『無能なナナ』第4話「ヒーリング」感想です。
前回あらすじ
キョウヤはナナオの行方不明を不審に思い、独自に調査していた。彼はナナオと親しかったナナを疑っていたのだ。キョウヤは作戦の妨げになると確信したナナは彼の能力を知るため、小屋に誘き寄せてガス爆発事故を企てる。企みは成功したが、キョウヤは生きていた。彼の能力は不老不死だった。爆発直後にナナが現場に駆けつけたために、彼のナナへの疑いは一層濃いものとなってしまうのだった。
4話あらすじ
犬飼ミチルは舌で舐めることにより相手の傷を癒すヒーリング能力を持っていた。ナナは不良少女に揶揄われていたミチルを助けたことで、ミチルに慕われるようになった。
キョウヤは依然としてナナを疑い、深夜にナナの部屋を監視するほどだった。ナナはキョウヤの疑いを晴らし、クラス内の権力を高めるために一計を案じる。
ナナは深夜にミチルの家に行き、人類の敵が現れたと嘘をつき、ミチルを庇うフリをして自身の背中を錐で刺した。自身が被害者を装うことにより、容疑者から外れるという目論みだった。
ミチルを庇ったナナはクラスでも更に一目置かれるようになり、リーダーに選出された。しかし、キョウヤはそれでもナナを疑っていた。
その夜、ナナの元を葉多平ツネキチが訪ねる。彼の能力は未来予知で、彼がナナを殺そうとしているところを予知したと話す。ツネキチは念写したキョウヤ暗殺のために毒薬を作っていた写真やナナオを突き落とすところの写真をナナに見せるのだった。
被害者を装う犯人
ナナが自作自演で被害者を装い、自分を容疑の圏外に置いた。ミステリー作品で意外な犯人という驚きを演出するためによく使われる方法で、現実でもたまに試す犯人がいる。今回はミチルがヒーリング能力を持っているために、傷跡などもすぐに消失させてしまえるので、自作自演だとバレにくい。実際にキョウヤも凶器の特定に難航していた。しかも、ミチルは能力を使うと彼女自身の寿命が縮んでしまうという制約があるので、成功すればミチルを殺そうとしているナナにはどう転んでも都合がいい。どうでもいいけど、錐のイントネーションにかなり違和感があった。アクセントはキじゃなくてリだと思うのだが。
ただ、ミチルの部屋にナナがいきなり現れてミチルを庇うというストーリーを信じるのには厳しいものがあるし、キョウヤは実際にはナナを状況証拠的にはほとんどクロだと思っているだろう。ナナとしてもキョウヤを完全に欺けるとは思ってなく、何が起きてるかを考えようともしないミチルとセイヤとモグオを味方につけて、クラスを掌握するのが主たる目的だった。
不老不死のキョウヤはナナに対して圧倒的なアドバンテージを持っているので、ナナがすぐにキョウヤを脅かす存在になるとは考えにくい。キョウヤがナナを連続殺人犯だと確信すれば、単独で彼女を始末するという方法も考えられるが、妹失踪の謎を解くのが第一目的のキョウヤにとっては、ナナをわざと泳がせておいているというのもありえる。
ミチルは名前の通り、犬みたいでかわいい。もう完全にナナに手懐けられてしまっているけど。彼女の能力の制約は寿命が縮むというものだけど、それはどうやって分かったのかちょっと謎だ。
未来予知の能力
もうひとりの新たな能力者が登場。ツネキチは未来予知ができて、予知した未来を念写できるようだ。ナナがナナオ殺しの犯人だと知ってて、隠していたのは彼がナナを強請ろうと考えていたのだと思う。
ナナにとっては絶対生かしちゃおけない相手だが、ツネキチは自身自身がナナに殺されようとしているところを既に予知しているので、ツネキチが死んでしまうのはもうほぼ確定している。一応、殺そうとしているという未来だから、殺されるとは確定してないかもしれないけど、追い込まれているナナは確実に仕留めるチャンスでないと動かないはずなので、ツネキチが逃れるのは難しい。絶対に変えられない未来の予知って因果な能力だな。
しかし、ナナの行動はやっぱり綱渡りすぎるので、クラスメイトの能力を完全に把握してから各個撃破していった方が明らかによかったとは思う。連載漫画なので各話に盛り上がりがほしいので、こういう展開になるのは仕方ないけど、ナナが最初から最後まで計画的に犯行を進めた場合のストーリーも少し見てみたい。
コメント