『ワンダーエッグ・プライオリティ』2話感想 体罰教師とかまってちゃん

『ワンダーエッグ・プライオリティ』第2話「友達の条件」感想です。

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2話あらすじ


タマゴのガチャには先客がいた。彼女は青沼ねいるという名前だった。ねいるはアイとは積極的に関わろうとはせず、自分が死なせたという妹のためにタマゴを割っていた。アイは再びタマゴを割る。現れたのは新体操部の鈴原南だった。彼女は部活の顧問に体罰やパワハラを受けており、それに怯えて自分を卑下するようになってしまっていた。アイはバケモノと化した顧問教師に猛然と立ち向かい、その姿に感化された南はアイに協力し、顧問教師を撃破する。現実世界に戻ったアイは、無理をして救急搬送されたねいるを目撃。アイはねいるに友達になろうと提案するのだった。

社会問題に切り込む

前回はイジメに焦点があたった話だったが、今回は体罰教師。思春期の学生が被害者となる不条理に切り込んでいく姿勢が見える。しかし、体罰教師に自分のすべてを否定されて、自己肯定できなくなった南に対して「かまってちゃん」というのはどうなんだろう。体罰教師に洗脳されているからそうなってしまったのに、「かまってちゃん」「愛してほしいからそんなこと言うんだ」なんて言われたら救われるどころか、余計に自分を卑下してしまいそうな気がするんだけど。教師の体罰に悩んでいる少年少女がこれ見ても、勇気を奮い起こせるとは思えなかったし、外野が何か言ったような気になって、気持ちよくなるためだけの言葉のように受け取れてしまった。

仮想世界を舞台にしたりバケモノを登場させたり、アニメならではの演出はあるんだけど、原案がドラマの脚本家だけあって、作品自体はやっぱりドラマっぽい。ドラマが好きな人ほどこのアニメを気に入るのではないかと思う。メッセージ性が強く見えるので、むしろアニメ好きには刺さらないんじゃないか。とはいえ、そのメッセージ性が強いというのも、あくまで「見える」だけで、本当にそうだともなかなか言い切れない。ずっとイジメ問題にフィーチャーするのかと思ったが、少し毛色の違う体罰問題に今回移ったのは、少し凡庸に感じる。似たような思春期の悩みに焦点を当てたアニメには『星合の空』が最近あったけど、深度的には大きく変わらないんじゃないか。まあこれはあくまで2話時点の印象で、もちろん今後変わっていく可能性はあるが。『星合の空』は途中で打ち切りになったせいで、結果的にはかなりセンセーショナルなアニメになった。

小糸が自殺した理由

前回の感想では小糸が自殺した理由を、イジメられている大戸アイと仲良くなったからだと予想していたけど、それ以上に深い理由がありそうだ。特に担任の沢木修一郎の存在が怪しい。確かに小糸の性格でイジメが原因では自殺しそうにない。イジメの現場をアイに撮影させて、証拠を握ろうともしていたし。

小糸は、先生と親密にしていることを嫉妬してイジメられてると発言していたが、それがあながちアイが自分自身を責めないための優しい嘘だとは言い切れないんだろう。アイの担任に対する態度にも彼を訝しんでいる様子が出ていて、確信してはいないまでも疑ってはいそうだ。タマゴから小糸が産まれてきて、小糸の自殺した理由の真実に仮想の世界で直面するという展開があるかもしれない。

前回あらすじ

大戸アイは深夜の散歩の途中で謎のタマゴを手に入れる。翌日、玄関の扉を開けるとアイは謎の校舎に転移してしまった。タマゴを割るとそこから西城くるみが産まれる。彼女は斧を持った女に追いかけられていて、アイはわけもわからず巻き込まれてしまう。アイはかつてイジメられていた。そんなアイの親友になってくれたのが転校生の長瀬小糸だった。ところが、小糸は自殺。謎の空間の校舎の屋上には小糸の彫像があった。親友を救えなかった過去を繰り返すのが許せないアイは勇気を振り絞り、くるみを救出。小糸の彫像は少し暖かくなっていた。タマゴを割って少女を助け続ければ、小糸が戻ってくると確信したアイは、再びタマゴを求めるのだった。

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