『警視庁特務部凶悪犯対策室 第七課 トクナナ』第10話「十年目の竜」感想です。
前回あらすじ
エアポートテロ事件実行犯の枇杷島泰介を移送することになったトクナナ。ところが、封鎖されているはずの高速道路でナイン構成員が攻撃を仕掛けてきた。敵はなんとか撒いたものの、謎の男(三潴)が公安に潜入し、枇杷島の受け渡し場所に爆弾を仕掛けていた。爆弾が炸裂。清司と栞は辛くも助かるが、枇杷島は直撃を食らってしまう。過去に自分を殺そうとした相手に対しても、職責を果たそうとする清司に思うところを感じた枇杷島は、最期に清司に義眼を託した。
10話あらすじ
ウォーロックの裁判が衆目を集める中、開始された。ところが、弁護士がウォーロックの無罪を高らかに宣言する。その弁護士こそが真のウォーロックで、拘置されていたのは身代わりであった。
傍聴席で警備をしていた清司が対峙するが、ウォーロックは、清司がドラゴンの能力を奪ったこと、そして助けにきた三潴を洗脳し、謎の男となったことを告げられる。
自分と引き換えに一人の有能な刑事の人生を失わせてしまったことを知り絶望する清司だったが、そこに割って入ったのは席を外していた栞であった。彼は清司を引っ張り、一旦その場を退いた。
トクナナが合流し、ボスの口から真実が語られる。清司は生贄に捧げられるときに事故でドラゴンの力を得てしまっていたのだ。ウォーロックに対抗できるのは清司の力だけであり、清司に選択を迫った。一方、クジャクはボスに辞表を提出し、三潴を自分の手で始末しようと行動するのだった。
清司のドラゴンの力
清司がドラゴンの力を継承しているというのは予想通りで、頑丈だというのが伏線になっているのも合っていたが、ドラゴンの力をどのように与えられたのかについては、なんとも間抜けというかなんというか。なぜ、そういう間違いが起こったのかは全く分からないのもモヤッとする。
もう少しドラゴンの力を持っていることに必然性があるとよかった。例えばドラゴンの血を分け与えられた三潴が正気を失う前に、清司を救うためにさらに血を分け与えたとか。そうでないならウォーロックから与えられたという設定ではなく、幼少期に何らかのイベントで持ったというのでも悪くないと思うのだが。
あと謎として残っているのは、なぜボスはそのことを知っているのかということだろうか。ボスもドラゴン族だとは思う(身代わりを立てる能力などがウォーロックに似ている)のだが、ウォーロックと何らかの関わりがあるのか。実は元ナイン幹部だとか。
本筋とは無関係だが、法廷でのウォーロックのめちゃくちゃな振る舞いに対して、裁判官がまともに質問していたのは笑ってしまった。冷静すぎるだろ。
清司の嗚咽の理由
清司は事実を知って嗚咽していたが、その理由は自分を助けにきた三潴を代わりに犠牲にしてしまったことへの悔恨が最も大きいだろう。またウォーロックという極悪人と同じ能力を自分が持っていることに対する哀しみもあるだろうか。
ただ前者に関しては泣くだけでなく、自分のせいで元相棒を失った挙句に、敵対することになってしまった栞に対する謝罪のセリフなどが一言あっても良かったと思う。その方が清司の性格に合っているかなと感じた。栞も辛いのに、彼を慮らずに一人で泣いているのは、今までの彼の描写に削ぐわない気がする。
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