『IDOLY PRIDE(アイドリープライド)』第12話(最終回)「サヨナラから始まる物語」感想です。
12話(最終回)あらすじ
決勝戦の舞台で、サニーピース(サニピ)と月のテンペスト(月スト)は最高のパフォーマンスを披露した。その姿を麻奈は遠くから見つめていた。決勝戦の結果は奇跡的にドロー。両者同時優勝となった。アンコールライブのとき、麻奈の姿が会場から消えた。航平は麻奈を追って、会場を抜け出し、麻奈に初めて出逢った学校へと向かった。麻奈は最後にお別れと好きという言葉を航平にかけ、優しく口づけを交わして、姿を消すのだった。
同時優勝はさすがに
最終回はライブ構成。最初にサニピ、次に月スト、そして琴乃のソロ歌唱、最後に星見プロの全員歌唱の4曲が作中にあった。最初の2曲は既存曲ということもあってか、ほとんどが静止画メイン。琴乃のソロ歌唱『Song for you』は、麻奈と航平の別れのシーンをバックに。全員歌唱はしっかりライブシーンを見せていた。
はっきり言えば、決勝戦の結果が引き分けで同時優勝というのは納得がいかない。個人的には一番ダメな終わり方なんじゃないかと思う。前回の感想で、サニピと月スト、リズノワとトリエルはどれも関係性が深すぎるから、その4組が全部準決勝にあがるのは出来レース感が強すぎると言ったけど、さらに決勝戦では引き分けで同時優勝とか、絶対ライブ後に大炎上するでしょ。フィクションだからリアリティーなんていらないけど、都合良すぎるのも冷めてしまう。私だったら、「優勝は…」のところでアニメ終わらせて、勝者は視聴者さんが決めてくださいね的な終わり方にする。
麻奈と航平の別れのシーンは、それ自体は悪くなかったけど、結局このアニメのメインは航平と麻奈ということでいいんだろうか。1話と最終回が麻奈と航平の物語に当てられていて、サニピや月ストよりも、麻奈と航平の方が印象に残ってアニメを終わってしまったのが、ゲームやライブなどの展開を控えている『アイプラ』にとっては良いことだとはあまり思えない。これも書くのはどうか迷ったけど、琴乃のソロ歌唱があまり上手くなかったのも悪印象が残ってしまった。バラード系は向いてない。ポップスは声が通ってすごく良いのに。
麻奈が航平を「トップアイドルのマネージャー」にしたかったと言った意味もよく分からんかった。麻奈が航平のことは好きなのはいいんだけど、じゃあなんで「トップアイドルのマネージャー」限定なのか全く理解できない。しかも航平は別にアイドルに興味あったわけじゃないし、麻奈が航平と付き合いたかったのなら、自身のマネージャーなんて彼氏の職業としては一番選んだらダメでしょ。
あと、さくらは麻奈から離れて自分の歌い方で自分の夢を追いかけるって決心したというのが、さくらの最終回までの物語だったのに、最後に「私の胸が(トップアイドルに)なれるって高鳴ってるから」と言ったのは、また麻奈に囚われているようで、これも良くないと思う。そもそもネクストビーナスグランプリで優勝すれば、事実上トップアイドルなんじゃないかという気もするんだけど。
全体を通しての感想
かなり賭けているコンテンツだってことは伝わってきたのだけど、その割にはライブの静止画が多かったり、熱意がアニメにあまり現れてなかったと思う。楽曲はすごくいいし、YouTubeにアップされているMVも低予算だとは思うけど、どれも見栄えが良くて何度でも見たくなるものになっているのに、アニメがこの出来だったのは残念。アニメがコケるとゲームもコケる確率が上がってしまうので、ここは本気でやってほしかった。
ストーリーも幽霊が存在すること以外は、普通のアイドルアニメという感じで特筆すべきものがなかったのも話題にならなかった一因かもしれない。幽霊とか移植とかは、普通のアイドルアニメじゃ売れないという判断で入れた要素だったんだろうけど、それだけではこのアイドルアニメ戦国時代を勝ち抜くには難しかったようだ。まあ声優を売りたいというのがあるから、あまり突飛な設定にできないという縛りもあるのだとは思う。
ミュージックレインの声優好きだし、ミュージックレイン3期生も応援してるし、菅野真衣さん(さくら役)も結城萌子さん(怜役)も好きになれたんだけど、期待よりは下回ってしまったなあ。でもまあミューレ3期生はこれからさらに売り込んでいくだろうし、菅野真衣さんは普通に声優として大成する人物だと思うので、これからも引き続き応援はしていきたい。
前回あらすじ
さくらが麻奈の歌い方から脱却したために、麻奈がだんだんと消えていってしまう。残された時間が少ないと感じた麻奈は、琴乃と話をしたいと思うようになった。琴乃は麻奈の幽霊がいると告げられ困惑したものの、準決勝の相手のLiz Noirのメンバーの莉央の麻奈に対する思い、そして麻奈の書き残した日記に触れ、麻奈に自分のアイドルに対する決意と覚悟を滔々と語った。準決勝は月のテンペストが勝利。決勝戦は星見プロダクション同士の戦いに決まった。
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