後に、穴井戸が鳴瓢を排出。鳴瓢は本堂町に手帳を託し、砂漠のイドへと帰還した。酒井戸(鳴瓢)の手首にある痕は、かえるちゃんが名探偵達が移動しないように自身のスカートを破って縛りつけたものだと解き明かし、なぜ穴井戸がそれを解いたのかを問い詰める。

穴井戸は穴が開いているために、イドの中でも記憶を保持していた。そして砂漠のイドは、鳴瓢のイドの成れの果ての姿であることに気付いていた。自分の無意識に潜ったことを自覚した鳴瓢は、ドグマへと落ち始める。イドにはイド嵐が吹き遊び、そこにジョンウォーカーの姿が現れた。

砂漠のイドは鳴瓢のイド

砂漠のイドが鳴瓢のイドだというのは気付かなかったなあ。確かに同じ飛鳥井のコクピットがある時点で、その可能性は当然考えるべきだった。手首の痕も鳴瓢のイドと同じように名探偵を縛っていたものだと明かされたときは、やられたと思った。スカートの破れという伏線を、砂漠の荒廃した雰囲気に溶け込ませて目立たなくするのは巧みだわ。

ただ鳴瓢のイドということは、百貴の居間から検出されたのは鳴瓢の思念粒子だったということだから、鳴瓢が百貴の自宅で殺意を抱いたことがあるということになってしまう。鳴瓢が白駒を始末したのではと考えられるけど、記憶を保持しているはずのイドの中のイドで白駒に出逢ったときに、鳴瓢はなんの反応も示してなかったから、接点はなかったのではと感じる。

もし思念粒子を移動させることができるのであれば、鳴瓢の思念粒子を手に入れて、百貴の居間に撒けばいいのでその疑問は解決するのだが。また鳴瓢のイドの成れの果てという言葉と、荒廃したイメージから雷の世界のイドよりも時系列的にかなり後という感じもする。その場合は、鳴瓢をわざと罠に嵌めた人物がいるということなので、局長が圧倒的に怪しい。鳴瓢と穴開きを投入すると決めたのも彼だったし。

ただ雷の世界が時を刻んで現在の時刻と一致していたので、現在の鳴瓢の思念粒子から形成されるイドは雷の世界になるのではないかとも思うんだけど、そこは分からん。未来の鳴瓢ってことはないだろうが。イドの中のイドの鳴瓢の思念粒子、でもないだろうな。

ジョンウォーカーは誰か?

残された大きな謎としてはジョンウォーカーが誰かというものがある。一番怪しいのは局長だと思うのだけど、そんなに素直にいくかなあという気もする。次にここに来て一気にキーパーソンとなった穴開きも怪しいように感じる。

穴開きは鳴瓢の雷のイドでも20回潜って排出されるをわざと繰り返していたし、知らないふりして鳴瓢をコクピットに誘導したりと悪人っぽい感じはあるのだが、鳴瓢を助けたりとただ好奇心だけで動いているような感じも受ける。

また、穴開きは待っているときに数を書き留めるという癖があるようだが、2話で、穴開きの家の壁に数字が大量に書き込まれているのが映ったシーンがあった。あれは警察を待っていたという解釈でいいのだろうか。他の人物を待っていたのなら、とも考えてしまう。

またここにきて、鳴瓢が実はジョンウォーカーなのではないかとも思ってきた。鳴瓢が連続殺人犯を始末すればするほど、飛鳥井が憔悴していったのが凄く気になる。鳴瓢が逆に犯罪者たちを呼び寄せているのではと思う。本格ミステリでは後期クイーン問題というのがあって、名探偵が事件を呼び寄せてしまうという矛盾が語られることがよくある。それを意識したものではないかと思ってきた。

ただ、イドの中のイドは現実世界ではないので、イドの中のイドで起こった出来事をそのまま現実世界に敷衍していいのかはよく分からない。イドの中のイドで起きたことは単なるミスリードで全然違う結末が用意されているのかもしれない。

現実世界を思い出す鳴瓢

本堂町に出逢って現実世界を思い出し、妻と娘に電話を掛けるシーンは感動的だった。妻との馴れ初めや娘を失った後の様子を見せられて、こっちも締め付けられる思いだった。ただ挿入歌は個人的にはいらなかったと思う。鳴瓢がドグマ落ちしてしまうと、綾子と椋の元にもいけなくなるので、鳴瓢はなんとか助かってほしい。

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