『Fairy gone フェアリーゴーン』第23話「覚めぬ夢より出でしもの」感想です。
前回あらすじ
ゴルバーン首相の国葬を執り行うことになったが、予想通りアインツ教団の襲撃を受ける。フリーはフラタニルを装備したウルフランを迎撃、ネインはリスカーとの戦闘に突入、手負いのレイはマーリヤの誘導で隠れ家へと身を潜めた。レイはスーナの森焼き討ちに対する後悔と反省を吐露。そこにヴェロニカが現れる。ヴェロニカはレイへと襲い掛かるが、満身創痍で謝罪を口にするレイに復讐心を喪失。マーリヤの説得もあり、マーリヤとヴェロニカは抱擁を交わした。ところが、教団幹部のグリフが姿を表す。レイを引き摺って連れ去り、教団に捧げた。そして、融合体、妖精憑きの妖精器官を手に入れた教団は、神獣を復活させる。
23話あらすじ
神獣が復活。神獣は周囲を砂塵と化す能力を持っていた。マルコは無に帰することを切望し、その能力に巻き込まれ消滅した。
ネイン対リスカーの戦闘は死力を尽くした果てにネインが勝利。しかし、ネインは深い傷を負い戦闘継続が不能となってしまう。
フリーとウルフランの戦闘は、フリーがウルフランのフラタニルの盾を両断し、フリーが勝利を収める。哀しみを糧に平和を追求すべきと諭すフリーに、ウルフランの気持ちは揺れ動くのだった。
フリーは高台で神獣の進撃を見守るグリフを発見。グリフは妖精武器ペインシーラーを携えていた。そこにフリーの言葉で改心したウルフランも現れ、フリーと共闘する。
神獣の進撃により街はパニックに。マーリヤとヴェロニカは神獣を追跡。マーリヤは神獣の声を聞いた。それは無に帰することしか出来ないやり場のない哀しみの声であった。マーリヤは神獣を止めるべく、接近を図る。
神獣のスピード
ついに神獣が復活。姿はウルフランの妖精を巨大化したような雰囲気で、あまり神々しさや畏怖は感じなかったが、まあそこは人それぞれ感じるものが違うと思う。
それよりも気になったのは、能力がそんなに驚異的なものではないことの方だ。もっとビームとかをびゅんびゅん飛ばすようなものを想像していた。手を地面にかざすと周囲が砂塵に帰するのだが、その範囲が妙に狭くないだろうか。目算で半径100mもないように思える。しかも進撃のスピードが、装備をつけたマーリヤが走れば追いかけられるくらいだから、速くても10km/hほどだろう。
このスピードで東京23区の広さを灰塵に化すためには、少なくとも2,3週間はかかる。大多数の人は多分余裕で逃げられると思う。地球と同じ大きさの惑星全体を無に帰するには3000年が必要になり、神獣がいなくても大規模災害などで無に帰しているかもしれない。
あと、神獣が復活したということは妖精憑きが一人やられたことを意味する。ドロテアのメンバーはまずマーリヤを心配するべきだと思う。めちゃくちゃ薄情な人たちに思える。心配させたくないなら、なぜ生贄になった妖精憑きがマーリヤではないと確信できたのか描いておかないといけない。
ウルフランとの共闘
ウルフランとフリーの共闘は盛り上がりを見込んで描いたシーンだったんだろうけど、ウルフランとの戦闘の直後だったために、ご都合主義感がどうしても拭えず、盛り上がりも薄い。ウルフランが自分で節操がないと言っていたが、節操はなくても信念はあったはずで、こんな簡単に変節するのはやっぱり違和感しかない。今までの彼の信念をそんなに簡単に捨て去れるだろうか。これが例えばアクセルなら長いものに巻かれろ精神で、節操がないのもわかるのだが。
18話くらいでフリーとウルフランの戦闘は終わらせておいて、23話でフリーのピンチに駆けつけるのであれば納得できる。それまでの数話の間にウルフランは悩み、今までの自分の行いを悔いたのだなと思える。
ヴェロニカに関しても同様で「私にはあなた(マーリヤ)しかいない」という台詞を言わせていたが、それもやっぱり早い気がする。まあヴェロニカの場合は、今までの蓄積で徐々にマーリヤへの想いが募っていって、これまでは強がりを言っていただけという解釈はできる。それでも、やっぱりマーリヤに「あなたしかいない」と軽々しくは言えないと思うのだ。節操がないというか尻が軽いというか、そんなキャラクターに思えてしまう。
良かったのはヴェロニカが子供を救うシーンで、過去に自分がマーリヤをひとりぼっちにしてしまったのと重ねている。ただ、こういう描写は仲直りしてからではなく、仲直りする前に差し込んでおいた方がもっと効果的だったと思う。ヴェロニカはやっぱりマーリヤのことをずっと大切に思っているんだと言葉に出さなくても分かる。
あと細かいところだが、前回フリーは二刀流をやめているのに、今回再び二刀流になっていたのは変だ。単純な作画ミスではないかと思う。
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