『ソマリと森の神様』第10話「幼子と緑の砦」感想です。
前回あらすじ
雨宿りがてら一夜、バームシュガーの採取が仕事のキツツキ屋の仕事場に滞在することに。小屋にあったレシピ帳を参考に、ゴーレムとソマリは粗挽き小麦のスフレを一緒に作った。初めてのゴーレムの手料理の美味しさに自然と涙が溢れるソマリ。そこに偶然、シズノとヤバシラがやってくる。翌日、シズノが歯牙師のソワクに教えを乞うため、荒くれ者が集まるアリシギの街へ。ソマリは自分の歯を抜かれるのではという恐怖で駆け出し、騒動に巻き込まれてしまう。ゴーレムたちがその場を収めたが、それを見ていた男が宿を提供する代わりに、用心棒になって欲しいとお願いしてきた。頼みを受け入れ、宿で休む一行。だが、シズノはソマリは実は人間なのではないかと訝しんでいた。
10話あらすじ
ゴーレムはソマリとの出会いを語り出す。ソマリは両手両足と首に枷を付けられていた。生物に無干渉なゴーレムはソマリを無視して立ち去るが、彼女は後をずっと追いかけてきた。
ゴーレムは次第に彼女の笑顔に魅せられていき、父性が芽生え始める。ゴーレムは彼女の枷を解除し、最初に彼女を発見した猫のような生物・コミドリソマリから取って、名前をソマリと名付け、ゴーレムが消滅するまでに他の人間に引き渡すため、森を離れた。
翌日も翌々日もゴーレムとヤバシラは用心棒の仕事に行き、ソマリとシズノは家でお留守番。ソマリはお世話になっているゴーレムにプレゼントをあげたいと考えていた。
そこにローザおばさんが物資を届けにやってきた。彼女はソマリに組み紐を作ってみてはどうかとアドバイスして、作り方も教えてくれた。
ところが、彼女がソマリを抱きしめた際に人間の匂いを感じた。ソマリが人間であると確信した彼女は、仲間にその情報を伝えるのだった。
柴田理恵の声優初挑戦
ローザおばさんの声は芸能人の柴田理恵だった。声優初挑戦らしいが、なかなか演技が上手だなと思った。まあ役がおばさん役なので、素を出せばそのまま役にハマるんだろうけど、笑顔の仮面を取り去って彼女の裏の姿を見せたときなんかの声は、どこまで意識しているのか分からないけど、少し薄ら恐ろしいものを感じさせる演技だった。
ただローザおばさんが本当に悪者なのかどうかはまだ分からない。『ソマリ』は不穏な空気を最後に見せておいて、実はそうでもないみたいな流れが多いので、油断してしまう。でも、最後のスタッフロールを見ると、仲間の名前は「人狩り」になっているから、やっぱり悪者なんだろうな。ソマリが拐われて、ゴーレムが助けて、組み紐を渡して終わりという感じなのだろうか。まさか2クールじゃないと思うが。
ゴーレムとソマリの出会い
ゴーレムとソマリの出会いから森を出るまでの詳細が初めて明かされたが、正直なところゴーレムがなぜソマリにだけそこまでの関心を示したのかは分からずじまいだった。ソマリの笑顔をずっと見ていたいという理由は人間にとっては納得できるものだけど、感情がないとされるゴーレムにとって、そんなことが起こり得るのかと思う。
10話もの間、ゴーレムとソマリの旅を見てきて、ゴーレムにはどう考えても感情があるとしか思えないし、そうじゃないと物語が進行しない。なぜ感情を持たないなどというガチガチの設定にしてしまったのだろうか。感情を失ったとか感情に乏しいとかではダメだったのかと思う。ただ「はらいそ」と呼ばれたゴーレムも人間と暮らしていたから、人間はゴーレムに特異的に作用する何かがあるのかもしれない。もしそういう設定があるなら(この先明かされるかもしれないが)描いて欲しかったと思う。
まあそれは置いておいて、ソマリの手足と首に枷が付いていたのはなぜだろうか。まるで何者かがソマリの能力を封じ込めたような印象すら受ける。普通の人間なら、他種族の敵ではないのだから、ソマリは何か特殊な能力を持っているのだろうか。
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