『コップクラフト』第12話(最終回)「TWO WORLDS, TWO JUSTICES」感想です。
前回あらすじ
カーンズとモゼリーメが凶弾に倒れ、トゥルテが市長の最有力候補に躍り出た。彼はタカ派の右翼政治家だだが、ラーテナの匂いは感じられなかった。その後、モゼリーメ夫人のマーラが夫の代わりに出馬を表明。彼女は親セマーニのリベラルだったが、彼女は一連の事件の黒幕ではないかとエクセディリカは怪しんでいた。そこにランドルから入電。彼はマーラが真犯人と写っている写真を撮影して、FBIのチャンに追われていた。ランドルを付けていたチャンは的場たちを包囲し、写真を回収。2人が連行されると、そこに待っていたのはゼラーダだった。
12話あらすじ
的場はチャンに拷問を受けていた。チャンは無能なモゼリーメを傀儡にしようと企んでおり、ゼラーダは地球の頽廃した文化がセマーニに流入することを案じ、セマーニと地球を対立させようと目論んでいた。2人の利害が一致し、テロを起こしていたのだ。
的場は隙をついてチャンを倒し、銃を拝借して、エクセディリカを救出に向かう。途中の屍人を薙ぎ倒しつつゼラーダのもとにたどり着いたが、ゼラーダのバリアに銃は効かない。ゼラーダは透明化して奇襲を仕掛けてきた。
エクセディリカは救出できたが、彼女は脚を痛めて立つことができなかった。そこで的場はスプリンクラーを作動させ、ゼラーダの姿を目視できるようにし、エクセディリカが銃を、的場が剣を操るという奇策に打って出る。
不意を突かれたゼラーダは一閃された。反セマーニのトゥルテが市長選に勝利することになるだろうが、エクセディリカは地球人の良心を信じそれを受け入れ、マーラが黒幕であると告発することを決意するのだった。
的場が大活躍
最終回は的場が一騎当千の大活躍。正直言ってエクセディリカはほとんど何もしてないんじゃないかと思うほどだったが、とりあえずハッピーエンドで終わってよかった。何より良かったのは最後までアニメを放送できたことかもしれない。
ゼラーダに最初に銃が効かなかったのに、エクセディリカが撃ったときは効いたのが最初は不思議に思ったが、これは透明化しているときはバリアが使えないということなのだろう。ここに限らず、このアニメは説明不足のところが多かった。言葉で表現しなくてもいいが、もう少し描写が分かりやすければと思う。
エクセディリカが地球の武器である銃を、的場がセマーニの武器である剣を使って、ゼラーダを倒すシーンは印象的。的場とエクセディリカが本当に心を通わせたことの象徴であるとともに、地球人とセマーニ人は共生できるということのメッセージでもある。「宇宙人」と罵った警官も最後に謝罪していたのも良かった。
『コップクラフト』総評
ストーリーは面白かった。地球人とセマーニ人の対立と共生をテーマにしていて、これは偶然か分からないが、現在進行形で各国においてナショナリズムが台頭していることとタイミングが合っていた。
アニメでは、政治的なテーマを扱っても踏み込むことは避けて上辺だけをなぞるようなものが多いが、『コップクラフト』は攻めていた方だと思う。どちらがいいとか答えを出すわけでなく、政治家なんてどっちもどっちだし結局身近に信頼できる人がいればそれでいいやん、というような諦念のような結末は、現代の日本人に受け入れられやすいのではないか。
しかし問題は作画である。戦闘シーンは何が起きてんのかよく分からないし、静止画を多用するし、中割りじゃないシーンも崩れてるし、一回落とすし、褒められたものではなかった。ミルパンセはアクションシーンの多いアニメは無理だと思う。やるんだったらもう少し余裕を持ったスケジュールでやってほしい。
そのミルパンセは公式ブログで開き直っている。
今回は、いつにも増して昭和感溢れる画造りで、面白かったです。
鞭のようにしなる腕!
衝撃で伸びる首!
平成以降は絶対タブーになっている表現が沢山あって、むしろ楽しんでしまいました。
しかし、この「COP CRAFT」。
ブライガーやゴーショーグンのような玄人好みの知る人ぞ知る名作の道を着実に歩んでいる気がします(自画自賛!)
なんたってお話が面白い!
音楽もどこか懐かしさがあって素晴らしい!
絵は昭和!
平成育ちの監督さんには、面白いと思っても恐ろしくて決して出来ない演出だと思います。
ベテランの域にさしかかっている監督だからこそ出来る工夫なのでしょう。
ブライガーやゴーショーグンが知る人ぞ知る名作かどうかは置いておいて、この開き直りはさすがにどうかと思う。作画はアニメに最も重要な要素ではないと思っているが、作画がいいことに越したことはない。作画が悪いと、いくらストーリーが良くても見てくれる人も少ない。
聞いた話によると原作では推理パートに多くのページを割いているらしいので、むしろアクションシーンを控えめに推理シーンを多く入れるべきだったのではないか。そっちの方が「玄人好み」で熱狂的なファンもついたような気がする。
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