『ワンダーエッグ・プライオリティ』3話感想 ドラマの脚本家にアニメで期待したこと

『ワンダーエッグ・プライオリティ』第3話「裸のナイフ」感想です。

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3話あらすじ


アイはタマゴガチャの場所で川井リカと出逢う。リカはアイに馴れ馴れしく接し、家にまで泊まりにきた。真夜中、アイはリカの異世界に同期して侵入。リカはかつてジュニアアイドルをしていた。そのときにチエミという熱狂的なファンがいたが、彼女は万引した商品を換金してリカに貢いでいた。それを辞めさせるためにリカはチエミに冷たく当たったが、そのせいで彼女は亡くなってしまった。リカは彼女を救うためにタマゴを割り続けていたのだった。

川井リカが登場

新キャラクター川井リカが登場。声優は斉藤朱夏。馴れ馴れしくチャラい感じのお調子者だが、チエミを死なせてしまった罪の意識を強く持っていて、根は優しい子だった。チエミは好きなアイドルにデブだと言われて、過激なダイエットをして拒食症になって死んだ。チエミの亡骸に握手するリカのシーンは印象的だった。彼女が過度に明るく振る舞うのも、罪の意識からの防衛機制なのかもしれない。アイの武器はカッターナイフで、彼女がアームカットをしていたのとも関係がありそう。リカはアイに武器を変えてほしいと言っていたが、カッターナイフを使うということに躊躇いみたいなものもあるんだろう。ジュニアアイドルをしていたという設定は、同日放送の『ゲキドル』とも同じというシンクロニシティー。『ゲキドル』はジュニアアイドルを闇をより色濃く描いているので、観ていない方はぜひチェックしてみてください。

今回はアイもリカの世界に入った。想いの強い方に同期するとアカは語っていて、アイはそれに納得していなかったが、その世界でアイは小糸が友達であるはずの自分になぜ悩みを相談してくれなかったのかと、自分自身にわだかまりを持っていることに気付く。アイは小糸を蘇らせたいと思っているけど、小糸と再び友達になりたいという感情よりも、なぜ小糸は自殺したのか?どうして自分を頼ってくれなかったのか?と聞きたいと言うのが本音なんじゃないだろうか。小糸は、沢木先生とそういう関係にあったのはほぼ確定的っぽい。

3話の最後では川井リカが石化してしまった。異世界でのダメージは現実世界に持ち越しされるはずだから、石化はどうなるのだろうか。死んだということはないと思うけど、意識不明のままという可能性はあるかもしれない。まあ一番可能性ありそうなのは、熟女の化物を倒したら石化も解除されるという結末だろうけど。

ドラマの脚本家にアニメで期待したこと

いきなりだけど本音で言えば、現状ではこのアニメをあんまり面白いとは思えない。作画もキレイだし、セリフ選びにもセンスがあると思うし、いいところはいっぱいある。でも、なにがどう面白くないのかを言葉で説明するのは難しいけれど、なんだか惹かれない。ずっとすっきりしないのは、これ異世界って必要あるんだろうか?ということだ。野島伸司はアニメを手掛けるのは初めてだから、ドラマではできないアニメならではの表現を模索して、現状の形にたどり着いたのかもしれない。『まどかマギカ』の影響を感じるところもある。しかしそれが正解だったとは今のところあんまり思えないのだ。

割とリアルな現実パートの少年少女の悩みや感情描写などが、異世界やバトルとあまりマッチしていないと思う。私はむしろ異世界とかバトルとかなしで、ずっと現実世界で少年少女の群像劇を観たかった。ドラマの脚本家がアニメでしかできないことをするのではなく、アニメの脚本家がアニメでは描かないようなものを期待していた。野島伸司のファンからすれば、アニメというだけでいつもと毛色が違うので面白さを感じるかもしれないけど、アニメを見てる側にとってはそこまでの目新しさは感じない。あと細かいところだけど「かまちょ」とか「パパ活」とか若者言葉とか流行り言葉が時折挟まれるのも、使っときゃええやろ的な厭味を感じる。特に「パパ活」あたりはそれだけで長編一本になりそうなネタだけに、お弁当のパセリみたいに添え物として出すのは、うーんどうだろ。

前回あらすじ

タマゴのガチャには先客がいた。彼女は青沼ねいるという名前だった。ねいるはアイとは積極的に関わろうとはせず、自分が死なせたという妹のためにタマゴを割っていた。アイは再びタマゴを割る。現れたのは新体操部の鈴原南だった。彼女は部活の顧問に体罰やパワハラを受けており、それに怯えて自分を卑下するようになってしまっていた。アイはバケモノと化した顧問教師に猛然と立ち向かい、その姿に感化された南はアイに協力し、顧問教師を撃破する。現実世界に戻ったアイは、無理をして救急搬送されたねいるを目撃。アイはねいるに友達になろうと提案するのだった。

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