『ソマリと森の神様』第4話「叶える花と願う約束」感想です。
前回あらすじ
ソマリとゴーレムはアリの穴街にたどり着く。店主のコキリラが営むレストランで、ゴーレムは情報収集を兼ねながら、砂漠を越えるための路銀を稼ぐべく、アルバイトすることに。ソマリはゴーレムが旅を早く終わらせたいのではないかと察して、寂しさから涙を流してしまう。コキリラの息子のキキーラはソマリを励まそうと、願いが叶うという夜覚めの花を探しに行こうと誘う。光る植物が繁茂する幻想的な街の地下で、夜覚めの花を発見するソマリ。そこに現れたのは彼女のことをずっと注視していたムスリカだった。
4話あらすじ
ムスリカは街の地下を管理するツチノコ組の一員で、キキーラが師匠と慕う人物だった。彼はソマリとキキーラに地上に戻るように言うが、ソマリは夜覚めの花を持ち帰って願いを叶えたいと言い張る。
ムスリカは彼女の熱意に押されて、さらに奥地にある巨大な土網の木の根元に生える夜覚めの花へと2人を案内する。
道なき道を進み、ついに辿り着いたが、ツチトカゲが現れる。ソマリを攻撃しようとせんばかりのツチトカゲの前にキキーラは立ち塞がり、ソマリを護ろうとする。ソマリも自分の想いをツチトカゲに告げると、ツチトカゲは彼女を認め、その場を去っていった。
夜覚めの花を持ち帰えることができたのだが、ゴーレムはソマリが日没までに帰ってくるという約束を反故したことを詰問してしまう。ソマリは自分の部屋に篭るが、疲れが重なり体調を崩してしまう。
ゴーレムはムスリカからソマリの想いを聴き、自分の至らなさを後悔し、献身的にソマリの介抱をする。
ソマリが目覚めると、彼女は泣きながらゴーレムに謝り、ゴーレムもソマリの気持ちに気付いてあげられなかったことを謝罪する。そして、ゴーレムに残された日は長くないことを言い出せず、ずっと彼女と一緒にいると約束してしまうのだった。
深まる2人の絆
今回もいい話だった。ムスリカは予想通り良い人だった。このアニメは予想を裏切るようなストーリーにはならなそうな気がする。ハラハラやサスペンスを一切排除して、予定調和な物語を癒しとして楽しむ作品にしているのかなと思う。
今回もゴーレムとソマリの絆がさらに深まった。ゴーレムは感情がないという設定なので、ソマリの行動も合理性のみで考えてしまうために冷たい対応になってしまうこともあるけど、それもソマリのことを守らなければならないという想いが強いからこそとも言える。まあ感情がないのなら庇護欲も起きないのではというツッコミはあるけど、父性はむしろ本能的なものなのかもしれない。
「親も失敗しながら成長する」というのは耳にタコができるくらい聞いた月並みな言葉だけど、一般的な親子関係を知らないであろうゴーレムにとって一番救われる言葉だったんじゃないかと思う。ゴーレムと人間という異種族間の親子関係は、普通の親子関係よりももっと困難で、ゴーレムも裏ではきっと色々試行錯誤しているんじゃないかなと想像している。
その合理的なゴーレムが、ソマリとずっと一緒にいると嘘をついたり、彼に残された日が長くないことをソマリには決して伝えることができなかったりするというのも愛おしい。感情がないという設定と矛盾しているが、その矛盾が逆に彼のソマリに対する愛情の深さを物語っている。他のあらゆる概念に勝るところに愛情が置かれていることを示しているかのようだ。
ただ2話でシズノから風邪薬の作り方を教わっているはずだが、その部分の粗はなんとかして欲しかった。せっかく良い話なのに、どうでもいいところに気を取られてしまう。
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