『ソマリと森の神様』1話感想 優しく美しい心温まる物語

4.0

『ソマリと森の神様』第1話「旅する親子」感想です。

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1話あらすじ

ゴーレムは森の守人だった。ゴーレムは森の生きとし生けるものを見守り、自然の摂理を保つことを存在意義としていた。そんなゴーレムは、森の奥で人間の子供・ソマリに出逢う。

ソマリはゴーレムをお父さんと慕い、ゴーレムはソマリを半ば育てるように慈しんだ。ゴーレムは人間の仲間を捜すために、ソマリと共に森を離れ、ある街へと辿り着く。

世界は人間以外の種族が支配していた。かつて人間とその他の種族は共生していたこともあったが、人間が他種族に戦争を仕掛け返り討ちにあったために、ほぼ絶滅していた。人間は他種族の食用とされた。

ソマリは見慣れぬ街の様子に興奮を隠しきれない。ゴーレムが買い物をしている隙に、猫を追いかけて迷子になってしまった。その猫はソマリの美味しそうな匂いに襲い掛かろうとする。

そこにゴーレムが助けに入る。ソマリはなんとか人間だと気付かれなかった。ゴーレムはソマリが勝手な行動を起こさないように、手を繋ぐのだった。

優しく美しい物語

まず最初に美しい背景に心惹かれる。光が差し込む森に現れるゴーレムと謎の女の子のソマリとの出会いのシーンはこれからどんな物語が繰り広げられるのかとワクワクした。

素晴らしいプロローグだったのだが、ソマリの声がどうしても気になってしまった。声優は水瀬いのりで嫌いな声優ではないのだが、甲高いキンキン声の演技はこのアニメの雰囲気に合っていないと思う。天真爛漫なソマリの性格に合わせたのかもしれないが、もう少し落ち着いた声の方が良かった。最初の清らかなムードが台無しになったような気がした。

その後のストーリー自体は良かった。人間が嫌われている世界で、感情がないにも関わらず、ソマリを護ろうとするゴーレムの深い愛情が感じられた。ソマリが街の人が手を握り合っているのを羨ましがるシーンは、最後のゴーレムとソマリが手を繋ぐシーンを効果的にしているなど、構成も良かった。最近は珍しい心温まるアニメだと思う。

あまり全てを語ることなく、絵で心情を表現しようとしているのも私好みで、アニメの雰囲気にもよくマッチしている。このときのソマリの心情やゴーレムの気持ちを想像しながら見るのが楽しい

ただ、ゴーレムの腕がひび割れているシーンなど不穏な気配も感じさせる。展開としてはゴーレムの寿命が近づいているのかなと想像できるので、ソマリとの別れがあるのだろうか。別れの前にソマリの親族を捜し出すのが、ゴーレムが人間を探している理由なのかもしれない。ハッピーエンドで終わって欲しいものだ。

もうひとつ気になった点としては森山直太朗のオープニングで、これもかなり雰囲気をぶち壊していると思った。あと森山直太朗は過去にアニソンをめちゃくちゃ馬鹿にしていたのに、結局アニソンを歌うなんて落ちぶれたもんだな。嫌なら断ればいいのに。まあ、あんまり過激なことは言うもんじゃないね。

特に、2005年5月のラジオ番組「FM J-Wave」にて、当時流行っていたアニメ「魔法先生ネギま!」の主題歌「ハッピーマテリアル」に対して
「あー、萌えー アキバ系のやつだ、あのー これね 無くなってほしいですね」

作品情報

イントロダクション

地上は異形たちが支配する世界。人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。そんなある日、森の番人である「ゴーレム」とひとりの人間の少女が出会う。滅びゆく種族「人間」と森の番人ゴーレムの父娘の絆を綴った旅の記録。

スタッフ・キャスト

スタッフ
原作:暮石ヤコ『ソマリと森の神様』 / 監督:安田賢司 / シリーズ構成:望月真里子 / キャラクターデザイン:伊藤郁子 / サブキャラクターデザイン:大橋幸子、田中穣、吉川美貴 / 美術監督:ニエム・ヴィンセント / 色彩設計:中村千穂 / 音楽(劇伴):吉俣良 / 音楽プロデューサー:山岡晃 / 音響監督:濱野高年 / 音楽演出:佐藤恭野 / 音響効果:出雲範子 / アニメーション制作:サテライト、HORNETS

キャスト
ソマリ:水瀬いのり / ゴーレム:小野大輔 / シズノ:七海ひろき / ヤバシラ:鈴木達央 / ウゾイ:早見沙織 / ハイトラ:小野友樹 / キキーラ:小林ゆう / ムスリカ:速水奨 / コキリラ:関智一 / ヘイゼル:茅野愛衣 / プラリネ:高垣彩陽 / ローザおばさん:柴田理恵

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