【キャロチュー】『キャロル&チューズデイ』14話感想 ダンの揺れ動く気持ちと葛藤

『キャロル&チューズデイ』第14話「The Kids are Alright」感想です。サブタイトルは1965年にリリースされたザ・フーの楽曲。

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前回あらすじ

様々なメディアに引っ張りだこのキャロル&チューズデイ。そんな折、アンジェラが大手レコード会社ブライテストレコーズと契約。記者会見の場で新曲を披露し、記者や視聴者を魅了させた。キャロル&チューズデイもデビューのためにブライテストレコーズを訪れるが、ガスは制約が多いことを理由に契約を拒否してしまう。2人はインディペンデントで実績を残すことを優先させた。そこで伝説のプロデューサー・トビーに応援を頼む。しかしスラム街で出逢ったのは、斧を振り回す狂った男だった。

14話あらすじ

常軌を逸したトビーの振る舞いにその場を去ろうとするキャロルだったが、トビーはプロデューサーを引き受ける。トビーはデビュー曲のリリースを提案し、キャロルの家でレコーディングを行うことに。

トビーと知り合いだったスキップが演奏を手伝い、レコーディングを開始するがトビーは何度もやり直しを要求する。そして52回目でようやくトビーの満足のいくものができ、キャロルとチューズデイは疲れと安堵感からその場にへたり込むのだった。

キャロルはコインランドリーで金目当ての見知らぬ輩に絡まれているところを再びダンに助けられる。後日、ダンはキャロルの元を訪ねる。そこで自身がキャロルの父親であることを婉曲的に打ち明け、キャロルの生い立ちについても語った。

ダンは仮釈放の合間にキャロルに逢いたくて火星を訪れていた。刑期が残っているので地球に戻ることになったが、ダンはキャロルに全てが終わったらまた火星に会いにくると約束するのだった。

過去と向き合うキャロル

ダンは前回の感想で予想した通り、キャロルの父親だった。負い目があって父親であると面と向かってキャロルに言うことができないが、見捨てたわけではないとキャロルに贖罪したい気持ちや再び親子の関係に戻りたいという想いが、あのような回りくどい言い方になったのだろう。ダンの背中に悲痛な思いが溢れているような感じがした。

キャロルはそんな父親を受け入れて、またいつか再会することを誓う。最後は言葉を交わさずとも心を通じ合っているということを示したようなシーンで余韻が残った。

チューズデイに関しても記者に母親のヴァレリーとの仲違いを解消するべきではないかと問われ、逡巡するシーンがあった。彼女も将来はヴァレリーと向き合う日が来るのだろう。キャロルの場合とは異なり、ヴァレリーの歩み寄りが必要不可欠なだけキャロルよりもハードルは高いかもしれない。

アンジェラのAIの歌

タオはアンジェラのAIを作成し、それにアンジェラの歌ったことがない楽曲を歌わせた。作中では普通にアンジェラが歌っていたので当然なのだが、彼女が歌っているのと全く遜色なく、歌手のレゾンデートルすら脅かされる事態になっている。

これは初音ミクなどに代表されるボーカロイドという形で現在進行形で進行している問題とも言える。初音ミクが初めて登場したときは、もう歌手は必要ないのではないかと言われることすらあったが、やはり機械音声には変わりなく、歌手の存在を脅かすまでは至っていない。

もしこの技術がさらに発展していったときに、歌手が必要でなくなる時代が来るのだろうか。AIが歌った歌と歌手が歌った歌に違いは生じるのだろうか。違うとすれば、歌手には背景に人生があってそれが聴いている人を感動させる触媒になるという可能性は考えられる。『キャロル&チューズデイ』ではアーティストが過去に何か傷を持っているのも、人々を感動させる要因になっているのだろう。

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