『ワンダーエッグ・プライオリティ』5話感想 ワンエグとハーメルンの笛吹き男

『ワンダーエッグ・プライオリティ(ワンエグ)』第5話「笛を吹く少女」感想です。

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5話あらすじ


アイは家にリカ、ねいる、桃恵を招く。4人は完全に打ち解け合い、みんなでボーリングをしたりプリクラを撮ったり、友達としてのひとときを楽しんだ。リカはもうエッグなんて割らなくてもいいのでは、と提案する。しかし、ねいるは提案を一蹴。彼女は妹に刺されて、その妹は直後に自殺をしたという過去を語り始めた。そんな彼女の話を聞いた他の3人は、裏アカのそそのかしもあって、エッグを割りつづけることを決心するのだった。

それぞれの過去

今回はバトルシーンが少なくてよかった。やっぱりこのアニメにバトルは不要、もしくはあっても今回みたいに少しだけがいいと思う。バトルシーンがメインになってしまうと、そこらへんにある凡百のアニメと大して変わらない。桃恵は沢木先生の姪だった。娘だと思っていたが違っていた。アイは普通に沢木の姪だと知って受け入れているけど、自分のあまり好きではない、うっすらと小糸の自殺の原因になったかもしれないと思っている先生の親戚だと知って、葛藤はなかったのだろうか。そこがばっさり抜け落ちていたので、少し違和感があった。

桃恵はモテること自体は嫌ではないけど、女性の同性愛者にモテるのは無理だったようだ。その部分は前回の感想で書いた予想と一致していた。

桃恵が女性に抱きつかれているシーンで、その女性は同性愛者だったのだろうか。でも桃恵の方は受け入れられなくて、拒絶して自殺してしまったとかいう展開はありそう。

「同性愛者に好かれていると知ったら鳥肌が立つ」というような表現はかなり攻めているなと感じた。最近、結構こういう言い方をすると問題にされることが多いからだ。特にLGBTに関してはセンシティブなので、かなり気を使う。前回も女性に対するステレオタイプっぽい意見を言ったセリフがあったけど、今回も「女だからそのときそのときで感情は爆発するだろ」というセリフがあって、炎上しないかハラハラする。ドラマだと表現的にNGを食らいそうな気がするが、野島伸司がアニメでしかできないことって言ってたのはこういうことだったんだろうか。私自身はポリコレなんてくそくらえと思ってるので、攻めていること自体は評価するが。

ねいるの過去も少し明らかになった。妹に刺されて、その後妹は自殺したらしい。14歳の妹でしかも何年か前のできごとのはずだから、事件が起きたのは妹が小学生のころということになりそうだが、一体何があったんだろうか。その後自殺したということだから、心中目的だったんだろうけど、姉と比較されて疎ましくなったとかそんな感じだろうか。『ゲキドル』を見た後だからそういう想像になってしまう。なぜそんな妹を助けに行くかはまだ分からないが、一回生き返らせて自分の手で妹を殺めるためだったりして。

アイと小糸の関係も見えてきた。リカは沢木が小糸を妊娠させたんじゃないかと言っていたが、確かにそれも最初は考えていたけど、ここで言うってことは真相はそれではないだろう。むしろ沢木はアイに絵のモデルになってくれとお願いしていたので、アイのことが好きなのかもしれない。毎週のようにアイの家を訪問するのも、アイのことが好きだからだと考えられる。小糸がアイに自信がないなら絵のモデルを辞退するように勧めていたシーンは、愛憎入り交じるものを感じた。三角関係というのが小糸の死の原因にありそうだ

エッグなんて割らなくていい

4人で一緒にいるのが楽しかったので、リカはエッグを割るのをやめようと提案した。この流れになるのはリアリティーがある。自分の責任で自殺して罪悪感はあるにしても、自分が危険を犯してまで救いに行く義理なんてないってのは誰しもが思うことだろう。リカが正直なのは好感が持てるし、「死ぬのなんて反則」というのは含蓄のあるセリフだと思う。その中で、救いたい人間に対して唯一罪悪感を持っていなさそうな、ねいるだけが提案を拒んだというのが面白い。リカの口から一回引き返すことを提案されて、それでもエッグを割り続けることを決断したんだから、もう後戻りはできない。やり続ければやり続けるほど、今までやったのが無駄になるんじゃないかと思って引き返せなくなる。サブタイトルは『ハーメルンの笛吹き男』から取ったものだろうか。その物語の中では、笛吹き男に連れ去られた子どもたちは笛吹き男ともども戻ってこなかった。『ワンエグ』はどういう結末を迎えるのだろうか。

前回あらすじ

高身長で凛々しい顔の沢木桃恵は男子に間違われることが多かった。彼女もエッグを割って、自殺した知人を救おうとするひとりだった。アイは、リカと協力してバケモノ退治をした後、退院が決まったねいるを迎えに行く。桃恵がショーウィンドウに映った自分の姿に涙しているところに、アイが現れる。アイは桃恵を女の子だと見抜き、桃恵はアイに心を開く。しかし、アイは桃恵の名字である沢木に少しの訝しさを感じていた。

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