『警視庁特務部凶悪犯対策室 第七課 トクナナ』第12話(最終回)「ゼロからナナへ」感想です。
前回あらすじ
クジャクは三潴に刑事時代の写真を突きつける。三潴は過去の記憶を取り戻し、洗脳が解けた。三潴が身代わりになった自責の念に駆られていた清司は、栞の説得で自身の正義を全うせんと再び立ち上がる。ボスはウォーロックと戦闘に突入。ボスもドラゴン族であった。ボスは劣勢となるが、そこに清司らトクナナが到着。最後の決戦が始まるのだった。
12話あらすじ
清司はウォーロックに攻勢をかけるが、ウォーロックは怯みすらしない。トクナナの仲間達も参戦するも、ドラゴンには歯が立たなかった。
栞の元にクジャクからウォーロックを公園に誘き出せと連絡が入る。清司が体当たりで公園に落とすと、そこに現れたのは洗脳が解除された三潴であった。ウォーロックは一瞬動揺を見せるが、人間ひとりの裏切りなど歯牙にもかけなかった。
ところが、栞がウォーロックの本質は人間に対する嫉妬であるという事実を突きつけると、ウォーロックは狼狽を隠せなくなった。ウォーロックは自身の力を信じることができなくなり、ドラゴンは急速に弱体化。清司と栞にそのまま破壊され、ウォーロックはドラゴンの力を失った。
清司はウォーロックを逮捕。そして自身のドラゴンの力も不要になったとして放棄した。
三潴はトクナナに戻ることなく、別の方法で自分の正義を全うすると栞に誓い、その場を去っていった。トクナナは今日も世界の平和と自分の正義のために戦い続ける。
ウォーロック戦について
前回の感想で信仰の度合いで強さが変化するのを上手く活用すると面白いと書いたが、ウォーロックが自分自身を信じられなくなったから弱体化したというのはやられたなあと感じた。人間を支配することによってしか存在意義が得られないから、逆説的に人間を恐れているという展開も良かった。
一方で戦闘自体の演出はかなりしょぼかった。ドラゴンを出したはいいが、そのドラゴンは何をするという訳でもなく吠えるだけだったし、ウォーロックも指弾を出すだけで、清司のスパーリングに付き合うトレーナーかサンドバッグみたいなものだった。まあ予算も少ないアニメだろうし、一回落としていることもあるので、グリグリ動くような戦闘は出来なかったのだろう。
最終的に「正義とは何か」という『バビロン』のような問いに発展していったが、その答えも「常に正義とは何か考え続けること」という『バビロン』と同じようなものになっていたのは興味深い。まさかパクったわけではないだろうが。
三潴の未来
洗脳が解けた三潴をどう扱うか気になっていたが、トクナナを去り、独自に罪を償うという結末は無難と言ったところだろうか。平気でトクナナに戻ったりしてたらお笑いだったが、そんなことはなくて良かった。
本来はトクナナが三潴も逮捕すべきなのかもしれないし、三潴だけ逃すのは正義のダブルスタンダードと取られるが、キャラ人気を狙ったアニメで逮捕なんてのはまず無理だろう。まあ洗脳状態にあったので心身喪失状態と認められるかもしれないので、裁判では栞も言っていた通り情状酌量の余地はある。
全体を通しての感想
このアニメの評価は難しい。作画もまあ平凡だし、ストーリーもおっと思わせてくれるような展開はあるものの、全体的には大雑把なところも多く、手放しに褒められるものでもない。伏線に見せかけてそうではないただの矛盾箇所もいくつもある。
もともとは腐女子受けを狙って製作されたアニメだったんだと思う。バディものだし、声優陣も女性人気が高い。だけどキャラクターが魅力的かと言えば、そういうわけでもないし、強いて言えば「ニンジャですから!」のベルメールが可愛いくらいで、そんなに惹かれるものはなかった。
紅音は好きな人もいただろうに彼氏がいるし、娘にあしらわれる六輔もまあありきたりな設定だ。重要な主人公の清司は好青年止まりだし、栞もカリスマと呼ばれるほどのカリスマ性は感じない。個人的な意見でしかないが、刑事キャラの津田健次郎にはもう飽きてしまった。
サブキャラクターまで1クールでやるのは大変だろうけど、せめて清司と栞の過去のエピソードがもっと欲しかったなあ。一番よく分からなかったのは、黒真珠は何のためにいたのだろうか。
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