『Fairy gone フェアリーゴーン』8話「舞台袖の笛吹き」感想です。
前回あらすじ
ゼルンI型の暴走事件を受けて、妖精省大臣ヨアヒムと軍部省大臣ブルーノが会合を設けるが、人工妖精を配備したい軍部と調査を優先したい妖精省の議論は平行線をたどった。ネインはシュヴァルツに軍部の味方をするように指示される。グイ・カーリンの幹部であるギルバート・ウォーロックが黒の妖精書を所持しているという情報を得る。同じく黒の妖精書を求めるスウィーティーはドロテアに協力を申し出た。スウィーティーの尋問により、ギルバートから黒の妖精書を所持している言質を取ることに成功するも、彼女らの正体をドロテアと明かすと一触即発になるだった。
8話あらすじ
スウィーティーは妖精スクライカーを発動。クラーラは偵察妖精トメリーズでドロテアの仲間を呼び、マーリヤも妖精アッシュクラッドでギルバートを取り押さえる。ギルバートを人質に、黒の妖精書の在処へと案内させるスウィーティー。ひとりで抜け駆けするも、追いついたフリーらが抜け道から黒の妖精書を奪取する。スウィーティーは全部すでに読んで、置いていったようだ。
保安局のダニエル・キーズは、ゼルンI型暴走事件の参考人として、妖精技師のハンスに同行を求める。また暴走した個体からなにかを取り付けたような痕が発見された。統一ゼスキア首相ゴルバーンはこれを受け、新型人工妖精の記念式典のお披露目を断念する。
終戦記念日当日になるまでロバートは調査を続ける。そしてエディー・ロイドの息子がテッド・リビングストンであることを知り、暴走事件は彼が仕組んだものであると判明する。ハンスは旧友の息子をかばっていたのだ。テッドは旧型人工妖精の強制制御機能を使い、首相暗殺を企てていた。
ロバートは直前でそれをなんとかギリギリで阻止。記念式典にはヴェロニカやウルフランの姿もあった。テッドは、エディーの仇をゴルバーンを討つことで果たそうとしていたのだった。
ギルバートとの駆け引き
前半パートは黒の妖精書をめぐるギルバートとスウィーティーの駆け引きだった。ただ結局力技のゴリ押しになってしまったのは残念と言わざるを得ない。ギルバートが妖精を使えないのであれば、護衛がいたとしても、スウィーティーひとりで実力行使に出ても勝てた気がする。また前回の感想でも書いたがギルバートには軽率すぎるという感想しかない。
スウィーティーがなぜ黒の妖精書を置いていったのかは少し不思議だが、彼女は中身にのみ興味があるということだし、無駄にドロテアを挑発するのも得策ではないと思ったのだろうという理由は付けられるだろうか。
盛り上がりに欠ける終戦記念式典
後半パートは終戦記念式典。テッドが真犯人というのは、前回の感想で予想した通りだった。今まで作中でカウントダウンされていたので作品の中でもかなり大きいイベントになるのかと思っていたが、あっさりと終わってしまった。
個人的には、ここでゴルバーン首相は退場させた方が良かったのではないかと思う。多分シュヴァルツはゴルバーンを助けて、レイ・ドーンは助けないという2人の思惑の相違を描きたかったのかもしれないが、ここまで主に黒の妖精書の争奪戦しかしておらず、物語を大きく動かすためにも引きの強いシーンが欲しかった。
例えば、シュヴァルツが駆け寄るフリをして混乱に乗じてゴルバーンを始末するとかそれくらいのことをしても良かったと思う。そうすることで、シュヴァルツが新型人工妖精を配備させたかった理由も分かりやすい。今の物語は外連味がなさすぎて、少し盛り上がりに欠けるように思う。
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