『キャロル&チューズデイ』第17話「Head Over Heels」感想です。サブタイトルはイギリスのバンドTears For Fearsが1985年にリリースした楽曲。
前回あらすじ
音楽祭「サウスバイサウスウエスト」への参加が決定したキャロル&チューズデイはフローラに出逢った。彼女は過去にガスのプロデュースを受けていたが、大手レコード会社の契約時にガスを見捨てていた。その後フローラは成功を収めるが、悪い人達に唆され身を滅ぼしていった。そんなフローラをガスはキャロチューのライブに誘う。そこで演奏されていたのはフローラの過去の曲だった。それを聴き、フローラは歌への情熱を取り戻すのだった。
17話あらすじ
キャロル&チューズデイは初のアルバムを製作することに。プロデューサーは同じくトビーが務め、オンボロのスタジオを借りて収録する。
そこにアルバタイムスのカイルがインタビューにやってくる。彼はチューズデイの母親であり大統領候補であるヴァレリーの過激な政策についての意見をチューズデイに尋ねるのだった。
一方、アーティガンはAIに全ての預金を盗まれ一文無しになってしまう。家も差し押さえられ、全財産を失ったアーティガンは失意のどん底に沈んでいたが、ロディがそれを見かねて、キャロルの家でキーボードを借り、曲を新たに作るよう説得する。
アーティガンの心の中ではポジティガンとネガティガンがせめぎ合っていたが、音楽の情熱にネガティブな感情は吹き飛び、新たに曲を作曲する。
その曲を引っさげて向かったのはタオの元だった。ボーカルを探しているというアーティガンの頼みを聞き入れ、アンジェラがアーティガンの曲を歌うことに決定するのだった。
ポジティガンとネガティガンとは
今回はアーティガン回。声優の宮野真守のキャラクターもあってか、全体的におふざけ回だった。AIに全財産を盗まれ気力をなくすも、なんだかんだで再び立ち上がり、AIをぶっ飛ばして何故かアンジェラと組むことになるという一話完結ギャグアニメのような展開。1クール目で言えばIDEA回に相当するだろう。
まあこれ単独で見れば面白かった。宮野真守の出来てないボイスパーカッションにも笑ったし、タオまで空気読んでボケてきたり、エンドロールでのアーティガン、ポジティガン、ネガティガンの並びには笑ってしまった。最後にアーティガンの作った曲をキャロチューの2人が歌うのかと思ったら、アンジェラが歌うというのも意外だった。なんでキャロチューはダメだったんだろうか。それもあって、どうしても本筋に関係のある内容ではないので物語にはあまり入り込めなかった。今回は新曲もないのも少しガッカリだった。
そもそも前回のフローラの話も成功者が落ちぶれるという話で、今回と構成が良く似ている。前回は真面目に描いていて、今回はギャグテイストで描くという違いはあるものの、既視感がないとは言えない。それも連続である。やるにしてもこれらのエピソードは分散するべきだったのではないか。
カイルの目的
チューズデイに頻繁に接触してくるカイルの目的が気になる。ヴェレリーに反感を持っているスペンサーと知り合いなことから考えると、実の娘のチューズデイからヴァレリーに反対する意見の言質を取って、反ヴァレリー運動を起こそうと画策しているのではないかと考えられるのだが、残り話数でそこまで話が膨らむのかどうかは微妙なところだ。
なんとなくカイルはチューズデイがヴァレリーとの絶縁状態を解消するための小道具的な役割でしかないんじゃないかとうっすら思っている。一部ではチューズデイはカイルに好意を持っているのでは、という感想もあったが私はそうではないと思う。カイルが気になると言うよりも家族のことが気になっているだけだろう。
コメント