『かくしごと』第1話「かくしごと / ねがいごと」感想です。
1話あらすじ
かくしごと
下ネタまみれの漫画を連載していた漫画家・後藤可久士は、娘の姫に自分が漫画家であることをバレるのを怖れ、スーツで仕事場に出掛け、途中で着替えるなど徹底して隠していた。
ある日、可久士は新担当の十丸院五月の打ち合わせのために仕事場で待っていたが、五月はなかなか現れない。実は五月は自宅の方を訪問していた。可久士は、自分が漫画家だと気付かれないように懸命に誤魔化すのだった。
ねがいごと
姫は可久士を喜ばせたいと「お父さんが偉くなりますように」と短冊に書いて笹に吊るした。可久士は偉くなるとは何か悩み、アシスタントの筧亜美から文豪ならぬ漫豪になるべきとアドバイスされる。
後日、可久士は溺れた猫を助けた。そこに偶然居合わせた姫の友達の古武シルビアは、同じく友達の東御ひな、橘地莉子と一緒に目黒川探偵事務所を設立。助けたヒーローの捜索をする。可久士が持っていたクッションが猫を救出したものだと気付かれ、追いかけられる羽目に。しかし仕事終わりのラフな姿で無精髭の可久士は、スーツ姿のときとは似ても似つかず、可久士だと娘たちにバレることはなかった。
久米田康治原作の新作アニメ
何気に原作がアニメ化している回数では漫画家の中でも屈指の久米田康治の最新アニメ。原作は月刊少年マガジンで連載中。『絶望先生』や『かってに改蔵』はほとんど読んだくらいは久米田の漫画が好きだけど『かくしごと』は未読なので楽しみにしていた。
「隠しごと」と「書く仕事」のダブルミーニングで漫画家の裏話やあるあるをトッピングしつつ、父娘のハートフルなコメディアニメになっている。漫画家の裏話なので『絶望先生』のようなみんなに共通するあるあるじゃないので、共感は難しいのだけど、漫画家の生態が知れる面では興味深い。
ただ、個人的にはそこにあまり興味がなく、可久士と姫ちゃんの物語に期待している。姫ちゃんは名前の通りお淑やかで癒し系。見ているだけでほっこりしてしまう。その友人たちもみんな可愛い。
友人は『絶望先生』のキャラのオマージュで、シルビアは小節あびる、ひなは日塔奈美、莉子は木津千里が元ネタ。ただし、声優は『絶望先生』から変わっていて、それぞれ小澤亜季、本渡楓、和氣あず未になっている（姫は高橋李依）。みんな声も可愛くて、彼女たちの物語ももっと見たくなってしまった。
ビビットな色彩の絵も美しい。製作はシャフトではなく亜細亜堂だが、私はシャフトのくど過ぎる演出は好きじゃないから、むしろ好意的に受け入れている。
それでここで述べたように、雰囲気はめちゃくちゃ好きなアニメなんだけど、なんだか面白いと言いきれないのだ。やっぱり漫画家の生態みたいなものに共感できないからなのもあると思う。姫の友達4人と探偵団を作るエピソードとかは大好きなんだけどなあ。
あとエンディングが大滝詠一の『君は天然色』だったのは驚いた。CMなどで有名な曲でイントロは誰でも聴いたことがあるはず。声優にカバーして欲しかったという気持ちもある。姫ちゃんが歌ったら可愛いだろうなあ。あと作中に出てきた漫豪の元ネタは藤田和日郎。久米田康治の漫画によく登場する。
作品情報
イントロダクション
ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。一人娘の小学4年生の姫。可久士は、何においても、愛娘・姫が最優先。親バカ・可久士が娘・姫に知られたくないこと。それは自分の仕事が『漫画家』であること。自分の“かくしごと”が知られたら娘に嫌われるのでは！？愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまる―
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督：村野佑太 / シリーズ構成・脚本：あおしまたかし / キャラクターデザイン：山本周平 / 総作画監督：西岡夕樹、遠藤江美子、山本周平 / プロップデザイン：ヒラタリョウ / 美術監督：本田光平 / 美術設定：岩澤美翠 / 美術：草薙 / 色彩設計：のぼりはるこ / 撮影監督：佐藤哲平 / 撮影：旭プロダクション白石スタジオ / 編集：白石あかね / 音楽：橋本由香利 / 音響監督：納谷僚介 / 音響制作：スタジオマウス / 音楽制作：エイベックス・ピクチャーズ / アニメーション制作：亜細亜堂 / 製作：かくしごと製作委員会
キャスト
後藤可久士：神谷浩史 / 後藤姫：高橋李依 / 十丸院五月：花江夏樹 / 志治仰：八代拓 / 墨田羅砂：安野希世乃 / 筧亜美：佐倉綾音 / 芥子駆：村瀬歩 / 六條一子：内田真礼 / ナディラ：加藤英美里 / マリオ：浪川大輔 / 古武シルビア：小澤亜李 / 東御ひな：本渡楓 / 橘地莉子：和氣あず未 / 千田奈留：逢田梨香子 / 汐越羊：古城門志帆 / 城路久美：原由実 / 大和力郎：小山力也 / 内木理佐：沼倉愛美
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