『ソマリと森の神様』11話感想 果たして誰が「牙剥く者」なのだろうか

『ソマリと森の神様』第11話「護る者と牙剥く者」感想です。

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前回あらすじ

ゴーレムはソマリとの出会いを語り出す。ソマリは枷を付けられ、ぽつんと森の中に放置されていた。ゴーレムは最初は無視して立ち去るが、彼女はずっと追いかけてきて、次第に彼女の笑顔に魅せられていった。ソマリは世話になっているゴーレムに贈り物をあげようと考える。物資を届けにやってきたローザおばさんに組紐の作り方を教わるのだが、ローザおばさんは人狩りの仲間で、ソマリが人間だということが彼女にバレてしまうのだった。

11話あらすじ

用心棒の仕事もひと段落し、稼いだ路銀で次の目的地までの物資を揃えて宿へと帰ると、ソマリが組紐を作ってゴーレムにプレゼントした。実はゴーレムも街でソマリに組紐も買っており、親子の絆を再認識する。

その夜、雪で遊んで疲れて横になっていると、人狩りの集団が宿へと押し入ってきた。ゴーレムのお陰で到着前に気配を気付けていたため、ソマリ達は先にローザおばさんに教えてもらった廃坑の抜け道を使って逃亡していた。

ところが、廃坑の石橋は破壊されており、先に行くためにゴーレムは限りある力を使ってしまう。そこにローザおばさんがやってきて、ソマリを逃すフリをして逆に彼女たちを閉じ込めてしまう。

ローザおばさんはなぜ人間が忌み嫌われるようになったのかを語り出す。かつて人間と野生の狼に襲われたとき、他種族が命懸けで救出したことがあった。ところが、人間は他種族を「異形」と罵り、射殺してしまう。そのような行為が何度も繰り返され、最終的には戦争に発展していったというものだった。

人間の悪事にソマリは絶望感を抱く。ゴーレムは力を振り絞り、ソマリを護ろうとするが力尽きてしまう。

しかしソマリが連れて行かれようとするとき、ゴーレムが覚醒するかのように立ち上がるのだった。

人種差別から戦争へ

ハイトラのエピソードでは人間が他種族に虐げられていた。フェオドアのエピソードでは逆に、他種族が人間に虐げられていた。そしてローザおばさんのエピソードでも他種族が人間に差別されていた。

どっちが先に忌み嫌い始めたのかというのは分からないが、戦争も人間から仕掛けたということだったので、人間の排他性が今の対立の引き金になったのだろう。実際に他種族は様々な種族が共生しているが、そこの中では差別は起きていないようだ。アニメでは人間が食用にされているという設定なので、人間側からしたら他種族は野蛮な民族のように感じるが、本来は人間側の方が野蛮だったのかもしれない。

サブタイトルに「牙剥く者」とあるが、本当は誰が牙剥く者なのだろうか。詭弁だが、他種族にとっては、人間を虐げているのは、自らの種族や平和を「護る」ためだと言えないこともない。

しかしながら、人間がかつて酷い行いをしていたとしても、ソマリには何の責任もない。ただ、他の種を食べるということ自体は別におかしいことではない。人間だって家畜や野生動物を食べている。意思疎通ができる動物を食べるというのが禁忌とされるが、そこにどれだけの違いがあるのだろうか、などと考えているとヴィーガンになるのだろうな。

最近、差別をテーマにしたアニメが増えているような気がする。このブログで感想を書いた中でも『コップクラフト』や『キャロル&チューズデイ』などがあった。ポリティカルコレクトネスの高まりで、アニメ業界にもその波が来ているのだろうか。

次回は最終回。なにやらゴーレムの限界が迎えそうな雰囲気がある。シズノたちがゴーレムの意思を受け継ぐのだろうか。

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