『Fairy gone フェアリーゴーン』第22話「終焉のパレード」感想です。
前回あらすじ
ゴルバーン首相亡き後、レイ・ドーンはロンダキアへと出向き、皇帝陛下に謁見。領地を返上し、カルオー公を辞した。皇帝はレイを首相代行に任命する。レイは妖精はあくまで人間の道具に過ぎないという人間中心主義思想であり、妖精と人間が共存できる世界を模索するマーリヤとは相容れなかった。マーリヤはチマに導かれ、ヴェロニカの隠れ家を発見。説得するも、彼女は応じることなく、その場を去っていった。監獄では、アインツ教団によって暴動が発生。混乱に乗じて、ウルフランはアクセルを脅し、伝達を遣わせる。伝達相手はリスカーであった。
22話あらすじ
世間の批判を押し切り、混乱の最中にゴルバーン首相の国葬を執り行うことに。ドロテアの警備のもと会場へと向かうレイ・ドーンだったが、予想通りアインツ教団の襲撃を受ける。
人工妖精部隊を展開する教団に防衛網を張っていたドロテアも応戦。フリーはフラタニルを装備したウルフランを迎撃し、因縁の戦いを繰り広げる。
レイの乗る車両はリスカーの操る妖精の奇襲を受け、転覆。レイはリスカーと対峙し、いっときは追い詰めるも奇襲で受けたダメージがレイの身体を蝕む。
あわやというところ間一髪でネインが参戦。戦闘狂のリスカーはネインに妖精武器アリアドラを渡し、真剣勝負を求めるのだった。
一方、レイはマーリヤ達と証人用の隠れ家へと身を潜める。そこに現れたのはヴェロニカであった。ヴェロニカはレイへと襲い掛かるが、満身創痍のレイは防戦一方だった。
マーリヤは、レイに以前ヴェロニカを生かしておいてくれたことを感謝し、ヴェロニカに復讐心は何も生まないと訴えた。
恨まれるべきだと思っていたレイは、マーリヤの思いに謝罪を口にする。ヴェロニカはそんなレイの姿に戦意を喪失し、マーリヤと抱擁を交わした。
そこに現れたのは、教団幹部のグリフ。レイを引き摺って連れ去り、教団に捧げた。そして、融合体、妖精憑きの妖精器官を手に入れた教団は、神獣を復活させる。
妖精憑きそれぞれの想い
今回のハイライトは、マーリヤとヴェロニカの抱擁シーンだろう。作画も気合が入っていた。21話に渡ってすれ違いを続けてきた2人だが、ようやく想いが通じ合った。ヴェロニカの心情はよく理解できる。年老いてボロボロのレイ・ドーンを見て、自分の復讐心があまりに詮無いものであることを認識してしまったのだろう。レイに襲い掛かるときも一瞬の躊躇が見えた気がした。
一方でレイ・ドーンは妖精憑きは有害なものだという信念から、スーナ焼き討ちを行ったのだが、なぜそれを反省するに至ったのかという心情変化が描かれていないので、物語の説得力は薄い。妖精憑きであるマーリヤが腐らず生きているのに感化されたとかならまだ理解できるのだが、過去にヴェロニカを釈放したときから反省していたらしいので、その変化は妄想するしかない。
マーリヤはスーナの森を焼き討ちしたのは許せないけど、ヴェロニカがいるから許す!と言っているので、それは褒められたもんじゃないなと思う。教団は妖精本位、レイは人間本位なら、マーリヤはヴェロニカ本位だろうか。ヴェロニカにも「私がいる」を連発しているけど、マーリヤにとってのヴェロニカは「救い」であったが、ヴェロニカにとってのマーリヤは仲のいい友人でしかないので、マーリヤがいるからいいやとはならないだろう。嫌いなキャラクターではないが、マーリヤは自分を買い被りすぎではないか。
リスカーが弱すぎないか?
すでにダメージを負ったレイ・ドーンに完全なる敗北するリスカーは弱すぎないか?レイが強すぎるのか。ネインに妖精武器を渡す舐めプをできるレベルじゃないと思う。第1期の最後はかなり脅威だったのに、今は満を辞して出てきた割には、全然強そうに見えないのが残念。
神獣の復活
グリフがレイを引き摺って連れて行ったときはちょっと笑ってしまった。マーリヤとヴェロニカはグリフを追いかけるとかしないのか。2対1なら、相手が妖精武器持ちでも全く歯が立たないということもないだろうに。ヴェロニカは妖精武器持ってるのに。
どうでもいいけど、レイがマーリヤとヴェロニカを守ると最後の力を振り絞ったシーンは、百合好きのおじさんが百合カプを護ろうとしている様子を想像してしまって、いまいち感動できなかった。まあそれはアニメが悪いわけではなく私が悪い。
そしてついに神獣が復活。マーリヤがそれを浄化して大団円という感じだろうか。マーリヤがヴェロニカとレイ・ドーンの妖精を浄化してしまえば、素材に使われることもなかったんじゃないかと思うのだけど、まあそれはいいや。マーリヤが人間と妖精の共生を目指していることから、妖精が全部消滅して、タイトル回収『Fairy gone』デデーンとなることはなさそう。
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