『キャロル&チューズデイ』第13話「Walk This Way」感想です。サブタイトルはエアロスミスが1975年にリリースした楽曲。エアロスミスよりもRun DMCのカバーの方が有名。日本では「踊る!さんま御殿」のテーマとして聞き馴染みがある。
前回あらすじ
チューズデイは実家に帰宅させられ、部屋に一週間軟禁されてしまう。キャロルとチューズデイの両方が相方の大切さに離れて初めて気付くのだった。塞ぎ込むチューズデイの元に兄のスペンサーがやってくる。やりたいことをやらせたいと、チューズデイの脱走を手助けする。そこに現れたキャロル。2人は追っ手をかわし、決勝の舞台に滑り込んだ。キャロル&チューズデイは遅刻のため失格になったが、会場の声援とアンジェラの許しもあり『The Lonliest Girl』を披露。会場の惜しみない拍手に、特例としてキャロル&チューズデイの2人のアーティストデビューが決定した。
13話あらすじ
「MARS brightest」に出場したおかげで知名度が急上昇し、様々なメディアの取材に大忙しのキャロル&チューズデイ。慣れない仕事に緊張しっぱなしの2人だった。
そんな折、アンジェラが大手レコード会社ブライテストレコーズと契約したことを知る。アンジェラは記者会見の場で新曲『Breathe Again』を歌い、記者や視聴者を魅了させる。
キャロル&チューズデイもデビューのためにブライテストレコーズを訪れる。ガスが契約内容を確認するが、制約が多いことを理由に契約を拒否してしまう。2人はインディペンデントで実績を残し、よりよい条件で契約しようと考えたのだ。
そこで伝説のプロデューサー・トビーを探しにガスに連れられてきたのはなんとスラム街。そこで新曲『Army of Two』を熱唱すると、音楽につられてそのトビーが姿を見せた。しかし彼は斧を振り回し、狂った人間のようになっていた。
不法移民排斥とキャロル
チューズデイの母親で大統領候補のヴァレリーは不法移民の強制退去を公約に掲げている。これは現実のアメリカにおけるトランプ大統領をパロディーしたものだと思われるが、『キャロル&チューズデイ』においては重要なファクターになるだろうと思う。
キャロルは難民キャンプ出身ということが語られているが、多分彼女は不法移民なんだと思う。それでヴァレリーが当選するかどうかは別にして、不法移民に対する風当たりが強くなって、という展開も考えられるし、不法移民排斥を訴える候補者の娘が不法移民と一緒にデビューするというのも問題になり、再びチューズデイとヴァレリーの溝が深まりそうだ。
こういう設定を出すのも海外を意識したものだと思われる。ナショナリズムの潮流にあってポリティカルコレクトネスに配慮して、多様性を認めることをアニメでメッセージとして出すのも目的なのだろう。ただ日本人が外国人にこういうメッセージを出すのは少し違和感というか、不法移民問題にはそこまで関係のない日本人がしゃしゃり出てきているような印象すら受けるのだが、それは私が日本人だからだろうか。
コインランドリーにいた謎の男性
コインランドリーにいた壮年の男性の素性も気になるところである。最初私は大物音楽プロデューサーなのかなと思っていて、この人にプロデュースされるのかと想像していたが、それは違っていたようだ。もっとヤバいのがプロデューサーだった。
それ以外で可能性がありそうなのはキャロルの父親だろうか。肌の色もよく似ているし、「(不良たちに)手を出しそうだった」とキャロルのことを理解しているような素振りもあった。
インディペンデントで音楽をすること
大手レコード会社に所属しないのはキャロル&チューズデイには合ってるんじゃないかと思う。私の印象でしかないが、アンジェラはAIを使って最大多数の人々が好きになれる音楽を提供するのに対して、キャロチューは一部の人が異常なほど熱狂できる音楽を作れる人達とだ思っている。
大手レコード会社に入って商業主義に染まったキャロチューは、魅力がかなり失われてしまうのではないかと感じるので、ガスの選択はここは間違っていないように感じる。多分キャロルとチューズデイもお金よりも好きな歌を歌いたいと思っているのではないか。
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