『キャロル&チューズデイ』第1話「True Colors」感想です。
1話あらすじ
火星、ハーシェルシティ。お嬢様のチューズデイはシンディ・ローパーに憧れ、ミュージシャンを目指して家出。大都会アルバシティへとやってきたが、そこで荷物の置き引きに遭ってしまう。
キャロルはアルバシティでバイトをしながらミュージシャンの夢を追いかけていた。彼女はバイト先のハンバーガー屋に来た嫌な客に仕返しをしてしまい、バイトをクビになってしまう。彼女は鬱憤を晴らすように橋の上でキーボードを広げて歌をうたう。そこに偶然通りかかったのはチューズデイだった。2人は意気投合するのだった。
一方で、アンジェラは子役やモデルとして活躍してきたスターだが、少し性格はわがままな女性だった。彼女も歌手として再デビューすることを目論み、音楽プロデューサーTAOの元を訪れる。
キャロルはチューズデイを自宅に招いた。そこでチューズデイは不登校で音楽に救われた過去を語り始める。キャロルも難民キャンプで音楽に触れ、憧れを抱いた。キャロルの曲はメロディーのみで歌詞がなかった。そこでチューズデイは「The loneliest girl」を書き上げ、それを2人で歌ってみることに。ミュージシャンの一歩を踏み出した2人の物語はここからはじまる。
キャロルとチューズデイ
チューズデイはいいとこの出身でお嬢様、キャロルは難民キャンプを経験したことから貧困層だろうが、その2人がコンビを組んでミュージシャンを目指すという物語になっている。キャラクター造形的には海外ドラマっぽい印象を受けた。日本らしいアニメだったら女子高生2人組とかになっていただろう。Netflix独占なのも頷ける。
キャロルはメロディー(作曲担当)でチューズデイは歌詞担当ということだろうか。チューズデイは、歌詞に惹かれて音楽を志し、キャロルはメロディーに惹かれて音楽を志しているので、当然の成り行きかもしれない。これは完全に個人的な意見だが、私は歌詞は結構どうでもいい派だったりするので、歌詞で音楽を好きになったことがない。JPOPだと会いたいよーとか桜が散ってなんとかばっかりで辟易しているし、洋楽は一回聴いても歌詞がよくわからないからだけど。
これも余談だが、キャロル&チューズデイというグループ名にどうやって決まったのだろうか。キャロルが先だ、いやチューズデイが先よ!と言い合いになっていたらと勝手に想像してしまった。
ファーストインプレッション
端正な質アニメという感じで面白かった。美しい楽曲に合わせて物語が紡がれていくような王道の演出だが、アニメでは割と珍しいのではないかと思う。キャロル&チューズデイがどのように歩んでいくのか、またアンジェラが2人にどう絡んでいくのかとても楽しみだ。
ひとつ言うとすれば、私は声優と歌を別な人間が演じるのはあまり好きではない。歌のところだけ少し浮いたように感じてしまうからだ。プロが歌ったほうが上手いのは事実だけど、歌って技術的要素だけじゃなく精神的要素もあると思うので、そこだけ別人になるというのは、歌の人間性をオミットしているように感じてしまう。
サブタイトルについて
サブタイトルの『True colors』はシンディ・ローパーの実際の曲である。作中ではチューズデイがシンディ・ローパーの楽曲に感銘を受けたと語っていた。
「あなたの本当の色は虹みたいに綺麗」という歌詞は、この『True colors』の歌詞「True colors are beautiful like a rainbow」の和訳である。このアニメはサブタイトルが毎回楽曲のタイトルになっていると思うので、毎回(YouTube動画があれば)記事に貼っていこうと思う。その楽曲を聴きながら感想を読んでもらえると嬉しい。
作品情報
イントロダクション
人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。多くのカルチャーはAIによって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。1人の女の子がいた。首都、アルバンシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指していた。いつも、何かが足りないと感じていた。彼女の名前はキャロル。1人の女の子がいた。地方都市、ハーシェルシティの裕福な家庭に生まれ、ミュージシャンになりたいと思っていたが、誰にも理解されずにいた。世界で一番孤独だと思っていた。彼女の名前はチューズデイ。2人は偶然出会った。歌わずにいられなかった。音を出さずにいられなかった。2人なら、それができる気がした。2人は、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていくー
スタッフ
原作:BONES、渡辺信一郎 / 総監督:渡辺信一郎 / 監督:堀元宣 / キャラクター原案:窪之内英策 / キャラクターデザイン:斎藤恒徳 / メインアニメーター:伊藤嘉之、紺野直幸 / 世界観デザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス / 美術監督:河野羚 / 色彩設計:垣田由紀子 / 撮影監督:池上真崇 / 3DCGディレクター:三宅拓馬 / 編集:坂本久美子 / 音楽:Mocky / 音響効果:倉橋静男 / MIXエンジニア:薮原正史 / 音楽制作:フライングドッグ / アニメーション制作:ボンズ
キャスト
キャロル:島袋美由利 / チューズデイ:市ノ瀬加那 / ガス:大塚明夫 / ロディ:入野自由 / アンジェラ:上坂すみれ / タオ:神谷浩史 / アーティガン:宮野真守 / ダリア:堀内賢雄 / ヴァレリー:宮寺智子 / スペンサー:櫻井孝宏
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