『ワンダーエッグ・プライオリティ』4話感想 沢木桃恵はなぜ男の格好をしているのか

『ワンダーエッグ・プライオリティ』4話「カラフル・ガールズ」感想です。

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4話あらすじ


高身長で凛々しい顔の沢木桃恵は男子に間違われることが多かった。彼女もエッグを割って、自殺した知人を救おうとするひとりだった。アイは、リカと協力してバケモノ退治をした後、退院が決まったねいるを迎えに行く。桃恵がショーウィンドウに映った自分の姿に涙しているところに、アイが現れる。アイは桃恵を女の子だと見抜き、桃恵はアイに心を開く。しかし、アイは桃恵の名字である沢木に少しの訝しさを感じていた。

沢木桃恵が登場

リカの石化は特になにごともなかったかのように終わった。まあ確かに、時間が経てばあの世界では傷は癒えるけれども、1話や2話では傷が癒えた後も現実世界では傷を負ったままだったし、そのせいでねいるがエッグ割りから離脱していたのに、なんだか釈然としないものが残る。じゃあ前回の締めになんで石化させたんだろうか。次回の引きのためだけだったんだろうか。

沢木桃恵が登場。男に間違われることがコンプレックスなようで、アイが女の子だと見抜いたことにすごく嬉しそうな表情をしていた。あそこはアイが汚れなく物事を見ることができるとか純真だとかを暗示しているシーンな気もするのだが、道端で嗚咽している子がいたら、いくら男の制服を着てても女なんじゃないか?って考えると思う。すごくどうでもいいけど、過去に英語のレッスンで男なのか女なのか全く分からない人がいて、「He」なのか「She」なのか迷って言い淀んでたら、教師の人が私が英語をわからないもんだと勘違いして「He」って言ってくれて助かったことがあった。まあその方は女性で、そのあと教師の方がめっちゃ気まずくなってしまったんだけど。

閑話休題。男と間違えられることが嫌なのだったら、なんで桃恵はショートカットにして男の制服を着ているのかと疑問に思った。私が考えるには、男の格好をしていても女の子に見られたい、見られるような女の子でいたいという願望があるんじゃないかなと思う。彼女の知人が自殺した原因に関しても、男女の問題というのは絡んでいそうだ。ちらっと映ったのは、桃恵が女性に抱きつかれているシーンで、その女性は同性愛者だったのだろうか。でも桃恵の方は受け入れられなくて、拒絶して自殺してしまったとかいう展開はありそう。男の格好をしているのは、その懺悔(男の格好をしていれば彼女に好かれることもなかった)というのもあるのかもしれない。

ここまで考えてふと思ったのは、リカもチエミを拒絶して、結果的に死に至らしめてしまったということだ。もしかしたらこの4人は、救いたい知人、友人を拒絶して死に至らしめたという共通点があるのかもしれない。そうなると、アイも小糸ちゃんを拒絶した過去があって、それがアイはまだ気付いていなくても、小糸が死んだ原因だとも考えられる。これは関係ないだろうが、そういえばアイが小糸がイジメられている現場を撮影するのを拒んだというシーンがこれまであった。

痴漢問題と女性専用車両

桃恵が最初に救ったのは、電車内で痴漢された少女だった。しかし彼女自身は、痴漢されたこと自体がショックで自殺したというよりも、された非が自分にあると家族に詰められたことがショックだったようだった。最初に彼女がかわいいと言われたがっている様子を見て、容姿が好ましくない女性が、SNSで「私ほんとブス」っていいながら、キメキメの修正しまくりの写真をアップして「そんなことないよかわいいよ」と言われたがっているのと一緒かと思ったが、ひょっとすると、家族に詰られたのがきっかけで、痴漢された責任は自分にあると思い込もうとしていたのかもしれない。このエピソードは「被害者にも責任がある」という公正世界仮説を批判したものだろう。

次の女性専用車両のエピソードは謎で、これは単に桃恵が男と間違えられることを示すためだけに入れられたような気がしてならない。そもそもを言えば、女性専用車両に男性が乗車しても別になんの(法令上の)問題もない。女性専用車両に男が乗ってヒステリーを起こすような女性を批判するのが目的なのかなあ。もしそうだったら、どさくさに紛れて作者の意見を主張しちゃえ感が強すぎて、作品のノイズになるだけだと思う。「女(の自殺)は衝動的で他人の声に影響されやすい」というセリフも作者の主張の一部かもしれないが、今どきこんなこと言っちゃっていいのかな。

まあ言うまでもなく、絵はきれいなんだけど、やっぱり期待したものとは違う。今回Aパートの大半をバトルシーンで潰してて、まあバトルは爽快感あって、よう動くなあとか、視点とか凝ってんなあとかって思うけど、そこじゃないんだよなあ。

前回あらすじ

アイはタマゴガチャの場所で川井リカと出逢う。リカはアイに馴れ馴れしく接し、家にまで泊まりにきた。真夜中、アイはリカの異世界に同期して侵入。リカはかつてジュニアアイドルをしていた。そのときにチエミという熱狂的なファンがいたが、彼女は万引した商品を換金してリカに貢いでいた。それを辞めさせるためにリカはチエミに冷たく当たったが、そのせいで彼女は亡くなってしまった。リカは彼女を救うためにタマゴを割り続けていたのだった。

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